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23 ガラスの向こうの夜景 ※R18

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「ふえっ!?」

ガラス越しでも分かるほど色っぽい顔をした一ノ瀬さんが僕の首筋で「はぁ」と熱い息を吐く。

その瞬間、ゾクッとした何かが背筋を駆け抜けていった。

「一ノ瀬さんっ!!あのっ、でもっ、最初に・・・・」

真っ赤な顔して説得力はないかもしれないが、そんなつもりでお部屋にお邪魔したわけじゃない。
というか全然予想してなかった。
だって付き合った当初、一ノ瀬さんにキスとセックスはなしだと釘を刺されていたから。

「分かってる。勝手なこと言ってごめん。でも今すぐ沖くんを抱きたい。ダメ?」

「そっ、なっ、だって・・・・」

口がぱくぱくするばかりでまともな言葉が出てこない。
ど、ど、どうすれば!?どっちで答えればいい?
『いいよ』それとも『だめ』!?
どっちが正解なの!?

簡単な二択、でも答えの分からない二択を頭をフル回転させて考える。
でも、その間にも一ノ瀬さんの手は僕のTシャツの裾から侵入してきていた。

「い、一ノ瀬さん、ちょっと、ちょっと待ってくださいっ、、、んあっ//」

脇腹をつつーっと撫で上げられると、思わず変な声が出る。
それに気をよくした一ノ瀬さんは尚もTシャツの中に手を這い回し、僕は手の甲で口を押さえつけ、何とか声を我慢していた。
こんなんじゃ考える余裕がない。

「んっ、ふぅっ、、、」

気を抜けばみっともない声が漏れてしまう。
口を押さえつける手とは反対の手で這い回る一ノ瀬さんの手を止めようと試みるが、全く効果はなかった。

「声聞かせてよ。」
「んっ、やっ、耳元でしゃべんないでっ」

首を縮こませ、ゾクゾクする快感に耐える。
僕は耳がめっぽう弱いのだ。

だが、僕のその言動は、『耳が弱いでーす。』と主張してるようなもの。
一ノ瀬さんの舌が耳の穴をイヤラしく舐め上げて、ダイレクトに濡れた音が脳内に響く。
カクンと膝の力が抜けて、僕は床にへたり込んだ。

目の前にはピカピカのガラス。
ビル清掃の人が気合を入れて磨いたのだろう、、、
僕のみっともない顔が隠しようもなく映っている。

「耳弱いの可愛いな。」
「ふあっ、あっあっ、耳ダメっ、」

更に耳を舐められて、後ろに倒れ込みそうになる。
一ノ瀬さんの逞しい胸に受け止められ、支えられるように体を預けてしまう。

ピチャピチャ響くイヤらしい音に意識が囚われてると、いつの間にTシャツがたくし上げられ、乳首が丸見えになっていた。

上気したみっともない顔。
丸見えになって立ち上がった乳首。
ズボンの中で窮屈そうに膨らむ陰茎。

ガラスに映し出される自身の姿が、発情したオメガそのもので思わず目を逸らしたくなった。
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