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 暗闇の中、ミチカはペニスの味を知ってしまった。
 先端を濡らす雫は塩気を感じたが、それよりも今まで嗅いだことのない、オスの匂いにくらくらとする。
 ペニス自体に味という味はない。けれども。

(い、いやらしい味がするのはなぜ……‬っ?)

 その理由が分からず、ミチカは先端を咥え口全体にペニスの味を行き渡らせた。
 舌を動かし、口の粘膜で擦るように刺激するたびに頭上からアーシュの感嘆や切ないため息が聞こえてくるので、ついそちらに意識がいってしまう。

(気持ちいいのかしら……‬?)

 ペニスに慣れるためにと行っている行為だが、アーシュが興奮しているのを感じて、ミチカまでおかしな気分になっていた。いつのまにかアーシュの反応をさぐりながら味を確かめている。

(これって、まるで、わたくしが奉仕しているみたいだわ)

 しかも目隠しをされ、両手は縛られている。
 おまけに全裸だ。
 みたい、でなく、そうなのだ。

 得体の知れない興奮に突き動かされて、首を前に倒しぐぐっと竿まで口に迎え入れた。
 口に収まる大きさではないものの、限界まで頬張り、味わった。アーシュの深いため息に促されるように、首を上下に揺する。

(チンポって、なんなんでしょう。こんなにいやらしい味だなんて……‬なんていけない器官なの。ものすごく硬いし卑猥だし……‬本当に、一体なんなの? こんなの、こんなの……‬……‬えっ、あ、そんなに気持ちがいいの?)

 そちらの興味が勝ち、チュッパチュッパと夢中でペニスを吸う。
 この猛々しい凶悪な肉の棒はおそろしく張りつめているが、自分の口と舌とで育てたのかと思うと不思議な気持ちだった。

「んぅっ……‬んふぅっ、ンッ、んっ、んちゅぅぅ……っ‬」
「目隠しをしたのは正解だったようだ。順調すぎるほど慣れていく……。主の唇も、口の中も、やわらかく温かく濡れていて、あぁ、とろけるようだ」
「んっんっんっ」
「ああ……‬主よ……‬ッ!」
‬「んふっ……‬ぷ、はぁっ……‬」

 爆発しそうな勢いのペニスが怖くなり、ミチカはぱっと顔を上げた。

「ど、どうです、わたくし、少しは慣れてきたと思うのですが」

 すると褒めるように両頬をアーシュの大きな手で包みこまれ、胸が熱くなる。見えないが、アーシュが満足そうに微笑んでいる気がした。

「ああ、さすが我が主だ。偉いぞ。寸止めテクも素晴らしいタイミングであった」
「なんだか少し希望が見えてきました」
「では、次の段階へ進めそうだな。おまえが見た婚約者殿と女の使い魔はその次に何をしたのか覚えているか?」
「え……っ‬と」

 使い魔の口を犯すようにレダラスが腰を動かし、そのまま射精していたはずだ。使い魔はそれを一滴もこぼさず飲み干して……‬

「やろう」
 早い。

「まっ、待ってください! それは、さすがに時期尚早では……‬。それに、レダラスさまは射精なさってもすぐにまたチンポが大きくなったのですが、これはどういう仕掛けで……‬」
「ほう。それくらいは私も可能だ。一発どころか二発でも三発でも続けてできよう。いや、それ以上だ。一晩中であろうとも、おまえが望むだけ勃たせるぞ」
「うん、えっと?」
「さあ、ミチカ。早く口を開けよ。ここからは奴隷の私が手伝ってやる。おまえの手を煩わせることはしない……‬と言ってもおまえはもとより手が使えないのだな」

 アーシュはミチカの顎を掴むとペニスで唇をこじ開けようとする。
 強引で性急な使い魔にミチカは戸惑った。

「ちょまっ、んむっ!」
「私がコレを動かしておまえの口を犯す……‬そしておまえは放たれた精液を飲む、よいな。これは性行為の前座的にごく普通に行われることだ。いわば口付けの延長。慣れなくてはいけない」
「んっ、んんんーーっ?(ほんとですか?)」
「ああ常識だ。歯は立てないでくれると有り難いが、なんなら噛んでくれてもよいぞ……‬耐えてみせる」
「んんっ、む、ふぅ……‬っ」
 
 手を縛られているので抵抗もできない。
 跪いた不安定な姿勢で頭を押さえ込まれ、ペニスをずいっと入れられる。喉奥を突かれて嘔吐(えず)きそうになったが、なんとか堪えた。

「んふっ……‬うぅんッ……‬」

 引き抜かれた隙に息継ぎをして、また奥まで犯される。その動きはさほど激しくはない。何をされているのか、視覚を奪われたミチカに理解させるような動きである。
 口腔内をペニスで擦られる生々しい感触をいやでも意識させるように。

(ああ、わたくしの口にチンポが出入りしている……‬!)
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