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52 術者の存在
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扉の外から聞こえてくる切羽詰まった男の声に、寝台でマーリカを押し倒していたキラが顔を上げた。
「キーラム様! いらっしゃいますか!」
眉間に皺を寄せていたキラが、あ、という表情に変わる。
「……ザッカか! 今開ける、待っていてくれ!」
キラは身体を起こすと、サッとマーリカの口に小さなキスを落とし、扉に駆け寄った。
「――ッ!」
怒りからか照れからかほんのり目元を赤らめていたキラが、一瞬振り返るとマーリカに釘を刺す。
「お嬢、逃げないで下さいね」
何が何やら状態のマーリカは、固まったまま目を白黒させることしか出来なかった。それでも、このまま寝転がっていてはよくないことは即座に理解した。
魔物と戦闘中の城に来て、いきなり寝台に寝転がっているところなど見られたら、どれだけぐうたらな令嬢かと誤解されかねない。
マーリカは勢いをつけてパッと立ち上がると、サッと手で服を伸ばす。再び魔魚の核入りの瓶を胸に抱くと、寝台から少し離れた。
万が一キラがすぐに戻ってきた時にまた押し倒されたら、今度こそ心臓が破裂する。自分の命を守る行動は大切である。
キラが勢いよく扉を開いた。扉の外に険しい表情をして待ち受けていた男が、キラの顔を見て顔を今にも泣き出しそうに歪ませる。
「おお……! キーラム様、本当にキーラム様が……!」
「……ザッカ」
大柄な、如何にも武人といった茶色い髭面の中年男性を呼ぶキラの声には、懐かしさが込められていた。どうやらここにいた時は親しい間柄だったようだ、とマーリカは推測する。
「キーラム様……! お懐かしゅうございます……!」
ザッカはぐし、と拳で目元を拭い取ると、赤い目をしてキラに告げた。
「オージン様より、本日からキーラム様が魔物討伐隊の司令官となられると伺っております」
「ああ、そうだ」
キラが頷くと、突然ザッカが悔しそうに唇を噛み締める。
「私が軽率だったのです……!」
「? どういうことだ」
キラが、ザッカの逞しい二の腕を掴んだ。
「連日の魔物との戦いで、兵たちの士気が落ちていました。今日も士気は上がらず、このままでは魔物との対峙中にまた命を落とす者もいるかと、思わずまだ極秘とされていたキーラム様のご帰還を伝えてしまったのです……!」
うおお、と男泣きに泣くザッカの話をまとめると、こういうことだった。
キラの帰還を聞いた兵の士気は、ザッカの期待通り、一瞬で恐ろしいほどに上がった。だが、中型の魔物を次々に仕留めた彼らは一見元気だが、実際にはもう手も足も動かないほどに疲弊している。
近くに残っていた敵を倒し終えた為、一旦戻れ、と深入りするのを止めた。だが、前の方にいた兵たちにその声は届かなかった。
「その後、捜索隊を組んで探したのですが見つからず……!」
そうこうしている内に、森の奥から恐ろしい雄叫びが響いてきたのだという。その後に聞こえてきた、胸を掻きむしりたくなる様な男たちの悲痛な悲鳴に、ザッカは兵たちに最悪の出来事が襲ったのだと知った。
報告をするザッカの顔は、青褪めていた。
「その魔物ですが、城上部から見張りが確認したところ、青竜ではないかと」
「青竜!? そんな化け物までが……!」
キラが目を瞠った。
青竜は、通常は深海に住まい、人の前には滅多に姿を現すことなどない。希少性の高い魔物で、地域によっては神獣の如く崇められることもあるくらいだ。
そんな伝説級の魔物が、海も川もない深い森の中に突然現れた。間違いなく、魔泉から通ってきたのだろう。だが、そこに水がないことを知れば、青竜は再び魔泉を通って戻る筈。そのことから、明らかに異常なことが起きていると分かった。
「やっぱり……『枷』を付けられている?」
マーリカがポツリと思いつきを口にすると、キラとザッカがマーリカを振り返った。キラは何かに気付いた様な表情だが、当然ながらザッカは訳が分からない様子である。
もし自分の推測が正しければ、そこに解決の糸口がある筈だ。マーリカは、何とかキラにだけでも伝えようと必死になった。
キラの領の民をこれ以上傷付けられたくない気持ちは、勿論ある。だがそれ以上に、マーリカはキラに危険に飛び込んで欲しくなかった。もしものことがあったらと考えたら――気が狂いそうだったから。
「サイファは確か、枷がつけられた魔物同士を戦わせたって言ってたわよね?」
「そう言ってましたね」
キラは小さく頷く。
「枷を付けられた魔物は、術者の言うことを聞くってことなのかしら?」
「あ……っ!」
マーリカの問いに、キラが目を見開いた。マーリカの質問の意図を理解してくれたらしい。マーリカの方に戻ってくると、興奮気味に早口で喋り始めた。
普通、魔物を人間の望む通り使役することなど出来ないのだ。なのに、サイファは双子皇子が魔物を操っていた様な言い方をしていた。それはつまり、人間が使役していたということなのではないか。
キラが、目を輝かせる。
「枷付きの魔物だから、水のない森に残らされて暴れている! 魔物は森の中に突然現れるから、魔泉の場所は森の中に絞られる!」
「それよ! そして枷はどこで付けてるのかを考えると……!」
「そうか! 枷は魔泉から出てきてすぐに付けないと、青竜は水のある魔泉の中に戻ろうとするから!」
キラは、マーリカではうまく理論的に説明できなかったことを、一瞬で整理してくれた。さすがキラ! とマーリカはいつだってマーリカの推しであるキラを心の中で褒め称える。本当に優秀な人なのだ。公爵令息という害悪に邪魔されてしまっただけで、本来はもっと明るい場所にいる筈の人だったのだから。
キラの顔に、先程までは見られなかった希望が見られ始めた。
「そうなると、青竜と戦わなくても追い返せる方法がひとつあるわ!」
「魔泉の近くに潜伏しているだろう術者を倒せばいい、だ!」
「それよ!」
キラとマーリカは興奮気味に互いに指差し合うと、大きく頷き合う。
命令する者がいなくなれば、枷は付いたままだとしても、青竜が自分の住処へと帰る可能性は高い。大物がいなくなった後はぶっつけ本番になるが、魔泉を小さくするか、出来ることなら閉じるのだ。中型の魔物はこちらに残ったままにはなるだろうが、そいつらは討伐隊の力だけでも倒せる。
そうなると、今必要なものは自ずと知れる。
「お嬢、急いで聖属性の【マグナム】を用意しましょ!」
「ええ!」
よかった、これで自分も少しは役に立てる、とマーリカは嬉しくなった。
キラはキョトンとしているザッカを振り向くと、指示する。
「ザッカ、急ぎ兵たちに指示を出せ!」
その言葉を聞いた瞬間、ザッカの背筋がピンと伸ばされた。
「魔物が現れる方向に、大きな魔泉が存在している。その近くに、魔導士がいる筈だ! そいつを拘束し、術を解かせろ!」
「は!」
キラが厳しい表情で続ける。
「出来るだけ生け捕りしたい。だが、こちらに害が及ぶ様なら――その限りではない」
「承知致しました!」
「俺は魔具の準備が出来次第、すぐに現地に向かう」
細かい説明は後だ、とキラが告げると、ザッカは一礼して急ぎ部屋を出て行った。ザッカの後ろ姿を見送ったキラは、くるりとマーリカを振り返る。
しっかりとマーリカの手を取ると、真剣な眼差しで言った。
「お嬢。俺にお嬢の魔力を分けてほしい」
「え、ええ、勿論!」
マーリカがひとりで作るという当初の計画からは早くも変わってしまったが、今は急を要する。キラが魔具制作を担当した方が、早くて正確だろう。
マーリカが頷くと、キラがほっとした表情に変わった。
「完成したら、俺が魔具を持って魔泉の元に向かいます。必ず無事に戻りますから、先程の話の続きはその時に」
キラは端正な顔で優しく微笑んだが、その言葉を聞いたマーリカの表情が、一瞬で凍りついた。
「キーラム様! いらっしゃいますか!」
眉間に皺を寄せていたキラが、あ、という表情に変わる。
「……ザッカか! 今開ける、待っていてくれ!」
キラは身体を起こすと、サッとマーリカの口に小さなキスを落とし、扉に駆け寄った。
「――ッ!」
怒りからか照れからかほんのり目元を赤らめていたキラが、一瞬振り返るとマーリカに釘を刺す。
「お嬢、逃げないで下さいね」
何が何やら状態のマーリカは、固まったまま目を白黒させることしか出来なかった。それでも、このまま寝転がっていてはよくないことは即座に理解した。
魔物と戦闘中の城に来て、いきなり寝台に寝転がっているところなど見られたら、どれだけぐうたらな令嬢かと誤解されかねない。
マーリカは勢いをつけてパッと立ち上がると、サッと手で服を伸ばす。再び魔魚の核入りの瓶を胸に抱くと、寝台から少し離れた。
万が一キラがすぐに戻ってきた時にまた押し倒されたら、今度こそ心臓が破裂する。自分の命を守る行動は大切である。
キラが勢いよく扉を開いた。扉の外に険しい表情をして待ち受けていた男が、キラの顔を見て顔を今にも泣き出しそうに歪ませる。
「おお……! キーラム様、本当にキーラム様が……!」
「……ザッカ」
大柄な、如何にも武人といった茶色い髭面の中年男性を呼ぶキラの声には、懐かしさが込められていた。どうやらここにいた時は親しい間柄だったようだ、とマーリカは推測する。
「キーラム様……! お懐かしゅうございます……!」
ザッカはぐし、と拳で目元を拭い取ると、赤い目をしてキラに告げた。
「オージン様より、本日からキーラム様が魔物討伐隊の司令官となられると伺っております」
「ああ、そうだ」
キラが頷くと、突然ザッカが悔しそうに唇を噛み締める。
「私が軽率だったのです……!」
「? どういうことだ」
キラが、ザッカの逞しい二の腕を掴んだ。
「連日の魔物との戦いで、兵たちの士気が落ちていました。今日も士気は上がらず、このままでは魔物との対峙中にまた命を落とす者もいるかと、思わずまだ極秘とされていたキーラム様のご帰還を伝えてしまったのです……!」
うおお、と男泣きに泣くザッカの話をまとめると、こういうことだった。
キラの帰還を聞いた兵の士気は、ザッカの期待通り、一瞬で恐ろしいほどに上がった。だが、中型の魔物を次々に仕留めた彼らは一見元気だが、実際にはもう手も足も動かないほどに疲弊している。
近くに残っていた敵を倒し終えた為、一旦戻れ、と深入りするのを止めた。だが、前の方にいた兵たちにその声は届かなかった。
「その後、捜索隊を組んで探したのですが見つからず……!」
そうこうしている内に、森の奥から恐ろしい雄叫びが響いてきたのだという。その後に聞こえてきた、胸を掻きむしりたくなる様な男たちの悲痛な悲鳴に、ザッカは兵たちに最悪の出来事が襲ったのだと知った。
報告をするザッカの顔は、青褪めていた。
「その魔物ですが、城上部から見張りが確認したところ、青竜ではないかと」
「青竜!? そんな化け物までが……!」
キラが目を瞠った。
青竜は、通常は深海に住まい、人の前には滅多に姿を現すことなどない。希少性の高い魔物で、地域によっては神獣の如く崇められることもあるくらいだ。
そんな伝説級の魔物が、海も川もない深い森の中に突然現れた。間違いなく、魔泉から通ってきたのだろう。だが、そこに水がないことを知れば、青竜は再び魔泉を通って戻る筈。そのことから、明らかに異常なことが起きていると分かった。
「やっぱり……『枷』を付けられている?」
マーリカがポツリと思いつきを口にすると、キラとザッカがマーリカを振り返った。キラは何かに気付いた様な表情だが、当然ながらザッカは訳が分からない様子である。
もし自分の推測が正しければ、そこに解決の糸口がある筈だ。マーリカは、何とかキラにだけでも伝えようと必死になった。
キラの領の民をこれ以上傷付けられたくない気持ちは、勿論ある。だがそれ以上に、マーリカはキラに危険に飛び込んで欲しくなかった。もしものことがあったらと考えたら――気が狂いそうだったから。
「サイファは確か、枷がつけられた魔物同士を戦わせたって言ってたわよね?」
「そう言ってましたね」
キラは小さく頷く。
「枷を付けられた魔物は、術者の言うことを聞くってことなのかしら?」
「あ……っ!」
マーリカの問いに、キラが目を見開いた。マーリカの質問の意図を理解してくれたらしい。マーリカの方に戻ってくると、興奮気味に早口で喋り始めた。
普通、魔物を人間の望む通り使役することなど出来ないのだ。なのに、サイファは双子皇子が魔物を操っていた様な言い方をしていた。それはつまり、人間が使役していたということなのではないか。
キラが、目を輝かせる。
「枷付きの魔物だから、水のない森に残らされて暴れている! 魔物は森の中に突然現れるから、魔泉の場所は森の中に絞られる!」
「それよ! そして枷はどこで付けてるのかを考えると……!」
「そうか! 枷は魔泉から出てきてすぐに付けないと、青竜は水のある魔泉の中に戻ろうとするから!」
キラは、マーリカではうまく理論的に説明できなかったことを、一瞬で整理してくれた。さすがキラ! とマーリカはいつだってマーリカの推しであるキラを心の中で褒め称える。本当に優秀な人なのだ。公爵令息という害悪に邪魔されてしまっただけで、本来はもっと明るい場所にいる筈の人だったのだから。
キラの顔に、先程までは見られなかった希望が見られ始めた。
「そうなると、青竜と戦わなくても追い返せる方法がひとつあるわ!」
「魔泉の近くに潜伏しているだろう術者を倒せばいい、だ!」
「それよ!」
キラとマーリカは興奮気味に互いに指差し合うと、大きく頷き合う。
命令する者がいなくなれば、枷は付いたままだとしても、青竜が自分の住処へと帰る可能性は高い。大物がいなくなった後はぶっつけ本番になるが、魔泉を小さくするか、出来ることなら閉じるのだ。中型の魔物はこちらに残ったままにはなるだろうが、そいつらは討伐隊の力だけでも倒せる。
そうなると、今必要なものは自ずと知れる。
「お嬢、急いで聖属性の【マグナム】を用意しましょ!」
「ええ!」
よかった、これで自分も少しは役に立てる、とマーリカは嬉しくなった。
キラはキョトンとしているザッカを振り向くと、指示する。
「ザッカ、急ぎ兵たちに指示を出せ!」
その言葉を聞いた瞬間、ザッカの背筋がピンと伸ばされた。
「魔物が現れる方向に、大きな魔泉が存在している。その近くに、魔導士がいる筈だ! そいつを拘束し、術を解かせろ!」
「は!」
キラが厳しい表情で続ける。
「出来るだけ生け捕りしたい。だが、こちらに害が及ぶ様なら――その限りではない」
「承知致しました!」
「俺は魔具の準備が出来次第、すぐに現地に向かう」
細かい説明は後だ、とキラが告げると、ザッカは一礼して急ぎ部屋を出て行った。ザッカの後ろ姿を見送ったキラは、くるりとマーリカを振り返る。
しっかりとマーリカの手を取ると、真剣な眼差しで言った。
「お嬢。俺にお嬢の魔力を分けてほしい」
「え、ええ、勿論!」
マーリカがひとりで作るという当初の計画からは早くも変わってしまったが、今は急を要する。キラが魔具制作を担当した方が、早くて正確だろう。
マーリカが頷くと、キラがほっとした表情に変わった。
「完成したら、俺が魔具を持って魔泉の元に向かいます。必ず無事に戻りますから、先程の話の続きはその時に」
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