よもやまメモ噺

いんじんリュウキ

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釜茹で噺

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 歌舞伎や人形浄瑠璃などでお馴染みの大泥棒・石川五右衛門。

 作品などによって様々なフィクションの要素が存在する人物だが、盗みの罪を問われて釜茹での刑になったといのは史実だとされている。

 当時の公家の日記「言経ときつね日記」によると、五右衛門は1594年8月24日に京都の三条河原で処刑された。

 一般に”釜茹で”と言われているが、”釜煎り”と伝える史料もあり、同じ”釜茹で”でも釜に注がれているのが水だったり油だったりと諸説ある。

 釜茹での場合、水でも油でも冷めた状態から釜の下で火を燃やして徐々に温めていき、できるだけ長く苦しめながら殺すという残酷な刑だったので、それだけ盗みの数が多く重罪だったということだ。

 ちなみに処刑に使われた釜は、太平洋戦争前まで刑務協会で保管されていたとのこと。
 戦後になって紛失してしまい、戦時中の鉄不足で供出に迫られたものと推測されている。

 では、今回はこの辺で失礼をば。
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