49 / 58
両両相俟って、手を携え合う
【49】
しおりを挟む
「そんなに塩を振ったら辛くて食べられるものじゃないだろう。味覚が無いからといって気を遣う必要はない」
塩を入れ過ぎたおにぎりを想像したのか、苦虫を噛み潰したような顔をした蓬に莉亜は自分の狙い通りになったと得意げな気持ちになる。莉亜の料理に憂色を濃くする蓬を安心させるように胸を張って答えたのだった。
「いいえ。これがセイさんのおにぎりの隠し味の一つです」
「隠し味だと……?」
「セイさんの話を聞いた時、ずっと気になっていたんです。蓬さんにおにぎりを届けに来たセイさんが、わざわざ蓬さんの目の前で塩を振りかけたのはどうしてだろうって」
「そんなのはただの仕上げだろう。俺だって塩気が足りないと思った時は最後に追加する」
「でも仕上げだけなら自宅ですればいいだけのことですよね。蓬さんだって、お客さんに料理を運んでから敢えてその場で塩をかけていませんよね。塩気が足りないと思ったら、料理を提供する前に塩を追加すればいいだけですから」
蓬からセイが作るおにぎりの話を聞いた時、疑問に思った。どうしてセイはあえて蓬の目の前でおにぎりに塩を振ったのか。
これがおにぎりではなく、例えば肉や魚料理だったら客の目の前で塩をかける意味も分かる。客の口だけではなく、目も楽しませようという店側のパフォーマンスなのだと。もしかしたら世の中には客を楽しませるために、目の前で調理するおにぎり屋もあるかもしれない。だがセイに限っては、そうする必要性が感じられない。おにぎりを渡す相手は不特定多数の客ではなく、自身が住まう神社で祀っている豊穣の神の蓬であり、神饌として米と塩を奉納するのは必須なのだから。それなら蓬の目の前でおにぎりに塩をかけるということに、どんな意味があったのだろうかと。
――もしかすると、そこには味付け以外にも意味があったのではないかと。
金魚が働くおにぎり屋でそのことに気づいた莉亜は店を出た後、公共図書館で料理科学に関する本を読んで答えを探した。そうしてようやくその意味を知ったのだった。
「それはそうだが……。ただそれはセイが塩辛い味が好きだからそうしていただけだろう。あの時代、料理は女がするものだと考えられていた。料理とは無関係の家系でもあるセイが料理に関する知識を持っていたとは到底思えない」
「最初こそ偶然かもしれません。でも几帳面におにぎりを食べた蓬さんの反応を日記帳に書き溜めていたところから、セイさんは料理についても勉強していた可能性があります。それなら大学の授業が終わった後、早く帰宅していた理由とも辻褄が合います」
数える程しかセイに会っていないので何とも言えないが、神饌としてただ蓬におにぎりを出すのではなく、蓬に「美味い」と言わせるためにセイが記録をつけていたのだとしたら、生真面目なセイは蓬の神名を探す傍らで料理についても学んでいた可能性が高い。米の炊き方から握り方、味の付け方まで。その中できっと知ったのかもしれない。味や美味しさの区別がどうやってつくのかを。
「さっき私が塩を振った時、蓬さんは塩辛い味を想像して顔を顰めましたよね。それと同じように黄色のレモンを見ただけで口の中が酸っぱくなったり、白色の生クリームを見ただけで口の中が甘くなったりするのを感じます。どうしてか知っていますか?」
「過去に食べたことで味を覚えているからだろう」
「それなら熟す前の緑色のレモンや着色料を使用した青色の生クリームを想像した時、どんな味を想像しますか?」
「当然、どちらも不味いと思うだろうな」
「私たちが最初に料理を食べる時、まず最初に味わうのは見た目、その次が匂いらしいです。その二つが分からない時、知っている食べ物でも味が分からないそうです。セイさんはそれを利用しておにぎりが塩辛いものと錯覚させたのではないでしょうか?」
勿論、国や地域によって美味しいと思う色は異なる。青い色の生クリームが主流の国があれば、熟す前に収穫された緑色のレモンを使った料理も近年増えている。自分が知っている見た目ではないからといって、必ずしも味が悪いとは限らない。それならどうして青い色の生クリームや緑色のレモンを不味いと思ってしまうのか。それは視覚から入った情報が自分の味覚を刺激して、美味い、不味いを決めてしまっているからであった。見た目という先入観によって味の良し悪しを決めてしまっているからこそ、見た目と匂いが分からない状態では何も感じられなくなるらしい。
「それなら何故セイはそんなことをした? そんな意味がないことを……」
「意味はあります。早く蓬さんに力を取り戻して元気になって欲しかったからこそ、セイさんは蓬さんの目の前で仕上げをしたんです。おにぎりに食塩を振ることで、このおにぎりには神饌に使われている粗塩が含まれていると強調するために」
金魚に教えてもらった通り、太陽と海の神によって作られているという粗塩は神にお供えするのに最も相応しい塩である。そんな粗塩を料理として使う際の特徴として、溶けやすさと食材との付きやすさがあった。粗塩ごとの粒の大きさにもよるが、食材に振りかけると溶けずに残ってしまうことが多く、また食材によっては手に取った時に食材から粗塩が落ちてしまうことがあるらしい。そのため振りかけるよりはスープや肉料理に向いているとされていた。
しかし神へのお供えものに粗塩を溶かしたスープを出すわけにもいかず、どうにかしてそのままの形で粗塩を口にしてもらう必要があった。そこでセイはおにぎりに粗塩を混ぜて神饌とすることを考えたのだろう。ただおにぎりと一緒に出すことで、蓬には塩の神饌が無いと思われてしまうかもしれない。どうにかしておにぎりに粗塩が入っていると目立たせる必要があった。
だからこそ、セイはあえて蓬の目の前で塩を振ったのだろう。粗塩だとおにぎりを食べる際に落ちてしまうので、粒が細かく食材に付着しやすいと考えられている食塩を振ることで、このおにぎりには粗塩が含まれていると主張させるために。
「蓬さんはセイさんのおにぎりについて、塩辛い中にも甘さと苦さがあった、と表現していました。その甘さというのは食塩で風味を引き立たせられた米の味、苦さが粗塩に含まれるにがりの味、そして塩辛いというのは二種類の塩本来の味に加えて、目の前で塩を振る姿を見たことでより塩辛さが増したのではないかと思ったんです」
おそらく莉亜だけではなく蓬も、セイは神饌に使われている塩一種類だけを使っておにぎりを作っていると思い込んでいた。だからこそ別の種類の塩と組み合わせて使っている可能性を見落としてしまっていた。
セイが生きていた時代に現在流通している塩の製塩法が全て揃ったのなら、他の塩が流通していてもおかしくない。塩漬けという料理が太古から存在していた以上、食塩も古えの時代からあっただろう。粗塩しか塩が無かったわけではない。そのことを金魚が働くおにぎり屋で塩おにぎりを食べた時に気付かされた。おのおにぎり屋では店主が自ら配合した独自の塩を使っていた。天日塩の粗塩に食塩をほんの少し組み合わせた塩らしいが、それがあの日セイに作ってもらったおにぎりの味とよく似ていたのだった。
そこで莉亜は金魚から教えてもらった塩の種類を元に、セイの時代より前から作られている各地の粗塩を取り寄せて、食塩と組み合わせた。その中でようやくセイのおにぎりとほぼ同じ味の塩の組み合わせを見つけたのだった。
塩を入れ過ぎたおにぎりを想像したのか、苦虫を噛み潰したような顔をした蓬に莉亜は自分の狙い通りになったと得意げな気持ちになる。莉亜の料理に憂色を濃くする蓬を安心させるように胸を張って答えたのだった。
「いいえ。これがセイさんのおにぎりの隠し味の一つです」
「隠し味だと……?」
「セイさんの話を聞いた時、ずっと気になっていたんです。蓬さんにおにぎりを届けに来たセイさんが、わざわざ蓬さんの目の前で塩を振りかけたのはどうしてだろうって」
「そんなのはただの仕上げだろう。俺だって塩気が足りないと思った時は最後に追加する」
「でも仕上げだけなら自宅ですればいいだけのことですよね。蓬さんだって、お客さんに料理を運んでから敢えてその場で塩をかけていませんよね。塩気が足りないと思ったら、料理を提供する前に塩を追加すればいいだけですから」
蓬からセイが作るおにぎりの話を聞いた時、疑問に思った。どうしてセイはあえて蓬の目の前でおにぎりに塩を振ったのか。
これがおにぎりではなく、例えば肉や魚料理だったら客の目の前で塩をかける意味も分かる。客の口だけではなく、目も楽しませようという店側のパフォーマンスなのだと。もしかしたら世の中には客を楽しませるために、目の前で調理するおにぎり屋もあるかもしれない。だがセイに限っては、そうする必要性が感じられない。おにぎりを渡す相手は不特定多数の客ではなく、自身が住まう神社で祀っている豊穣の神の蓬であり、神饌として米と塩を奉納するのは必須なのだから。それなら蓬の目の前でおにぎりに塩をかけるということに、どんな意味があったのだろうかと。
――もしかすると、そこには味付け以外にも意味があったのではないかと。
金魚が働くおにぎり屋でそのことに気づいた莉亜は店を出た後、公共図書館で料理科学に関する本を読んで答えを探した。そうしてようやくその意味を知ったのだった。
「それはそうだが……。ただそれはセイが塩辛い味が好きだからそうしていただけだろう。あの時代、料理は女がするものだと考えられていた。料理とは無関係の家系でもあるセイが料理に関する知識を持っていたとは到底思えない」
「最初こそ偶然かもしれません。でも几帳面におにぎりを食べた蓬さんの反応を日記帳に書き溜めていたところから、セイさんは料理についても勉強していた可能性があります。それなら大学の授業が終わった後、早く帰宅していた理由とも辻褄が合います」
数える程しかセイに会っていないので何とも言えないが、神饌としてただ蓬におにぎりを出すのではなく、蓬に「美味い」と言わせるためにセイが記録をつけていたのだとしたら、生真面目なセイは蓬の神名を探す傍らで料理についても学んでいた可能性が高い。米の炊き方から握り方、味の付け方まで。その中できっと知ったのかもしれない。味や美味しさの区別がどうやってつくのかを。
「さっき私が塩を振った時、蓬さんは塩辛い味を想像して顔を顰めましたよね。それと同じように黄色のレモンを見ただけで口の中が酸っぱくなったり、白色の生クリームを見ただけで口の中が甘くなったりするのを感じます。どうしてか知っていますか?」
「過去に食べたことで味を覚えているからだろう」
「それなら熟す前の緑色のレモンや着色料を使用した青色の生クリームを想像した時、どんな味を想像しますか?」
「当然、どちらも不味いと思うだろうな」
「私たちが最初に料理を食べる時、まず最初に味わうのは見た目、その次が匂いらしいです。その二つが分からない時、知っている食べ物でも味が分からないそうです。セイさんはそれを利用しておにぎりが塩辛いものと錯覚させたのではないでしょうか?」
勿論、国や地域によって美味しいと思う色は異なる。青い色の生クリームが主流の国があれば、熟す前に収穫された緑色のレモンを使った料理も近年増えている。自分が知っている見た目ではないからといって、必ずしも味が悪いとは限らない。それならどうして青い色の生クリームや緑色のレモンを不味いと思ってしまうのか。それは視覚から入った情報が自分の味覚を刺激して、美味い、不味いを決めてしまっているからであった。見た目という先入観によって味の良し悪しを決めてしまっているからこそ、見た目と匂いが分からない状態では何も感じられなくなるらしい。
「それなら何故セイはそんなことをした? そんな意味がないことを……」
「意味はあります。早く蓬さんに力を取り戻して元気になって欲しかったからこそ、セイさんは蓬さんの目の前で仕上げをしたんです。おにぎりに食塩を振ることで、このおにぎりには神饌に使われている粗塩が含まれていると強調するために」
金魚に教えてもらった通り、太陽と海の神によって作られているという粗塩は神にお供えするのに最も相応しい塩である。そんな粗塩を料理として使う際の特徴として、溶けやすさと食材との付きやすさがあった。粗塩ごとの粒の大きさにもよるが、食材に振りかけると溶けずに残ってしまうことが多く、また食材によっては手に取った時に食材から粗塩が落ちてしまうことがあるらしい。そのため振りかけるよりはスープや肉料理に向いているとされていた。
しかし神へのお供えものに粗塩を溶かしたスープを出すわけにもいかず、どうにかしてそのままの形で粗塩を口にしてもらう必要があった。そこでセイはおにぎりに粗塩を混ぜて神饌とすることを考えたのだろう。ただおにぎりと一緒に出すことで、蓬には塩の神饌が無いと思われてしまうかもしれない。どうにかしておにぎりに粗塩が入っていると目立たせる必要があった。
だからこそ、セイはあえて蓬の目の前で塩を振ったのだろう。粗塩だとおにぎりを食べる際に落ちてしまうので、粒が細かく食材に付着しやすいと考えられている食塩を振ることで、このおにぎりには粗塩が含まれていると主張させるために。
「蓬さんはセイさんのおにぎりについて、塩辛い中にも甘さと苦さがあった、と表現していました。その甘さというのは食塩で風味を引き立たせられた米の味、苦さが粗塩に含まれるにがりの味、そして塩辛いというのは二種類の塩本来の味に加えて、目の前で塩を振る姿を見たことでより塩辛さが増したのではないかと思ったんです」
おそらく莉亜だけではなく蓬も、セイは神饌に使われている塩一種類だけを使っておにぎりを作っていると思い込んでいた。だからこそ別の種類の塩と組み合わせて使っている可能性を見落としてしまっていた。
セイが生きていた時代に現在流通している塩の製塩法が全て揃ったのなら、他の塩が流通していてもおかしくない。塩漬けという料理が太古から存在していた以上、食塩も古えの時代からあっただろう。粗塩しか塩が無かったわけではない。そのことを金魚が働くおにぎり屋で塩おにぎりを食べた時に気付かされた。おのおにぎり屋では店主が自ら配合した独自の塩を使っていた。天日塩の粗塩に食塩をほんの少し組み合わせた塩らしいが、それがあの日セイに作ってもらったおにぎりの味とよく似ていたのだった。
そこで莉亜は金魚から教えてもらった塩の種類を元に、セイの時代より前から作られている各地の粗塩を取り寄せて、食塩と組み合わせた。その中でようやくセイのおにぎりとほぼ同じ味の塩の組み合わせを見つけたのだった。
0
お気に入りに追加
25
あなたにおすすめの小説
晴明さんちの不憫な大家
烏丸紫明@『晴明さんちの不憫な大家』発売
キャラ文芸
最愛の祖父を亡くした、主人公――吉祥(きちじょう)真備(まきび)。
天蓋孤独の身となってしまった彼は『一坪の土地』という奇妙な遺産を託される。
祖父の真意を知るため、『一坪の土地』がある岡山県へと足を運んだ彼を待っていた『モノ』とは。
神さま・あやかしたちと、不憫な青年が織りなす、心温まるあやかし譚――。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
【完結】愛も信頼も壊れて消えた
miniko
恋愛
「悪女だって噂はどうやら本当だったようね」
王女殿下は私の婚約者の腕にベッタリと絡み付き、嘲笑を浮かべながら私を貶めた。
無表情で吊り目がちな私は、子供の頃から他人に誤解される事が多かった。
だからと言って、悪女呼ばわりされる筋合いなどないのだが・・・。
婚約者は私を庇う事も、王女殿下を振り払うこともせず、困った様な顔をしている。
私は彼の事が好きだった。
優しい人だと思っていた。
だけど───。
彼の態度を見ている内に、私の心の奥で何か大切な物が音を立てて壊れた気がした。
※感想欄はネタバレ配慮しておりません。ご注意下さい。
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
【完結】お飾りの妻からの挑戦状
おのまとぺ
恋愛
公爵家から王家へと嫁いできたデイジー・シャトワーズ。待ちに待った旦那様との顔合わせ、王太子セオドア・ハミルトンが放った言葉に立ち会った使用人たちの顔は強張った。
「君はお飾りの妻だ。装飾品として慎ましく生きろ」
しかし、当のデイジーは不躾な挨拶を笑顔で受け止める。二人のドタバタ生活は心配する周囲を巻き込んで、やがて誰も予想しなかった展開へ……
◇表紙はノーコピーライトガール様より拝借しています
◇全18話で完結予定
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
【完結】仰る通り、貴方の子ではありません
ユユ
恋愛
辛い悪阻と難産を経て産まれたのは
私に似た待望の男児だった。
なのに認められず、
不貞の濡れ衣を着せられ、
追い出されてしまった。
実家からも勘当され
息子と2人で生きていくことにした。
* 作り話です
* 暇つぶしにどうぞ
* 4万文字未満
* 完結保証付き
* 少し大人表現あり
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
今日は私の結婚式
豆狸
恋愛
ベッドの上には、幼いころからの婚約者だったレーナと同じ色の髪をした女性の腐り爛れた死体があった。
彼女が着ているドレスも、二日前僕とレーナの父が結婚を拒むレーナを屋根裏部屋へ放り込んだときに着ていたものと同じである。
炎華繚乱 ~偽妃は後宮に咲く~
悠井すみれ
キャラ文芸
昊耀国は、天より賜った《力》を持つ者たちが統べる国。後宮である天遊林では名家から選りすぐった姫たちが競い合い、皇子に選ばれるのを待っている。
強い《遠見》の力を持つ朱華は、とある家の姫の身代わりとして天遊林に入る。そしてめでたく第四皇子・炎俊の妃に選ばれるが、皇子は彼女が偽物だと見抜いていた。しかし炎俊は咎めることなく、自身の秘密を打ち明けてきた。「皇子」を名乗って帝位を狙う「彼」は、実は「女」なのだと。
お互いに秘密を握り合う仮初の「夫婦」は、次第に信頼を深めながら陰謀渦巻く後宮を生き抜いていく。
表紙は同人誌表紙メーカーで作成しました。
第6回キャラ文芸大賞応募作品です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる