よもやまメモ噺

いんじんリュウキ

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そうめん噺

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 夏休みになったら毎日昼飯がそうめんで飽きたっていうのは、もう漫画だけの話なんでしょうかね。

 そんな白いそうめんの束には、ほぼ必ず色付きの麺が混じっています。

 これは元々、ひやむぎとそうめんを区別するためのものだったんです。

 そうめんとひやむぎってどう違うの? と聞かれて、即答できる人はそんなにいないと思います。

 JAS規格では、太さ1.3ミリ未満がそうめんで、太さ1.3~1.7ミリがひやむぎだと定められているように、違いは太さだけです。

 なので分かりやすいように、戦後、ひやむぎに数本の色付きの麺を入れ始めたそうです。

 1970年に合成着色料が使用禁止になって廃れたものの、80年代に天然着色料が開発されて復活。この時、子供に好評だったのでそうめんにも色付き麺を入れるメーカーが現れ、そうめんにも入れられるようになっていったのです。

 なので、今は見分けの基準にはなりません。

 さて、このそうめんの一大消費地である鹿児島は、回転式そうめん流し発祥の地でもあります。

 指宿市の唐船峡で回転式のそうめん流し器が発明されたことがそのきっかけで、そうめん流しの店も多数あります。

 ちなみに呼び方については、宮崎県の高千穂が竹を使った「流しそうめん」の発祥地としてアピールしていたので、それとの違いを意識して「そうめん流し」と呼ぶようになったと言われています。

 では、今回はこの辺で失礼いたします。
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