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交際15日目 突然の訪問ですね
しおりを挟むあれから3日間、シーナからはなんの音沙汰もない。
いつもなら会った日に次の約束を決めていたが、この間はそれもなく解散してしまったためどうすればいいのかポーラールにも分からない。
(というか、俺から行動するのは変じゃないか?)
ポーラールは一応、シーナから告白されて1ヶ月お試しでしぶしぶ付き合ってあげている。というスタンスを取っている。
まぁ、金に目が眩んで告白を了承したことは知られてしまったが……。
(俺から『次も会えますよね?』なんて言うの可笑しいだろ。
だってそれだと、俺の方がむしろシーナ団長のこと好きみたいじゃないか?
……いや!いやいや、違う。断じて違う!!
俺は可愛い子ちゃんが好きなのだ。
あんなデカくて、ゴツくて、無愛想な男は俺の好みとは正反対だ。
まぁ、顔は悪くないが。
料理もまぁ……悪くない。
あんな剣ダコだらけのデカい手で、どうやってあの繊細な味と盛り付けをしているのか不思議だ。)
好きじゃない理由を挙げ連ねたいのに、余計な考えが横やりをいれてくる。
物置のような副団長用のこじんまりした執務室で独り、「あーー」と頭を掻きむしった。
コン、コン、コン
その時である。
執務室のドアを叩く音が聞こえ、次に続いた「シーナだ。」という言葉に驚いて、思わず立ち上がった。
「えっ?あっ、どうぞ」
まさか執務室に訪ねにくるとは。
動揺する気持ちを必死に落ち着けて、ドアを開けた。
「入ってもいいだろうか。」
「もっ、もちろんっすよ。
汚いっすけど。」
どうぞどうぞと客人用とは名ばかりのちゃちな椅子を勧め、自身もいつも使っている古ぼけた椅子に腰を下ろす。
「突然すまない。」「この間はすみません。」
二人で同時に話し出してしまい、ポーラールは「先にどうぞ。」とシーナへ話を譲った。
「前触れもなく訪ねてしまい、申し訳ない。」
「あっ、いえ、なんかご用っすかね?」
「ポーラール殿はいつもお昼は食堂だろう。
弁当を作ってきたのだが、よければ食べてもらえないだろうか?」
そう言ってシーナは、鞄から布で丁寧に包んだ弁当箱をいそいそと出した。
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