よもやまメモ噺

いんじんリュウキ

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紫式部噺

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 紫式部といえば「源氏物語」ですが、彼女が書いた日記もそこそこ有名なんです。

 この「紫式部日記」、同僚である女房にいたずらをした話や、お仕えしている中宮彰子の出産記録など、様々な事柄が書かれていますが、その中に清少納言について書いたものもありました。

 清少納言は式部よりも5~10歳ほど年上であり、宮仕えの大先輩にあたるのだが、式部は納言のことがあまり好きではなかったようです。

 「清少納言は自信たっぷりな顔をして、本当にあきれた人。賢そうに漢文を書き散らしているけど、よく見てみれば全然なってない」と、納言の得意分野である漢文の才能を全面否定したかと思えば、「あんな風にあけすけに自慢話をしている人の末路なんて、ロクなもんにならないでしょうね」と、「枕草子」に書かれた納言の自慢話に興ざめした様子も日記に記していました。

 納言は定子が亡くなった1000年頃に宮使いをやめ、一方式部が宮使いを始めたのは1005年頃だったので、二人が宮中で面識があったとは考えにくいですが、ともに中宮に使えた女流文学者という似たような境遇だったので、否が応でも意識してしまったのでしょう。

 ちなみに、納言は人前で博識をひけらかすタイプの才女、式部は気が弱くおとなしいタイプの女性と、性格も正反対だったといわれています。

 では、今回はこの辺で失礼いたします。
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