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第1章 出会い
20. 恋愛対象
しおりを挟むバスローブを着替えようとしていたら何故か突然リベルトにソファに押し倒されて、今もリベルトは俺の上でまっすぐこちらを見つめている。深いワインレッドの瞳は明らかに熱を帯びていて、リベルトから目が離せなくなる。
「今、嫌ではないと、そう言ったのか?」
「は、はい…」
リベルトに距離を詰められても、今更嫌がることなんてない。あんなに密着して馬に乗っていたし、ハグもしたことがある。その時と比べると今のリベルトはどことなく雰囲気に色気があり近距離で見つめられると恥ずかしいけど、不快感とかは一切なかった。
俺はそんなことより、さっきのリベルトの発言の方が気になっていた。
「リベルトは、もしかして俺のことを…好き、なんですか…?」
あんな切実な瞳で愛しく思っているなんて言われたら、本気にしてしまう。
「あぁ、私の本心だ。」
バクバクと心臓の音がうるさい。
生まれて初めて、告白をされてしまった。
ずっと憧れていたのは女の子にされるシュチュエーションだったのに、全く違和感を感じないどころか、胸が高鳴っていた。
好きになってもらえることが、こんなに嬉しいものだったなんて、知らなかった。
どうしよう。俺はずっと女の子が好きで女の子と付き合うものだと思っていたのに、いざリベルトに好意を伝えられたら、それに応えたいと思ってしまってる。
今まで固定概念が邪魔していただけで、恋愛する相手に性別は関係なかったのかもしれない。
でも俺はこうやって告白されるまでリベルトのことを恋愛対象としては見ていなかったから、もしかしたら好きって言われたのが嬉しいだけかもしれない。こんな状態で俺もリベルトのことが好きと言っていいのだろうか。
「リベルト、その、俺は…」
何を言えばいいのか分からなくて、口ごもってしまった。
すると、リベルトは悲しそうに眉を下げて、これまでずっとじっと見てきてきた目を逸らした。
「私は、ハルカが思っているより何倍も不誠実な男だ。ハルカが私に強く出れないことを利用して気持ちを押し付けている。」
「そんなこと…」
「私を許してはいけない。もう私と顔をあわせたくなければ、これからは他の団員に任せるから心配しなくていい。」
いつの間にか、俺がリベルトを拒否したような流れになってないか?
たしかにまだ好きとは言えないけど、嫌では絶対にないのに。
「俺はリベルトのこと嫌じゃないよ」
「私はハルカとキスやそれ以上のことをしたいと思っている。そんな相手に押し倒されている今、"嫌ではない”なんて言う意味を分かっているのか?」
勢いのままにいつの間にかタメ口になってしまっていたけど、もう引き返せない。
キスやそれ以上のことなんて、したことが無いから上手く想像出来ないけど、何となくそれでも抵抗は全くないだろうなと思った。
どうしたら分かってくれるんだろう。たしかに最初は男も恋愛対象になるなんて思いもしなかったから意識していなかったけど、男同士で結婚も子供を作ることも出来ると聞いた時、まず1番に頭に思い浮かんだのはリベルトだった。
これからは恋愛対象として接すれば、俺の気持ちもはっきりする気がする。
「リベルト聞いて、リベルトには恩が沢山あるからたしかに強くは出れない。でも本当に嫌じゃないんだ。リベルトになら、何をされても大丈夫な気までしてる」
「…っ、だから不用意にそのような発言をするのは」
「まだリベルトのことを好きかは分からないけど、だからこそ試してみないと」
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9/19 タイトルを変更しました。
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