初心なイケメンくんの初体験は異世界の騎士団長と 《もだもだラブコメBL》

らくタ

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第2章 過保護との戦い

35. 過保護

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あの事件から2週間が経った。

あの日、初めて一緒にリベルトと寝た。
しかしそれは本当に言葉通りの意味で、リベルトは最初に口にした約束を守って俺に手を出さなかったから、本当にただ一緒に並んで寝ただけだ。

リベルトは俺にゆっくり休むことを優先して欲しいと言ってくれたけど、それにしてももう2週間も経つのに、一向にそういう雰囲気にならない。

俺はもうとっくにシモンさんとの魔法の練習を再開しているくらい元気なのに、リベルトは毎日のように体調を確認してきたり、仕事でそばを離れる時も絶対に俺が一人にならないように誰かしらに俺の護衛をさせているし、夜も毎日ただ一緒に寝てくれている。

心配してくれるのは嬉しいけど、恋人らしいことをもっとリベルトとしてみたい。

このままリベルトから何かしてくれるのを待っていたら一年後とかになってしまう気がする。

恋愛経験はないけど、俺も知識だけはある。男同士の詳しいことは分からないけど、大体は男女のあれこれと同じようなものだろう。

「ハルカ様、ぼーっとしていたら危ないですよ」

「すみません!」

火属性の魔法の練習中に考えごとをしてしまっていたことにシモンさんに注意されて気づいて、慌てて謝った。

「まぁ、何を考えていたのかは大体予想できますがね。団長のことでしょう?」

「えっ、何で分かったんですか?」

「そんなのハルカ様の顔を見ればすぐ分かりますよ。まぁ過保護なのは今に始まったことではありませんが、そろそろうっとおしいのでハルカ様からガツンと言ってやってください」

やっぱり今日の夜、俺から行動を起こさないとだよな。とシモンさんに言われて決意した。


そして、練習を終えてご飯を食べたりお風呂に入ったりしていたらあっという間に外は暗くなっていた。

寝る時間を迎えたら、リベルトがいつも通り俺の部屋に訪れた。

「ハルカ、今日もずっと魔法の練習をしていたと聞いたが、疲れてないか?」

「ううん、大丈夫だよ。」

「そうか、なら良かった。今日はもう休もう」

そしてリベルトはいつも通りベッドに向かって寝る支度を始めた。

俺は勇気を出してリベルトの後ろ姿に声をかけた。

「あのさ、今日はまだ寝たくない」

「…どうした?何かあったのか?」

「リベルト、ちょっと屈んで目を瞑って」

「ああ、分かった」

俺は少し迷って、やるしかないと思って勢いよくキスをした。

リベルトは目を見開いて固まっていた。

「リベルトは俺とそういうことしたくない?」

「………したくないわけない。ただ、ハルカは…」

「俺はもう全然大丈夫だよ。」

「しかし……」




ーーーーーーーーーーーー
最近忙しく、久しぶりの投稿になりました。すみません。次回リベルトsideです。
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みんなの感想(1件)

BL小説が生きがい

冒頭では主人公の遥にとってリベルトは安心できるお父さん的なポジションのようでしたが、最新話あたりでそれが変化してきていて、これからどんな風に結ばれるのかが楽しみです!いつも更新を楽しみにしてます!

2024.09.19 らくタ

感想ありがとうございます!
やっとここからが書きたかったところなので、ぜひ楽しみにしていただけると幸いです!

解除

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