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16 BBQにいこう その2
しおりを挟むBBQ当日。
都心から車で2時間、自然豊かなBBQ場にやってきた。
「わっ、涼しい!」
すぐ近くを小川が流れており、涼しげな音と共にひんやりとした澄んだ空気が気持ちいい。
少し離れたところにある駐車場から指定の場所に一ノ瀬さんと荷物を運び込むと、粗方セッティングだけして、他の人が来るのを待つ。
集合時間まであと30分といったところだ。
「沖くん、ちょっとだけ川入ろう。」
「いいですね!」
靴を脱いで川底に足の裏をつけるとツルツルした石の感触が気持ちいい。
一ノ瀬さんは石をひっくり返してカニを探しており、子供みたいでなんだか笑ってしまう。
「ははっ、なんかめっちゃ楽しい。このまま二人きりでもいいかもな。」
「ふふっ、そうですね。でも、お友達も来たらきっともっと楽しいですよ。」
二人きりなのにパシャパシャ足を鳴らして大人気なくはしゃいでいると、ガヤガヤと人の声が近づい来るのに気付く。
どうやら他の人たちも到着したらしい。
「お疲れー、おっ!沖くんじゃん!!私服見るの初めて!可愛いねぇ。」
アロハシャツにサングラスをかけたチャラい人がすごい親しげに話しかけてくれる、、、が、誰だろう?
思い出そうとして一瞬固まると、誰か分かってないのがバレたらしく、その人が笑い出した。
「沖くん、おれおれ!一ノ瀬の同僚の竹之丞雅士!いつも社食で会ってるっしょ?」
まさかのいつも一ノ瀬さんと一緒に社食に食べにきてくれる竹之丞さんだった。
私服だと雰囲気が違いすぎて全く気づかなかった。
スーツだと王子様系なのに、私服は完全にベテランナンパ師って感じだ。
「あっ、竹之丞さん!!すみません、いつもと雰囲気が違ったのですぐに気付けなくて、、、」
「いーって、いーってw 俺、私服派手すぎて顔に目いかないってよく言われんのよ。」
竹之丞さんは気にする様子なく、ニカッと笑いかけてくれたので、ホッと息を吐く。
「もうすぐ他の連中も来るから、炭入れちゃおっか!肉担当の奴ももうすぐ到着するってさっき連絡あったからさ。」
竹之丞さんは手に持っていた炭入りの段ボールを豪快に開けると、バーベキューコンロにポイポイ投入して火をつけた。
すごい!なんか、、、BBQだ。
いや、当たり前なんだけど久しぶりすぎて、炭火を見て気分が高揚する。
一ノ瀬さんは飲み物を運ぶのを手伝いに行くと言っていた。
野菜担当の人も来ているので、僕は切るのを手伝おうと、そちらに声を掛けて、持ってきていた自前の包丁でサクサク下拵えをしていく。
「わっ、沖さん切るの早ーい!!」
「ありがとうございます。一応仕事でも包丁握ることが多いので・・・・//」
野菜担当の佐藤さんの奥さんが僕の手元を見ながら、褒めてくれる。
一ノ瀬さん以外にあまり褒められることがないので、なんだか照れ臭かった。
佐藤さんの奥さんとその他何人かとで和気藹々と野菜の下準備をしていると、「肉が到着したぞー!!」と場が一気に沸いた。
どうやらお肉担当の人が到着したらしい。
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