【第一部・完結】七龍国物語〜冷涼な青龍さまも嫁御寮には甘く情熱的〜

七体の龍が守護する国・七龍国(しちりゅうこく)。
その内の一体である青龍の伴侶に選ばれた和華(わか)の身代わりとして、青龍の元に嫁ぐことになった海音(みおん)だったが、輿入れの道中に嫁入り道具を持ち逃げされた挙句、青龍が住まう山中に置き去りにされてしまう。
日が暮れても輿入れ先に到着しない海音は、とうとう山に住まう獣たちの餌食になることを覚悟する。しかしそんな海音を心配して迎えに来てくれたのは、和華を伴侶に望んだ青龍にして、巷では「人嫌いな冷涼者」として有名な蛍流(ほたる)であった。

冷酷無慈悲の噂まである蛍流だったが、怪我を負っていた海音を心配すると、自ら背負って輿入れ先まで運んでくれる。
身代わりがバレないまま話は進んでいき、身代わりの花嫁として役目を達成するという時、喉元に突き付けられたのは海音と和華の入れ替わりを見破った蛍流の刃であった。

「和華ではないな。お前、何者だ?」

疑いの眼差しを向ける蛍流。そんな蛍流に海音は正直に身の内を打ち明けるのだった。

「信じてもらえないかもしれませんが、私は今から三日前、こことは違う世界――『日本』からやって来ました……」

現代日本から転移したという海音を信じる蛍流の誘いでしばらく身を寄せることになるが、生活を共にする中で知るのは、蛍流と先代青龍との師弟関係、蛍流と兄弟同然に育った兄の存在。
そして、蛍流自身の誰にも打ち明けられない秘められた過去と噂の真相。

その過去を知った海音は決意する。
たとえ伴侶になれなくても、蛍流の心を救いたいと。
その結果、この身がどうなったとしても――。

転移先で身代わりの花嫁となった少女ד青龍”に選ばれて国を守護する人嫌い青年。
これは、遠い過去に願い事を分かち合った2人の「再会」から始まる「約束」された恋の物語。
「人嫌い」と噂の国の守護龍に嫁いだ身代わり娘に、冷涼な青龍さまは甘雨よりも甘く熱い愛を注ぐ。

┈┈┈┈┈┈┈ ❁ ❁ ❁┈┈┈┈┈┈┈┈
第一部完結しました。最後までお付き合いいただき、誠にありがとうございました。
第二部開始まで今しばらくお待ちください。
┈┈┈┈┈┈┈ ❁ ❁ ❁┈┈┈┈┈┈┈┈
24h.ポイント 7pt
1,513
小説 36,807 位 / 197,106件 恋愛 16,819 位 / 58,438件

あなたにおすすめの小説

巨乳令嬢は男装して騎士団に入隊するけど、何故か騎士団長に目をつけられた

狭山雪菜
恋愛
ラクマ王国は昔から貴族以上の18歳から20歳までの子息に騎士団に短期入団する事を義務付けている いつしか時の流れが次第に短期入団を終わらせれば、成人とみなされる事に変わっていった そんなことで、我がサハラ男爵家も例外ではなく長男のマルキ・サハラも騎士団に入団する日が近づきみんな浮き立っていた しかし、入団前日になり置き手紙ひとつ残し姿を消した長男に男爵家当主は苦悩の末、苦肉の策を家族に伝え他言無用で使用人にも箝口令を敷いた 当日入団したのは、男装した年子の妹、ハルキ・サハラだった この作品は「小説家になろう」にも掲載しております。

お飾りな妻は何を思う

湖月もか
恋愛
リーリアには二歳歳上の婚約者がいる。 彼は突然父が連れてきた少年で、幼い頃から美しい人だったが歳を重ねるにつれてより美しさが際立つ顔つきに。 次第に婚約者へ惹かれていくリーリア。しかし彼にとっては世間体のための結婚だった。 そんなお飾り妻リーリアとその夫の話。

敗戦国の姫は、敵国将軍に掠奪される

clayclay
恋愛
架空の国アルバ国は、ブリタニア国に侵略され、国は壊滅状態となる。 状況を打破するため、アルバ国王は娘のソフィアに、ブリタニア国使者への「接待」を命じたが……。

肉食御曹司の独占愛で極甘懐妊しそうです

沖田弥子
恋愛
過去のトラウマから恋愛と結婚を避けて生きている、二十六歳のさやか。そんなある日、飲み会の帰り際、イケメン上司で会社の御曹司でもある久我凌河に二人きりの二次会に誘われる。ホテルの最上階にある豪華なバーで呑むことになったさやか。お酒の勢いもあって、さやかが強く抱いている『とある願望』を彼に話したところ、なんと彼と一夜を過ごすことになり、しかも恋人になってしまった!? 彼は自分を女除けとして使っているだけだ、と考えるさやかだったが、少しずつ彼に恋心を覚えるようになっていき……。肉食でイケメンな彼にとろとろに蕩かされる、極甘濃密ラブ・ロマンス!

届かぬ温もり

HARUKA
恋愛
夫には忘れられない人がいた。それを知りながら、私は彼のそばにいたかった。愛することで自分を捨て、夫の隣にいることを選んだ私。だけど、その恋に答えはなかった。すべてを失いかけた私が選んだのは、彼から離れ、自分自身の人生を取り戻す道だった····· ◆◇◆◇◆◇◆ 読んでくださり感謝いたします。 すべてフィクションです。不快に思われた方は読むのを止めて下さい。 ゆっくり更新していきます。 誤字脱字も見つけ次第直していきます。 よろしくお願いします。

男装騎士はエリート騎士団長から離れられません!

Canaan
恋愛
女性騎士で伯爵令嬢のテレサは配置換えで騎士団長となった陰険エリート魔術師・エリオットに反発心を抱いていた。剣で戦わない団長なんてありえない! そんなテレサだったが、ある日、魔法薬の事故でエリオットから一定以上の距離をとろうとすると、淫らな気分に襲われる体質になってしまい!? 目の前で発情する彼女を見たエリオットは仕方なく『治療』をはじめるが、男だと思い込んでいたテレサが女性だと気が付き……。インテリ騎士の硬い指先が、火照った肌を滑る。誰にも触れられたことのない場所を優しくほぐされると、身体はとろとろに蕩けてしまって――。二十四時間離れられない二人の恋の行く末は?

きらめく水面に、思い出は棲む

卯月ゆう
青春
主人公の湊は泳げない。 放課後にひとり練習しているところを、結城すい に見つかってしまった。 彼女の誘いにのって、湊は泳ぐ練習をすることになる。 人懐っこく笑う表情、未だに幼さを感じさせる声。その愛らしさは昔と変わらない。 すいは人魚姫の姿に変身できるという。 不思議なことが起こりつつも、楽しい授業は進んでいく。 交わる過去の思い出。リフレインする恋心……。 きらめく水面に映る、恋のものがたり。

前世ラスボスの陰陽師は正体を隠したい ~元大妖怪、陰陽寮に仕官する~

蘆屋炭治郎
ファンタジー
 平陽京の西、鳴松守の屋敷に居候する童――刀伎清士郎はモノノ怪に襲われ、窮地で自身の前世を思いだす。清士郎はなんと、前世で人々を恐怖におとしいれた大妖怪だったのだ。  天才陰陽師の安倍叡明に討たれた悲惨な末路を思いだし、今世では平穏に暮らしたいと願う清士郎。だが不運にも偶然居合わせた安倍叡明に正体こそ隠し通せたものの、陰陽師の才を見抜かれ、京の陰陽寮に仕官するように命じられてしまう。  陰陽寮――それはモノノ怪を打倒する傑物揃いの戦闘集団。  そんな陰陽師だらけの敵地真っ只中で、清士郎は正体を隠して陰陽師としての責務をこなしていくことになるのだが……。 ※諸事情あって週3、4更新とさせていただきます。火、木、土+‪α‬での更新になるかと思います。