よもやまメモ噺

いんじんリュウキ

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参勤交代噺

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 諸大名が江戸と領国を行き来するのが参勤交代。

 少なくとも数十人、多ければ数千人が何日間も集団行動することになるので、規律を守らせるために、色々と細かな規則が作られました。

 たとえばある藩では、近道だとしても田畑のなかを通らないこと、街道は中央を歩くこと、行列を乱さないこと、大声で話しながら歩かないことなどの規則がありました。

 また別の藩では、旅先でテンションが上がり羽目を外すものが多かったのか、高い声を出すことや賭け事をすること、宿で小唄や尺八などの音曲を楽しむことを禁じるなど、修学旅行の規則を思わせるような決まりを定めていました。

 ちなみに、江戸時代を通して最大規模の行列を仕立てたのは、100万石とも称される加賀藩で、5代綱紀つなのりの時期に4000人にも及ぶ大行列を仕立てたと記録されています。

 さらにこの参加人員ですが、そのうちの4割近くは臨時雇いの人足だったそうです。

 これはどこの藩にも言えたことですが、人員が増えれば人件費がかさみ、かといって人員を減らせば行列がみすぼらしくなってしまう、そこで急場しのぎに臨時のアルバイトを雇ったということなんです。

 現代の企業も、人手不足の時は派遣社員に頼りますが、いつの時代も考えることは同じなんですね。

 では、今回はこの辺で失礼いたします。
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