よもやまメモ噺

いんじんリュウキ

文字の大きさ
上 下
88 / 965

二枚目噺

しおりを挟む
 美男の映画スターや役者のことを二枚目と言ったりしますが、これは歌舞伎のしきたりから来ている言葉なんです。

 江戸時代、歌舞伎の興行を打つ芝居小屋では、劇場の正面入り口に8枚の絵看板を掲げて客に披露していました。

 最初の絵は、書き出しと呼ばれてその興業の主演俳優の絵、2枚目に若い美男の花形役者の絵が掲げられており、ここから美男俳優のことを二枚目と呼ぶようになったのです。

 さらに、3枚目には道化役の役者の絵が掲げられていたので、喜劇役者やお道化た芝居をする俳優を三枚目と呼ぶようになったのです。

 ちなみに、4枚目は中軸なかじくと呼ばれて座頭ざがしらと同格くらいの役者の絵、5枚目はかたき役の絵、6枚目は実敵じつがたきという二枚目の敵役の絵、7枚目は実悪といって謀反人や盗賊を演ずる役者の絵、8枚目は座頭の絵となっています。

 では、今回はこの辺で失礼いたします。
しおりを挟む

処理中です...