23 / 43
23 邪魔
しおりを挟む
大川さんは、Mと会わない様に心掛けた。友人が大学を案内すると言っていたから、キャンパス内を彷徨かなければきっと大丈夫だと考え、そしてそれは間違ってはいなかった。
衝撃の再会からひと月が経ち、段々と気持ちも落ち着いてくる。
あれから時折、あの時楽しく本の話を出来た彼女と連絡を取る様になっていたこともあった。
Mと同じ大学らしいので、交流を続けることに多少の抵抗はあった。だけど最後に見たMは別人の様に明るく、あまり女子と関わろうという感じも見受けられなかった。今のMと彼女とでは、まるで接点がなさそうだ。
だから油断したのだ。
彼女と会う約束をした。会ってお茶をしようという些細なものだ。
悪いとは思ったけど、大川さんは彼女の大学がある駅ではなく、互いの大学の中間地点にある比較的大きな駅を指定させてもらった。間違ってMに会いたくなかったからだ。
大川さんにとって、Mは最早友人と呼べる様な関係ではなく、最初から最後まで自分を欺いた、理解不能な存在に成り果てていた。
きっと、自分の母親と一緒で、大川さんとは見えている世界が違うんだろう。そう思うことで、辛うじて理解したふりをした。
待ち合わせた駅の改札外。そこにいたのは、困惑した表情の彼女と、一見清楚だけどよく見ると胸元は深く、スカートの横のスリットも大胆に入っている服を着て周囲の男性の目を奪いつつ艶やかに笑っているMだった。
「やっぱり大川くんだった! 私のこと、忘れたなんてないよね?」
そう言いながら、彼女の腕に腕を絡ませる。意図が分からず、大川さんは思わず尋ねた。「何しに来たの」と。大川さんの嫌そうな声色は分かっただろうに、Mは一切めげた様子を見せなかった。
彼女に行こうと声を掛け、Mにはっきりと「じゃあ」と別れを告げる。だけどMは気にせずに付いてきた。
無視しても、二人で会う約束だからと言っても、一切聞き入れなかった。相手にしないままカフェに入ったけど、そこでも椅子を持ってきて二人の会話を遮り、自分と大川さんが如何に仲がいいのかを彼女に語った。
大川さんが如何に親身になって自分のことを心配してくれたのか。大袈裟に、だけど少しの真実も交えながら語るそれは、大川さんには全くの赤の他人の話を聞かされている様に思えた。
明らかに邪魔されている。彼女も困り果てた様子だったから、大川さんは後で連絡するからと彼女に言い、早々にカフェを出た。
駅までの道のりの間に、Mは昔の知り合いではあるけど、連絡先も知らない。Mが語っている内容は誇張されたものだから信じないでくれと伝えると、分かったと言って笑ってくれた。
それでもMはまだしつこく追いかけてくる。そしてあろうことか、「大川くんは私のことが大好きだったんだよね!」とのたまった。
だから大川さんは、「君のことを好きだったことは一度もない」と真実を述べた。もういい加減にしてほしかった。自分にまとわりついて何をしたいのか、何を得ようとしているのか、理解出来なかったから。
大川さんの言葉に、隣を歩いていた彼女がくすりと笑った。Mの虚偽を、彼女は見抜いていたんだろう。そしてそれを見たMは、いきなり道路に飛び出して車の前に立ちはだかり、叫んだ。
「私のことが好きだって言ったのは嘘だったの!?」
周りの非難する様な視線。明らかに戸惑っている彼女。そして迫る車。
こんな状態で怪我でもされたら、大川さんが悪者になってしまう。大川さんは咄嗟にMに駆け寄ると、腕を引っ張って歩道に引き寄せた。
その瞬間、Mは大川さんの首に抱きつくと、「嬉しい!」と言った。
◇
仲良くなりかけていた彼女との連絡は、その後途絶えた。最後のメッセージは、「Mが怖い」だった。
Mと同じ大学の彼女は、大川さんとの交流を深めることではなく、自分の身の安全を選んだのだ。だけどそれも仕方ないと思えた。だから、それでお終いにした。
大学に行けば、相変わらずMと定期的に会っているらしい幹事をした友人が、Mは奢らないと怒るんだけどそこも可愛いと惚気を聞かせる。
Mは可愛いから、明るくて人懐こいから、自分と一緒にいてくれる為には貢いでる形になっても仕方ない。そう言って惚気ける姿を見るのは、恐怖でしかなかった。
「携帯にロックを掛けると嫉妬して怒るんだよ。可愛くない?」
そう語る友人の目は、盲信者のそれに見えた。
まさか、さすがにそこまでしないだろう。まだその時点では、大川さんの中にも彼女に常識が多少は残っているだろうという希望が辛うじて残っていた。
またひと月が経ち、少しずつ怯えにも似た感情が収まってくる。試験勉強に没頭していたら、Mの存在を忘れることが出来た。
試験も終わり、ほっとひと息をついたある日。
見知らぬ番号から電話が掛かってきた。
大川さんの携帯番号は、前はどこかの社長が使っていたのか、しょっちゅうその社長宛の電話が掛かってくる。変更の連絡をもらっていないなら縁切りされたんだろうに、と思いながら電話を取ると。
Mだった。
ロックを掛けさせなかった携帯から、大川さんの番号を知ったに違いない。
あまりの衝撃に何も喋られないでいると、Mは泣きながら以前のことを謝ってきた。
整形は、このままだと玉の輿にも乗れないと母親に強制されて行なったこと。
大学への進学をきっかけに、親元を離れて奨学金で頑張っていること。
お金がなくて、大川さんの友人にいつも奢ってもらって悪いと思っていること。
大川さんに再会して、あの時のことを同じ大学の彼女に喋られるのが怖くて思わず嘘を吐いてしまったこと。
まくしたてられる内容は、どれもこれも本当の様に聞こえた。だけど、大川さんはスーツの男にしなだれかかっているMの姿を目撃している。あれがあったから、Mの訴えのどれくらいかは分からないけど、嘘が含まれていると知ることが出来た。
カフェでMが喋った内容は、少しの真実に嘘を大量に塗りたくったものだった。きっと、全てがそうなんじゃないか。
「……あいつには何も言わない。だからもう、僕に構わないでほしい」
大川さんは、決別の言葉をMに告げた。Mは、自分が整形したことを大川さんの友人にばらされたくないんだろう。大川さんと距離を縮めていた、Mと同じ大学の彼女を大川さんから遠ざけようとした理由。それが大学内での自分の噂を避ける為だと思えば、納得もいった。
許せるか許せないかはまた別の話だったけど。
Mの周りに、Mの秘密を知る大川さんと繋がっている人間を置きたくないが為にあんなことをした。そう考えれば、理屈は通る。
だとすると、塾で一緒だった子たち皆に同じことをしてるんだろうか。さすがにそれはないんじゃないか。だから大川さんは考えた。Mが大川さんにここまでするのには、まだ別の理由があるんじゃないかと。
「また……友達に戻れないかなあ?」
甘える様な泣き声で言われたけど、大川さんは拒絶した。あまりにもMに都合のいい話の内容に、反吐が出そうになる。
別の理由があったとしても、それはもう大川さんには関係のないことだと、それ以上尋ねるのは止めておいた。もう関わりたくない。忘れてしまいたかった。
「もうお互い何も知らない赤の他人で過ごそう。誰にも何も言わないから」
「……うん、ごめんね」
しおらしいMの言葉に、これでようやくMに煩わされない日常に戻るかと思うと、早くその電話を切りたくて堪らなくなった。
「連絡先、消してくれるかな」
こんなに冷たい台詞は、これまで他人に対し使ったことはない。大川さんの体中の神経が、そうしてでも全力で関係を断てと訴えてきたから。
「大川くん……」
「連絡先、消して。じゃあ」
「まっ」
通話を切ると、大川さんは暫しその場に佇み、やがて気を取り直すと履歴に残ったMの番号を着信拒否に設定したのだった。
衝撃の再会からひと月が経ち、段々と気持ちも落ち着いてくる。
あれから時折、あの時楽しく本の話を出来た彼女と連絡を取る様になっていたこともあった。
Mと同じ大学らしいので、交流を続けることに多少の抵抗はあった。だけど最後に見たMは別人の様に明るく、あまり女子と関わろうという感じも見受けられなかった。今のMと彼女とでは、まるで接点がなさそうだ。
だから油断したのだ。
彼女と会う約束をした。会ってお茶をしようという些細なものだ。
悪いとは思ったけど、大川さんは彼女の大学がある駅ではなく、互いの大学の中間地点にある比較的大きな駅を指定させてもらった。間違ってMに会いたくなかったからだ。
大川さんにとって、Mは最早友人と呼べる様な関係ではなく、最初から最後まで自分を欺いた、理解不能な存在に成り果てていた。
きっと、自分の母親と一緒で、大川さんとは見えている世界が違うんだろう。そう思うことで、辛うじて理解したふりをした。
待ち合わせた駅の改札外。そこにいたのは、困惑した表情の彼女と、一見清楚だけどよく見ると胸元は深く、スカートの横のスリットも大胆に入っている服を着て周囲の男性の目を奪いつつ艶やかに笑っているMだった。
「やっぱり大川くんだった! 私のこと、忘れたなんてないよね?」
そう言いながら、彼女の腕に腕を絡ませる。意図が分からず、大川さんは思わず尋ねた。「何しに来たの」と。大川さんの嫌そうな声色は分かっただろうに、Mは一切めげた様子を見せなかった。
彼女に行こうと声を掛け、Mにはっきりと「じゃあ」と別れを告げる。だけどMは気にせずに付いてきた。
無視しても、二人で会う約束だからと言っても、一切聞き入れなかった。相手にしないままカフェに入ったけど、そこでも椅子を持ってきて二人の会話を遮り、自分と大川さんが如何に仲がいいのかを彼女に語った。
大川さんが如何に親身になって自分のことを心配してくれたのか。大袈裟に、だけど少しの真実も交えながら語るそれは、大川さんには全くの赤の他人の話を聞かされている様に思えた。
明らかに邪魔されている。彼女も困り果てた様子だったから、大川さんは後で連絡するからと彼女に言い、早々にカフェを出た。
駅までの道のりの間に、Mは昔の知り合いではあるけど、連絡先も知らない。Mが語っている内容は誇張されたものだから信じないでくれと伝えると、分かったと言って笑ってくれた。
それでもMはまだしつこく追いかけてくる。そしてあろうことか、「大川くんは私のことが大好きだったんだよね!」とのたまった。
だから大川さんは、「君のことを好きだったことは一度もない」と真実を述べた。もういい加減にしてほしかった。自分にまとわりついて何をしたいのか、何を得ようとしているのか、理解出来なかったから。
大川さんの言葉に、隣を歩いていた彼女がくすりと笑った。Mの虚偽を、彼女は見抜いていたんだろう。そしてそれを見たMは、いきなり道路に飛び出して車の前に立ちはだかり、叫んだ。
「私のことが好きだって言ったのは嘘だったの!?」
周りの非難する様な視線。明らかに戸惑っている彼女。そして迫る車。
こんな状態で怪我でもされたら、大川さんが悪者になってしまう。大川さんは咄嗟にMに駆け寄ると、腕を引っ張って歩道に引き寄せた。
その瞬間、Mは大川さんの首に抱きつくと、「嬉しい!」と言った。
◇
仲良くなりかけていた彼女との連絡は、その後途絶えた。最後のメッセージは、「Mが怖い」だった。
Mと同じ大学の彼女は、大川さんとの交流を深めることではなく、自分の身の安全を選んだのだ。だけどそれも仕方ないと思えた。だから、それでお終いにした。
大学に行けば、相変わらずMと定期的に会っているらしい幹事をした友人が、Mは奢らないと怒るんだけどそこも可愛いと惚気を聞かせる。
Mは可愛いから、明るくて人懐こいから、自分と一緒にいてくれる為には貢いでる形になっても仕方ない。そう言って惚気ける姿を見るのは、恐怖でしかなかった。
「携帯にロックを掛けると嫉妬して怒るんだよ。可愛くない?」
そう語る友人の目は、盲信者のそれに見えた。
まさか、さすがにそこまでしないだろう。まだその時点では、大川さんの中にも彼女に常識が多少は残っているだろうという希望が辛うじて残っていた。
またひと月が経ち、少しずつ怯えにも似た感情が収まってくる。試験勉強に没頭していたら、Mの存在を忘れることが出来た。
試験も終わり、ほっとひと息をついたある日。
見知らぬ番号から電話が掛かってきた。
大川さんの携帯番号は、前はどこかの社長が使っていたのか、しょっちゅうその社長宛の電話が掛かってくる。変更の連絡をもらっていないなら縁切りされたんだろうに、と思いながら電話を取ると。
Mだった。
ロックを掛けさせなかった携帯から、大川さんの番号を知ったに違いない。
あまりの衝撃に何も喋られないでいると、Mは泣きながら以前のことを謝ってきた。
整形は、このままだと玉の輿にも乗れないと母親に強制されて行なったこと。
大学への進学をきっかけに、親元を離れて奨学金で頑張っていること。
お金がなくて、大川さんの友人にいつも奢ってもらって悪いと思っていること。
大川さんに再会して、あの時のことを同じ大学の彼女に喋られるのが怖くて思わず嘘を吐いてしまったこと。
まくしたてられる内容は、どれもこれも本当の様に聞こえた。だけど、大川さんはスーツの男にしなだれかかっているMの姿を目撃している。あれがあったから、Mの訴えのどれくらいかは分からないけど、嘘が含まれていると知ることが出来た。
カフェでMが喋った内容は、少しの真実に嘘を大量に塗りたくったものだった。きっと、全てがそうなんじゃないか。
「……あいつには何も言わない。だからもう、僕に構わないでほしい」
大川さんは、決別の言葉をMに告げた。Mは、自分が整形したことを大川さんの友人にばらされたくないんだろう。大川さんと距離を縮めていた、Mと同じ大学の彼女を大川さんから遠ざけようとした理由。それが大学内での自分の噂を避ける為だと思えば、納得もいった。
許せるか許せないかはまた別の話だったけど。
Mの周りに、Mの秘密を知る大川さんと繋がっている人間を置きたくないが為にあんなことをした。そう考えれば、理屈は通る。
だとすると、塾で一緒だった子たち皆に同じことをしてるんだろうか。さすがにそれはないんじゃないか。だから大川さんは考えた。Mが大川さんにここまでするのには、まだ別の理由があるんじゃないかと。
「また……友達に戻れないかなあ?」
甘える様な泣き声で言われたけど、大川さんは拒絶した。あまりにもMに都合のいい話の内容に、反吐が出そうになる。
別の理由があったとしても、それはもう大川さんには関係のないことだと、それ以上尋ねるのは止めておいた。もう関わりたくない。忘れてしまいたかった。
「もうお互い何も知らない赤の他人で過ごそう。誰にも何も言わないから」
「……うん、ごめんね」
しおらしいMの言葉に、これでようやくMに煩わされない日常に戻るかと思うと、早くその電話を切りたくて堪らなくなった。
「連絡先、消してくれるかな」
こんなに冷たい台詞は、これまで他人に対し使ったことはない。大川さんの体中の神経が、そうしてでも全力で関係を断てと訴えてきたから。
「大川くん……」
「連絡先、消して。じゃあ」
「まっ」
通話を切ると、大川さんは暫しその場に佇み、やがて気を取り直すと履歴に残ったMの番号を着信拒否に設定したのだった。
0
お気に入りに追加
127
あなたにおすすめの小説
【完結】婚約破棄されたので、引き継ぎをいたしましょうか?
碧桜 汐香
恋愛
第一王子に婚約破棄された公爵令嬢は、事前に引き継ぎの準備を進めていた。
まっすぐ領地に帰るために、その場で引き継ぎを始めることに。
様々な調査結果を暴露され、婚約破棄に関わった人たちは阿鼻叫喚へ。
第二王子?いりませんわ。
第一王子?もっといりませんわ。
第一王子を慕っていたのに婚約破棄された少女を演じる、彼女の本音は?
彼女の存在意義とは?
別サイト様にも掲載しております
幼なじみとセックスごっこを始めて、10年がたった。
スタジオ.T
青春
幼なじみの鞠川春姫(まりかわはるひめ)は、学校内でも屈指の美少女だ。
そんな春姫と俺は、毎週水曜日にセックスごっこをする約束をしている。
ゆるいイチャラブ、そしてエッチなラブストーリー。
【完結】亡き冷遇妃がのこしたもの〜王の後悔〜
なか
恋愛
「セレリナ妃が、自死されました」
静寂をかき消す、衛兵の報告。
瞬間、周囲の視線がたった一人に注がれる。
コリウス王国の国王––レオン・コリウス。
彼は正妃セレリナの死を告げる報告に、ただ一言呟く。
「構わん」……と。
周囲から突き刺さるような睨みを受けても、彼は気にしない。
これは……彼が望んだ結末であるからだ。
しかし彼は知らない。
この日を境にセレリナが残したものを知り、後悔に苛まれていくことを。
王妃セレリナ。
彼女に消えて欲しかったのは……
いったい誰か?
◇◇◇
序盤はシリアスです。
楽しんでいただけるとうれしいです。
千夏の髪
マーヤ
現代文学
断髪フェチのための小説です。
断髪の間の女の子の気持ち、 羞恥心や屈辱感、その中の快感、ドキドキ感を味わいたい方はぜひ!
過激な表現はほぼありません。
読者の皆様にちょっとでもフェチ心をくすぐれるような楽しめる小説を書こうと心がけています。
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
婚約者に消えろと言われたので湖に飛び込んだら、気づけば三年が経っていました。
束原ミヤコ
恋愛
公爵令嬢シャロンは、王太子オリバーの婚約者に選ばれてから、厳しい王妃教育に耐えていた。
だが、十六歳になり貴族学園に入学すると、オリバーはすでに子爵令嬢エミリアと浮気をしていた。
そしてある冬のこと。オリバーに「私の為に消えろ」というような意味のことを告げられる。
全てを諦めたシャロンは、精霊の湖と呼ばれている学園の裏庭にある湖に飛び込んだ。
気づくと、見知らぬ場所に寝かされていた。
そこにはかつて、病弱で体の小さかった辺境伯家の息子アダムがいた。
すっかり立派になったアダムは「あれから三年、君は目覚めなかった」と言った――。
【完結】やり直しの人形姫、二度目は自由に生きていいですか?
綾雅(りょうが)祝!コミカライズ
ファンタジー
「俺の愛する女性を虐げたお前に、生きる道などない! 死んで贖え」
これが婚約者にもらった最後の言葉でした。
ジュベール国王太子アンドリューの婚約者、フォンテーヌ公爵令嬢コンスタンティナは冤罪で首を刎ねられた。
国王夫妻が知らぬ場で行われた断罪、王太子の浮気、公爵令嬢にかけられた冤罪。すべてが白日の元に晒されたとき、人々の祈りは女神に届いた。
やり直し――与えられた機会を最大限に活かすため、それぞれが独自に動き出す。
この場にいた王侯貴族すべてが記憶を持ったまま、時間を逆行した。人々はどんな未来を望むのか。互いの思惑と利害が入り混じる混沌の中、人形姫は幸せを掴む。
※ハッピーエンド確定
※多少、残酷なシーンがあります
2022/10/01 FUNGUILD、Webtoon原作シナリオ大賞、二次選考通過
2022/07/29 FUNGUILD、Webtoon原作シナリオ大賞、一次選考通過
2021/07/07 アルファポリス、HOT3位
2021/10/11 エブリスタ、ファンタジートレンド1位
2021/10/11 小説家になろう、ハイファンタジー日間28位
【表紙イラスト】伊藤知実さま(coconala.com/users/2630676)
【完結】2021/10/10
【同時掲載】小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる