よもやまメモ噺

凱旋門噺

　凱旋門という言葉を聞いて、多くの人が頭に思い浮かべるのはパリのシャンゼリゼ大通りに建つ「エトワール凱旋門」でしょう。

 「エトワール凱旋門」の建設を命じたのは、かの有名な皇帝ナポレオン。

　オーストリア領内のアウステルリッツでオーストリアとロシアの大軍に勝利したことを記念して、1806年に建設を命じました。

　横幅45m、高さ50mという巨大さから工事は長引き、完成したのは着工から30年後の1836年でした。

　ただ、建設を命じたナポレオンは1815年に失脚してセント・ヘレナ島へ流刑とされ、完成を見ることなく1821年に没しました。

　その無念を晴らすではないですが、「エトワール凱旋門」を中心とした美しい街づくりを行ったのが、ナポレオンの甥であるナポレオン3世。

　叔父と同じく国民投票によって皇帝に選ばれたナポレオン3世は、人口急増で衛生状態が悪化していたパリの大改造に着手する。

　凱旋門を中心に放射線状に幅の広い12本の大通りが建設され、景観や陽当たりを考慮して建築物の高さを統一し、さらに上下水道の整備を行うなど、現在に続く美しい街並みの基礎を作り上げたのです。

　ちなみに、”エトワール”とはフランス語で星という意味です。

　では、今回はこの辺で失礼いたします。