初心なイケメンくんの初体験は異世界の騎士団長と 《もだもだラブコメBL》

らくタ

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第1章 出会い

18.風呂上がり

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「ご、ごめんなさい」

リベルトに突然注意されて、理由が分からないままとりあえず謝ってしまったけど、ピンと来ていない様子の俺に、リベルトは眉を下げて笑って大丈夫と言ってくれた。

「団長、流石に冗談ですよ。紳士の私が何も知らないハルカ様につけ込むなんてこと、あるわけないじゃないですか」

「はぁ、流石にもう戻らなければならないから自称紳士のお前に任せるが、くれぐれも冗談は冗談のままにしておいてくれ」

「もちろん。さ!早く行ってください」

そうして、シモンさんと一緒にリベルトを見送った後、早速魔法の練習を再開した。

魔法の練習は、やればやるほど成長出来るのが嬉しくてつい時間を忘れてしまう。シモンさんも俺が新しい魔法を覚える度に飛びつくほど喜んでくれる。

「まさか上級魔法まで使えてしまうとは…!魔力の質は使える魔法にも影響しているのかもしれませんね!まだまだ検証が必要です」

シモンさんはいつも俺の魔力が綺麗だと口癖のように鼻息を荒くして言っているから、俺自身というよりは俺の魔力を気に入っているみたいだ。俺はシモンさんみたいに魔力は見えないから分からないけど、自分の一部を褒められるのは普通に嬉しい。

「あんまり遅くまでハルカ様を独占していたら団長に文句を言われそうなので本日はそろそろ終わりにしましょうか。」

シモンさんにそう言われていつの間にか辺りが暗くなっていたことに気がついた。

そういえば、今日は久しぶりにリベルトと夜ご飯が食べられるんだった。まだリベルトは仕事中かもしれないけど、今のうちに急いで部屋に戻ってシャワーを浴びておきたい。いつもは夜ご飯の後に浴びているけど、今日は火属性魔法を沢山使ったから汗をいっぱいかいてしまったから早く汗を洗い流したい。

足早に部屋に向かった俺はすぐに浴室に入った。
ここのお風呂は洋式になっていて、ユニットバスだ。俺は元々シャワー派だったからいつも浴槽には浸からずにぱぱっと済ませてる。

今日も10分ほどで洗い終わって身体を覚えたばかりの風魔法で乾かしてからバスローブを着て浴室から出た。リベルトはいつも通りなら1時間後くらいに来るからしばらく涼んでから髪を乾かして服を着ればいいかと、ソファに深く腰掛けて一息ついた。

ここに来て最初にお風呂に入った時は時はまだ魔法が使えなかったから、バスローブで身体を拭いたけど、今では風魔法でサッと乾かせるようになって改めて魔法の便利さを実感した。

そろそろ髪も乾かそうかなと思った時、コンコンと部屋をノックする音が聞こえた。

すぐに扉を開くと、そこには騎士団の制服から少しラフな格好に着替えたリベルトが立っていた。

「今日は早かったですね。入ってください」

今日は仕事が早く終わったのかなと思って部屋に招き入れようと声をかけたが、何故かリベルトは俺と目が合うなり少し顔を赤くして固まったまま部屋に入ってこなかった。

「どうかしました?」

「…いや、もしかしてシャワーを浴びたばかりだったか?すまない、もう少ししてからまた来る」

確かにまだ髪から少し水が滴っているけど、今すぐ乾かせるし気にしなくていいのに。

「髪は魔法ですぐ乾かせるから大丈夫ですよ」

「もうそこまで風魔法を使いこなしているのか、いやしかし… 」

リベルトは何か言いたげにチラリと俺が着ているバスローブを見た。
もしかしてこの格好はだらしないのかな。
リベルトはラフな格好とは言っても上質そうな白いシャツにズボンを履いている。食事のマナーがなっていないと思われてしまうかもしれないし、着替えた方が良さそうか。

「このバスローブはすぐ着替えるので、少しだけ待っていてくれませんか?」

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