透明少女と檻の中

さねうずる

文字の大きさ
上 下
7 / 19

7 私はそれが何かを知らずにやりました。R18

しおりを挟む

今日も牢屋への道を急ぐ・・・・その前にグリードの部屋に寄ってココ花を置いていく。
グリードも最近少しだけ元気を取り戻したように・・・・見えなくもない。

シクシク泣いてるのはいつもだが、机の上のココ花を見つけると少し嬉しそうな顔をするようになった。
多分私が置いていることには気付いている。
でも私に話しかけることはしない。 
私からも自ら存在を教えるようなことはしない。

お互い存在は認識しつつも交流することはない。
特に理由はないけど、それでこれまでやってきたし、私たちにはそれくらいの距離感が丁度いい。

ココ花の蜜を吸ったあと、グリードは必ず「もう少し頑張ろ」と呟く。
それを聞くたびに私は、「グリード頑張れ。」と返事をする。聞こえなくても言わずにはいられない。

グリードを諦めきれなかった王女も、虐めに屈しないグリードの態度に漸(ようや)く婚約者探しを再開させたらしい。
超がつくほどの贅沢好きで性格の悪い、そこそこ歳のいった王女を嫁に貰おうと考える貴族がいるかどうかは不明だけど。



牢に行くと、今日は黒さんの様子がいつもと違っていた。
傷は増えてないが、いつもより遥かに苦しそうで心配になってしまう。
荒い息を漏らしながら大量に汗をかいている。
顔も赤いし、熱があるのかもしれない。
肩に手を置くと、「触るなっ!」と怒鳴られた。
いつも淡々と話す黒さんのその剣幕に、ビクリと体が震える。

「ハァ、ハァ、怒鳴って悪かった。でも、今日は帰れ。」

帰れと言われても、こんな苦しそうな黒さんをほってなんか帰れない。
何か私にできることがあればいいが、触るなと言われてしまえば何もできない。

・・・・・・・・どうしよう。ココ花効くかな?

黒さんの唇にココ花をちょんちょんと当ててみる。
いつものように口を開いての合図だ。

「花は効かないんだ。ハァッ、一晩耐えれば、多少マシになる、大丈夫だからっ、お前は帰れ」

ココ花が効かないなんて・・・・大抵何にでも効くのに。

全然大丈夫じゃなさそうな様子にとても帰る気になんてならなかった。
何かできること・・・・とあたふたしていると、ふと黒さんのいつもと違う箇所に気づく。

・・・・なんか膨らんでる。

ブレーの中心部が不自然に膨らんでいる。
なんだろう・・・・これ。これのせいで黒さんは苦しいのかな。

恐る恐るチョンっと突いてみると、「ゔっ」と黒さんが呻いた。

やっぱりこれのせいで黒さんは苦しいんだ。
ブレーを引き下ろそうとすると「やめろっ、バカっ」
と抵抗された。
助けようとしてるのにバカとは心外である。

疎い抵抗を躱(かわ)し、太腿までブレーをずり下げると、その光景に思わず息を飲んだ。

・・・・・・・・何これ。

赤黒く変色した肉の棒みたいなのがお姫様が棲む塔のように直立している。
いや、男性に付いてるアレについてはさすがに私も知っている。
子供の頃、誤ってグリードのを見たことがあるから。
でもグリードのはこんなんじゃなかった。
子供と大人の違いなのかな。
それとも個人差があるもの?

根元のところにはギチギチに金属製のリングのようなものが嵌められていて、血を止めている様に見えた。
よく分からないが、痛そうではある。
ネジで止められているため、外そうと思えば外せるけど、、、外していいんだよね・・・・?

肉の棒に触れない様、注意しながらネジを反対に巻いていくと、少しずつリングが緩んでくる。
緩めているのに、なぜか黒さんの呼吸が苦しそうに早く浅くなっていく。
皮膚に食い込まないレベルまで緩めた瞬間、肉の棒からピュッと何か飛び出してきて、顔に当たった。
ドロドロしていて、何だか生臭い。

でも、それを出した後は黒さんの呼吸が多少マシになった気がする。
まだ荒いことには変わりないが。

「ハァッ、ハァッ、ヤバいな。全然収まんねぇ。
大丈夫か?どっかにかかったか?」

顔です。顔にかかりました。答えられないけど。

タオルで顔を拭い、再度肉の棒と対峙する。
血が通ったためか先ほどより血色はいい。
その代わり先っぽから汁みたいのがたらたらと溢れ落ちている。

「ハァッ、そこまでやったなら最後まで責任持て。頼む。擦ってくれ。」

擦れって言われても・・・・
人差し指ですりすり擦ってみる。

合ってるかな?黒さんを見ると目は瞑っているが微妙な表情。合ってないみたい。

「握って、掌全体で擦るんだ。優しくな、絶対強く握るな。男のここはデリケートなんだ。」

言われた通り、掌で優しく包む様に握る。
うわっ、皮膚だから弾力はあるけど中の方がすごく硬い。
初めての感触だ。恐る恐る上下にゆっくり擦ると黒さんは熱の篭った息を吐いた。相変わらず目は瞑っている。

「はぁー、いい感じだ。もう少しだけ強く握ってくれ。そう、それくらいだ。徐々に早く擦って。」

言われた通り、少しだけ握りを強め、段々と手の動きを早くしていく。
先端から出ている汁のせいで手が滑る。
グジュグジュという音と「ハッ、ハッ」という黒さんの浅い呼吸音がやけに耳に残った。
絶対に目を開けない黒さんが悩ましげに眉を歪めており、これで本当に合ってます?と心配になってしまうくらいだ。

「っ、クッ。」

いきなり肉の棒が膨らんだかと思うと、またもやドロドロした液体を吐き出した。
そしてまた顔にかかった。
出る時はもっと前もって教えてほしい。

でもこれを出すと、「ハァー」と満足げに息を吐くので、黒さんはもしかしてこれが体内に溜まっていて苦しいのかもしれない。

「もう一度頼む。」

それを5回繰り返したくらいで、漸く手を離すことを許された。
ベタベタになった手と黒さんの肉の棒を綺麗にタオルで拭き取る。

それにしても不思議な棒だ。血管が皮膚の中から浮き出ていて切ったらすごい血がでちゃいそう。などと恐ろしい想像をしてしまい身震いする。
それなのに先っぽは熟れたすももみたいにぷりっとしていて食べたら美味しそうだな。なんて思う。
ちっちゃな切れ込みみたいなのが入っているからきっとここから液体が排出されているのだろう。

「おい、まじまじ見るな。鼻息当たってるのバレてるぞ。」

おっと。近くで観察していたのがバレてしまった。

「痛くない程度にリングのネジ巻いてくれるか?緩んでると奴らにバレる。」

再びあの金属でできたリングを肉の棒に通し、ゆっくりと指でネジを摘む。
黒さんの表情を見ながら痛くないか慎重にネジを巻いていった。

「はーー、助かった。ありがとな。薬もだいぶ抜けたみたいだ。これなら問題なく耐えられると思う。」

コツン

一回音を出し、返事をした。

今日はいつもよりだいぶ時間が掛かってしまった。
時計を見ると、見回りの時間までもうすぐだ。
それから私は急いで鍵を返しに鍵小屋へと向かった。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

大嫌いな次期騎士団長に嫁いだら、激しすぎる初夜が待っていました

扇 レンナ
恋愛
旧題:宿敵だと思っていた男に溺愛されて、毎日のように求められているんですが!? *こちらは【明石 唯加】名義のアカウントで掲載していたものです。書籍化にあたり、こちらに転載しております。また、こちらのアカウントに転載することに関しては担当編集さまから許可をいただいておりますので、問題ありません。 ―― ウィテカー王国の西の辺境を守る二つの伯爵家、コナハン家とフォレスター家は長年に渡りいがみ合ってきた。 そんな現状に焦りを抱いた王家は、二つの伯爵家に和解を求め、王命での結婚を命じる。 その結果、フォレスター伯爵家の長女メアリーはコナハン伯爵家に嫁入りすることが決まった。 結婚相手はコナハン家の長男シリル。クールに見える外見と辺境騎士団の次期団長という肩書きから女性人気がとても高い男性。 が、メアリーはそんなシリルが実は大嫌い。 彼はクールなのではなく、大層傲慢なだけ。それを知っているからだ。 しかし、王命には逆らえない。そのため、メアリーは渋々シリルの元に嫁ぐことに。 どうせ愛し愛されるような素敵な関係にはなれるわけがない。 そう考えるメアリーを他所に、シリルは初夜からメアリーを強く求めてくる。 ――もしかして、これは嫌がらせ? メアリーはシリルの態度をそう受け取り、頑なに彼を拒絶しようとするが――……。 「誰がお前に嫌がらせなんかするかよ」 どうやら、彼には全く別の思惑があるらしく……? *WEB版表紙イラストはみどりのバクさまに有償にて描いていただいたものです。転載等は禁止です。

王女、騎士と結婚させられイかされまくる

ぺこ
恋愛
髪の色と出自から差別されてきた騎士さまにベタ惚れされて愛されまくる王女のお話。 性描写激しめですが、甘々の溺愛です。 ※原文(♡乱舞淫語まみれバージョン)はpixivの方で見られます。

透明人間に犯される女教師の話

ヨスガラ
恋愛
透明人間に犯される女教師の話です。

クソつよ性欲隠して結婚したら草食系旦那が巨根で絶倫だった

山吹花月
恋愛
『穢れを知らぬ清廉な乙女』と『王子系聖人君子』 色欲とは無縁と思われている夫婦は互いに欲望を隠していた。 ◇ムーンライトノベルズ様へも掲載しております。

慰み者の姫は新皇帝に溺愛される

苺野 あん
恋愛
小国の王女フォセットは、貢物として帝国の皇帝に差し出された。 皇帝は齢六十の老人で、十八歳になったばかりのフォセットは慰み者として弄ばれるはずだった。 ところが呼ばれた寝室にいたのは若き新皇帝で、フォセットは花嫁として迎えられることになる。 早速、二人の初夜が始まった。

夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました

氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。 ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。 小説家になろう様にも掲載中です

ハズレ令嬢の私を腹黒貴公子が毎夜求めて離さない

扇 レンナ
恋愛
旧題:買われた娘は毎晩飛ぶほど愛されています!? セレニアは由緒あるライアンズ侯爵家の次女。 姉アビゲイルは才色兼備と称され、周囲からの期待を一身に受けてきたものの、セレニアは実の両親からも放置気味。将来に期待されることなどなかった。 だが、そんな日々が変わったのは父親が投資詐欺に引っ掛かり多額の借金を作ってきたことがきっかけだった。 ――このままでは、アビゲイルの将来が危うい。 そう思った父はセレニアに「成金男爵家に嫁いで来い」と命じた。曰く、相手の男爵家は爵位が上の貴族とのつながりを求めていると。コネをつなぐ代わりに借金を肩代わりしてもらうと。 その結果、セレニアは新進気鋭の男爵家メイウェザー家の若き当主ジュードと結婚することになる。 ジュードは一代で巨大な富を築き爵位を買った男性。セレニアは彼を仕事人間だとイメージしたものの、実際のジュードはほんわかとした真逆のタイプ。しかし、彼が求めているのは所詮コネ。 そう決めつけ、セレニアはジュードとかかわる際は一線を引こうとしていたのだが、彼はセレニアを強く求め毎日のように抱いてくる。 しかも、彼との行為はいつも一度では済まず、セレニアは毎晩のように意識が飛ぶほど愛されてしまって――……!? おっとりとした絶倫実業家と見放されてきた令嬢の新婚ラブ! ◇hotランキング 3位ありがとうございます! ―― ◇掲載先→アルファポリス(先行公開)、ムーンライトノベルズ

前略、旦那様……幼馴染と幸せにお過ごし下さい【完結】

迷い人
恋愛
私、シア・エムリスは英知の塔で知識を蓄えた、賢者。 ある日、賢者の天敵に襲われたところを、人獣族のランディに救われ一目惚れ。 自らの有能さを盾に婚姻をしたのだけど……夫であるはずのランディは、私よりも幼馴染が大切らしい。 「だから、王様!! この婚姻無効にしてください!!」 「My天使の願いなら仕方ないなぁ~(*´ω`*)」  ※表現には実際と違う場合があります。  そうして、私は婚姻が完全に成立する前に、離婚を成立させたのだったのだけど……。  私を可愛がる国王夫婦は、私を妻に迎えた者に国を譲ると言い出すのだった。  ※AIイラスト、キャラ紹介、裏設定を『作品のオマケ』で掲載しています。  ※私の我儘で、イチャイチャどまりのR18→R15への変更になりました。 ごめんなさい。

処理中です...