よもやまメモ噺

いんじんリュウキ

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錯覚噺

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 冷蔵庫に付けたマグネットや家の窓など、逆三角形の配置で並んでいる3つの点があると、それが人の顔のように見えてくることが多々あると思います。

 これは「シュミラクラ現象」と呼ばれるもので、地球上で顔をもつ生き物のほとんどが、ふたつの目とその下にあるひとつの口が逆三角形に配置されていることから、人間の脳は、その配置のものを顔だと認識しやすいようにプログラミングされているのです。

 また似たようなものとして、「パレイドリア現象」と呼ばれるものもあります。

 これは空に浮かんでいる雲が動物に見えたり、壁にある染みや汚れが顔に見えたりするなど、実際とは異なるものを、自分の知っているものにあてはめてしまうことで、視覚だけでなく、猫の鳴き声が赤ちゃんの泣き声に聞こえたりするなど、聴覚でも起きることがあるのです。

 そして心理的に錯覚を起こすものとして、「アポフェニア現象」と呼ばれるものもあります。

 これは、本に書かれた文字を斜めに読むと意味のある言葉になっているとか、無意味に並んだ数字など、本来はまったく意味のない情報の中に規則性や関連性を見出そうとしてしまう心理作用のことです。

 人は本能的に、あいまいなものを嫌ったり不安に感じる心理作用があるため、本来は無意味なものでも意味のあるものとして知覚し、安心したいようなのです。

 もしかすると様々な迷信や陰謀なんかを信じたりするのも、そういった安心を求める心理が働いているのかもしれません。

 では、今回はこの辺で失礼いたします。
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