よもやまメモ噺

いんじんリュウキ

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貨物噺

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 鮮魚や荷物など、新幹線で様々なものが運ばれるようになってきましたが、実は建設当時、貨物専用の新幹線を走らせる計画があったのです。

 この計画は、東京、静岡、名古屋、大阪付近に貨物駅を設置して、5トンコンテナ150個を積んだ貨物列車を夜中に走らせるというもので、走行速度は150キロ、東京ー大阪間の所要時間は5時間半を想定していました。

 実際この計画に基づいて貨物列車のイメージイラストが描かれ、大阪の鳥飼とりかい車両基地の近くには、本線から貨物ターミナルへ分岐するための立体交差も建設されていました。

 さらに、コンテナを道路輸送する観点から、新幹線車両の大きさは、トラック輸送に使われる5トンコンテナを横積みした場合を想定して決められました。
 
 なので、新幹線の大きさは必然的に道路幅にも合うものとなり、車両をトレーラーで運ぶことが可能になっているのです。

 このように準備が進められていた貨物新幹線ですが、鉄道貨物の衰退や旅客輸送の増大によって、結局実現することはありませんでした。

 ただ、状況はいろいろと変化してきていますので、もしかしたらこの先、荷物新幹線や生鮮新幹線など、人以外を運ぶ新幹線が登場するかもしれません。

 では、今回はこの辺で失礼いたします。
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