初心なイケメンくんの初体験は異世界の騎士団長と 《もだもだラブコメBL》

第1章 出会い

29. 後悔

やっとのことで見つけたハルカの姿は、酷いものだった。手首を背後で拘束されて、服は上も下も脱がされ、ハルカの美しい裸体が露になっていた。

そして、ハルカをそんな姿にした張本人であろう男が、ハルカを押し倒して、まさに汚らわしいブツをハルカに押し当てているところだった。

反射的にその男の顔面を蹴り飛ばし、その男をハルカから遠ざけた。

今、あの男はハルカに何をしようとしていた？
ハルカはなぜこんなに乱れた姿なのか。
己の中で湧き上がる憤りが抑えられず、壁に叩きつけられて呻いている男を、再び制裁しようと足が動いたが、様子がおかしいハルカが目に入ったことで我に返り、まず、ハルカの元に向かうべきだと判断出来た。

ハルカに声をかけるも、目が合っているのに、焦点が定まっておらず、何度か声をかけても、受け答えがどうも噛み合わない。

さらに呼吸が荒く、目元には涙が溜まり、その白い肌は林檎のように火照って真っ赤になっていた。

「………っ、はは！可愛いよね、お前は絶対に来ないよって教えてあげてから全然抵抗しなくなっちゃってさ～」

白髪の男が蹴られた頬を抑えながら起き上がり、本当に面白い話をするかのように笑った。

「…………っ！！…ハルカに何をした」

「え、聞きたい？何から話そうかな～」

それから男の発する一言一言は、あまりにも不愉快だった。

ハルカを魔力封じの拘束具で拘束して、魔法が使えず焦っている様子を楽しんで見ていたこと、自分の子を孕ませるために、違法な薬を使用したこと、そして薬の力で乱れるハルカに触れ、秘部を暴いたことなど。

まるで悪びれもなく語る様子は不気味で、ハルカが受けた恐怖を想像すると、強く握りすぎた拳から血が滲んだ。

なぜハルカがこのような目にあうことになってしまったのか。
私があの時、ハルカを置いて出ていかなければ。事前に侵入者対策を行っていれば。もっと早く助けに来れていれば。

ハルカを守れなかった自分があまりにもなさけない。愛する人1人を守れなくて、騎士を名乗れるわけがない。

虚ろな瞳で、薬に犯されて息を荒くしているハルカを見ると、後悔が止まらなかった。