よもやまメモ噺

いんじんリュウキ

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花の色噺

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 様々な花が咲き乱れる春。

 タンポポやポピー、レンギョウなど、特に黄色い花が多く咲いていますが、これにもちゃんとした理由があります。

 それは、花粉を運んでくれる虫を誘うためです。

 人間社会でも、工事看板のように目立たたせたいものには黄色を用いていますが、それと同じように、タンポポなども、落ち葉や枯れ枝、緑の若草の中で目立たたせ、ハチなどの虫の注意を引き付けるために黄色い花を咲かせているのです。

 ちなみに、赤い花というのはあまり虫の注意を引かないようで、そういった色の花は、蜜の香りや花の形など、別の魅力で虫を誘っています。

 さて、そんな赤い花が多いのが熱帯地方。

 ハイビスカスやピンクシャワーだけでなく、ブーゲンビリアやポインセチアのように葉っぱが赤い花まであります。

 なぜかといえば、この地域は虫ではなく、ハチドリなどの鳥に花粉を運んでもらっているからなのです。

 鳥と昆虫を比べれば、当然体の大きい鳥の方が多くの花粉を運ぶことができ、その分受粉する確率も高くなります。

 なので熱帯の花は、鳥の注意を引くために大きく派手で、しかも鳥の好む赤い色をしているのです。

 また、白い花も熱帯には多いですが、これは夜に目立たせるためです。

 この地方は気温の関係から、夕方以降に活動する生き物も多いので、そういった生き物の注意を引くために、白い花を咲かせているのです。

 では、今回はこの辺で失礼いたします。
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