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交際5日目 ほんとに俺のこと好きですか?
しおりを挟む食事がおわるとフィオナを馬車に乗せる。
自分たちは歩いて帰っている途中で、ポーラールは今日ずっと気になっていたことを問いかけた。
「フィオナさんのこと、なんで知ってたんすか?」
「リオーネ殿に聞いた。」
「へー……。」
(あの野郎、確実に面白がってんな。
家教えたのも絶対あいつだわ。)
「シーナ様ってほんとに俺のこと好きなんすかね?
そんな感じしないんすけど。」
「あぁ、君のことを好いている」
ポーラールをまっすぐ見つめる瞳は真剣そのものだが、いつもと変わらない無表情なので真意までは読み取れない。
(まぁ、この瞳は悪くない……。)
ポーラールはキラキラしたものが好きだ。
宝石なんかも好きだし、只のビロードでもたまに太陽にかざしてキラキラ反射する様を楽しんだりもする。
なので、初めてシーナの瞳を見たときはその美しさに眼を奪われた。
可能なら顔を押さえつけて至近距離で眺めてみたいと思ったこともある。
「好きっつー割には、二人で会おうとはしないんすね。」
ポーラールはシーナの宝石のような瞳を眺めながら、そう続けた。
「……ポーラール殿にはできるだけ楽しんでもらいたいと思っている。」
「シーナ団長と二人だと俺が楽しめないって?」
「……あぁ」
(健気かよ……。)
ポーラールは今までシーナのことを貴族のぼっちゃんで気位の高い奴だと思っていた。
だが、存外尽くすタイプらしい。
ギャップに少しときめかないでもない。
人間的な部分を垣間見て、ちょっとだけサービスしてやるかという気持ちも出てくる。
向こうから積極的に迫ってくることもないし、二人でもまぁ問題ないだろう。
「やってみなきゃ分かんないじゃないすか。
今度は女抜きで遊びましょうか」
「………………ポーラール殿がいいなら」
長い沈黙の後、眉間に皺を寄せながらシーナはやっと返事を返す。
顔だけ見たら怒ってるのかと勘違いしそうだ。
「よしっ、じゃあ決まりっすね。
どっか行きたいとこあります?」
「…………思い付かない。」
「んーじゃあ、俺が適当に決めときますんで。」
そういうことになった。
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