34 / 100
第五章 またもや事件発生の予感
34.持つべきものは遠くの親戚よりも近くの他人
しおりを挟む
無音が支配するその場に、アキラの呑気な寝息が微かに聞こえる。
亮太の口がワナワナと震えた。
「刺身はまだ分かる、分かるが……。米! 全部食う奴があるかよ……!」
狗神・蓮が目を伏せながらポツリと呟いた。
「アキラ様を一人残した私達の失態ですね」
「僕のご飯ないのー?」
蛟の切ない声。とりあえずこのまま突っ立っている訳にもいかない。
亮太の背中にはタケルが乗っかっている。亮太は蓮に言った。
「レン、米を炊こう」
ここのところ、炊飯は蓮の仕事になっていた。
「それが、亮太」
蓮が悲しそうに首を横に振った。
「申し訳ありません。今日買うべきでしたがすっかり失念しておりまして、もう米びつはほぼ空に」
シンク下に設置された5キロ入る米びつのメモリ表示があるプラスチックの窓には、米の陰影は確認できなかった。
「米もない、刺身も食われた……餃子と青椒肉絲があるけどな、そうじゃないだろ?」
「そのメニューに白米は必須ですからね」
蓮が悔しげに肯定した。仕方がない、今からでも買いに行くしかないだろう。亮太が諦めてそう言おうとした時。
亮太の背中から、タケルの声がした。
「米ならうちにありますよ」
「本当か!?」
どうやら目が覚めたらしい。亮太はタケルが落ちない様そっと降ろし、タケルを振り返った。目はまだ少しぼんやりとして見えるが、もう涙は流していない。鼻水の白い跡が若干頬に付いていたが、恐らく大半は亮太の服に付いている筈だった。
「それと、蟹でよければ冷凍の物が」
「蟹! 何でそんな物があるんだ!」
するとタケルは照れた様に頭を掻いて少し笑った。
「実家が北海道なんで、北海道の米とか蟹とかの海産物がよく送られてくるんです」
「でかしたタケル!」
「じゃあ僕取ってきます。そうしたら、あの……」
「ん?」
もじもじ言いにくそうにチラチラと亮太を見るタケル。何だろう。
「ぼ、僕も一緒に食べていってもいいですか?」
そうか、モヤの所為かどうかは分からないが、亮太が言ったことをあまり覚えていないみたいだ。亮太ははっきりと頷いてみせた。
「勿論だ。さっきそう言ったのは覚えてないか?」
「あ、薄らぼんやりとは。でも、夢だったかなって」
どれだけささやかな夢だ。
「夢じゃない。お前に明日から俺の店でバイトしろって言ったのも夢じゃねえよ。まあ未成年だから十時までだけどな」
「あ、それもですか」
「どうせ最近は漫喫のバイトも行ってないんだろ」
「よくご存知で」
「じゃあ問題ないな」
「でも、僕に上手く出来るんですかね」
タケルの表情は不安げだったが、亮太はだからといって勘弁するつもりはなかった。
「やる前から失敗することを心配してどうすんだよ。それに上手くなんか出来やしねえよ」
「断言しましたね」
タケルは若干ムッとした様だ。こういうプライドの高いところが、こいつの交友関係を狭めている原因の一つだろう。
「俺だって完璧に接客なんて出来てねえよ。失敗だって未だにある。でも俺はこの仕事が性に合ってる、だから続けてる」
「亮太さんにも、ですか」
「そうだよ、悪かったな」
大人が失敗しないとでも思っていたのだろうか。そういうところがまだまだ幼い。
「……分かりました、明日からですね」
「嫌でも引きずっていくからな」
「ちゃんと行きますよ」
やれやれ、という顔をしてタケルが言った。こいつも相当偉そうだが、これはもう性格なのかもしれない。すると、タケルは部屋の奥に転がっているアキラに気付いた様だった。
「アキラちゃん寝ちゃってるじゃないですか。じゃあうちに来ます?」
「そうですね、万が一起きてしまって他のおかずも食べられてしまったら大変ですから」
蓮が相槌を打つと、タケルがぽけっとした顔をして蓮を見上げ、次いで亮太を振り返った。
「あの……こちらの方はどなたでしょう?」
しまった。亮太は内心舌打ちをしたのだった。
◇
タケルの家に移動し、炊飯の合間に茹でた蟹を蛟に与えると、タケルの頬が引き攣った。
「亮太さん、いつの間に蛇なんて」
「今日からだ。そうビビるな、可愛いもんだぞ」
蛟は亮太が言っていた夢オチを守るべく、無言でいてくれている。実に素直ないい子だ。
タケルの家は備え付けのコンロだった。トイレも何気にウォシュレットになっている。まさかと思いこっそり覗いた風呂は、そのまさかの追い焚き機能付きだった。大家よ、対応が大分違いやしないか。それ故の格安家賃なのかもしれないが、にしても色々と設備に差があり過ぎる。
「にしても、アキラちゃんが心配で時折見に来られるなんていいお兄さんですね」
「いえいえ、それ程では」
蓮の姿を見られてしまった亮太は、咄嗟に『蓮は都内に住んでいるアキラの兄でアキラが心配で時折会いに来ている』という嘘をついた。蓮は何か言いたそうにしていたが、さすがに口は挟んでこなかった。
タケルの部屋はシンプルだった。机の上には大きなモニターとPC。シングルサイズの収納付きベッドに、低いテーブルが一脚、それだけだ。
そして亮太の目にはモニター周辺に黒いモヤが映って見えた。残滓の様なものだろうが、これがあの黒いモヤを大量発生させた原因の一つであろう。放っておけばまた繰り返す可能性もある。亮太は机に向かって座り心地のいいキャスター付きの椅子に腰掛けると、口の中で小さく祓詞を唱えてみた。すると、暫くモニターの周りをたゆたっていたモヤが次第に薄れ、やがて消え去った。おお、祓えた。
亮太のそんな様子をちらりと確認した狗神が、亮太に声をかけた。
「亮太、餃子を焼き始めて宜しいですか」
「お、頼む。――タケル、ちょっとこっち来い」
「何ですか?」
亮太に呼ばれるとタケルは素直に亮太の横に立った。
「お前がやってるそのネットのなんちゃらのアカウントを今この場で消せ」
「え、け、消すんですか?」
「そうだよ」
嫌がるだろうとは思ったが、あれだけ周りに迷惑をかけておいても捨てたくない程のものなのだろうか。
「暫く閲覧も禁止な。あ、そうだ、PCのログインパスワードは俺が設定しよう」
「えっそれは困りますよ! 学校のレポートとかもあるし」
「だからその時は言えばいいだろ」
かなり強引なやり方だとは思ったが、こうでもしないときっとすぐにあの闇の世界に戻っていってしまうだろう。モヤは祓っただけで根本的な解決には至っていないのだから。
「いいからやれ」
亮太が出来るだけ人相悪くいい放って席を代わると、タケルは半泣きの表情で渋々PCを立ち上げ始めた。独り暮らしで友人もいないからだろう、なんとパスワード入力もなくデスクトップが表示された。セキュリティも何もあったもんじゃない。
亮太は職を転々としている中の一つに事務職もあり、付き合った女性の家にPCがあったりと、実はPCに深くはないが馴染みはある。だから動作の基礎知識は一通り知っていた。
タケルがブラウザを立ち上げ、お気に入りから一つのサイトを選んだ。亮太も知っているSNSの一つだった。どうやらタケルが騒いでいたのは掲示板でのことではなかったらしい。このSNSについては客から話は色々聞くが、ただでさえ普段人と接している亮太はあえて休みの日まで見ず知らずの人とやり取りをする気にはならず、今に至っている。
アカウント情報の欄をクリックする。アカウント消去の項目があった。マウスのポイントがそこの上まで来て止まる。
亮太はタケルの耳元で、出来る限り低い声で言った。
「やれ」
「ひいっっや、やりますよ!」
カチ、とマウスをクリックする音が聞こえ、本当に消去していいか最後の確認のポップアップ画面が出てきた。また迷っている。亮太は小さく溜息をつくと、キーボードのEnterキーを背後からポンと押した。アカウント削除完了。
「ああっ」
「ああ、じゃねえよ。ほら、席代われ」
半ば呆然としているタケルをどかすと、亮太はPCの設定画面に入り勝手にパスワードを設定した。
「りょ、亮太さんブラインドタッチ出来るんですね、意外……」
「昔取った杵柄だ」
「杵柄? 何ですかそれ」
「もういい」
ブラウザのお気に入りの後の項目はほぼエロサイトへのリンクだったのでそこは残しておいてやることにし、亮太はさっさとPCを落とした。待てよ、タケルがエロサイトを閲覧したい時も亮太は呼ばれるのか? その可能性に思い当たり少し自分の下した選択を後悔したが、まあ、それはそれだ。
「亮太、もうすぐ出来ますよ」
「へいへい。ほら、タケル支度するぞ」
「はいぃぃぃ」
情けない声を出しながらも、タケルは亮太の指示に従うことにした様だった。
亮太の口がワナワナと震えた。
「刺身はまだ分かる、分かるが……。米! 全部食う奴があるかよ……!」
狗神・蓮が目を伏せながらポツリと呟いた。
「アキラ様を一人残した私達の失態ですね」
「僕のご飯ないのー?」
蛟の切ない声。とりあえずこのまま突っ立っている訳にもいかない。
亮太の背中にはタケルが乗っかっている。亮太は蓮に言った。
「レン、米を炊こう」
ここのところ、炊飯は蓮の仕事になっていた。
「それが、亮太」
蓮が悲しそうに首を横に振った。
「申し訳ありません。今日買うべきでしたがすっかり失念しておりまして、もう米びつはほぼ空に」
シンク下に設置された5キロ入る米びつのメモリ表示があるプラスチックの窓には、米の陰影は確認できなかった。
「米もない、刺身も食われた……餃子と青椒肉絲があるけどな、そうじゃないだろ?」
「そのメニューに白米は必須ですからね」
蓮が悔しげに肯定した。仕方がない、今からでも買いに行くしかないだろう。亮太が諦めてそう言おうとした時。
亮太の背中から、タケルの声がした。
「米ならうちにありますよ」
「本当か!?」
どうやら目が覚めたらしい。亮太はタケルが落ちない様そっと降ろし、タケルを振り返った。目はまだ少しぼんやりとして見えるが、もう涙は流していない。鼻水の白い跡が若干頬に付いていたが、恐らく大半は亮太の服に付いている筈だった。
「それと、蟹でよければ冷凍の物が」
「蟹! 何でそんな物があるんだ!」
するとタケルは照れた様に頭を掻いて少し笑った。
「実家が北海道なんで、北海道の米とか蟹とかの海産物がよく送られてくるんです」
「でかしたタケル!」
「じゃあ僕取ってきます。そうしたら、あの……」
「ん?」
もじもじ言いにくそうにチラチラと亮太を見るタケル。何だろう。
「ぼ、僕も一緒に食べていってもいいですか?」
そうか、モヤの所為かどうかは分からないが、亮太が言ったことをあまり覚えていないみたいだ。亮太ははっきりと頷いてみせた。
「勿論だ。さっきそう言ったのは覚えてないか?」
「あ、薄らぼんやりとは。でも、夢だったかなって」
どれだけささやかな夢だ。
「夢じゃない。お前に明日から俺の店でバイトしろって言ったのも夢じゃねえよ。まあ未成年だから十時までだけどな」
「あ、それもですか」
「どうせ最近は漫喫のバイトも行ってないんだろ」
「よくご存知で」
「じゃあ問題ないな」
「でも、僕に上手く出来るんですかね」
タケルの表情は不安げだったが、亮太はだからといって勘弁するつもりはなかった。
「やる前から失敗することを心配してどうすんだよ。それに上手くなんか出来やしねえよ」
「断言しましたね」
タケルは若干ムッとした様だ。こういうプライドの高いところが、こいつの交友関係を狭めている原因の一つだろう。
「俺だって完璧に接客なんて出来てねえよ。失敗だって未だにある。でも俺はこの仕事が性に合ってる、だから続けてる」
「亮太さんにも、ですか」
「そうだよ、悪かったな」
大人が失敗しないとでも思っていたのだろうか。そういうところがまだまだ幼い。
「……分かりました、明日からですね」
「嫌でも引きずっていくからな」
「ちゃんと行きますよ」
やれやれ、という顔をしてタケルが言った。こいつも相当偉そうだが、これはもう性格なのかもしれない。すると、タケルは部屋の奥に転がっているアキラに気付いた様だった。
「アキラちゃん寝ちゃってるじゃないですか。じゃあうちに来ます?」
「そうですね、万が一起きてしまって他のおかずも食べられてしまったら大変ですから」
蓮が相槌を打つと、タケルがぽけっとした顔をして蓮を見上げ、次いで亮太を振り返った。
「あの……こちらの方はどなたでしょう?」
しまった。亮太は内心舌打ちをしたのだった。
◇
タケルの家に移動し、炊飯の合間に茹でた蟹を蛟に与えると、タケルの頬が引き攣った。
「亮太さん、いつの間に蛇なんて」
「今日からだ。そうビビるな、可愛いもんだぞ」
蛟は亮太が言っていた夢オチを守るべく、無言でいてくれている。実に素直ないい子だ。
タケルの家は備え付けのコンロだった。トイレも何気にウォシュレットになっている。まさかと思いこっそり覗いた風呂は、そのまさかの追い焚き機能付きだった。大家よ、対応が大分違いやしないか。それ故の格安家賃なのかもしれないが、にしても色々と設備に差があり過ぎる。
「にしても、アキラちゃんが心配で時折見に来られるなんていいお兄さんですね」
「いえいえ、それ程では」
蓮の姿を見られてしまった亮太は、咄嗟に『蓮は都内に住んでいるアキラの兄でアキラが心配で時折会いに来ている』という嘘をついた。蓮は何か言いたそうにしていたが、さすがに口は挟んでこなかった。
タケルの部屋はシンプルだった。机の上には大きなモニターとPC。シングルサイズの収納付きベッドに、低いテーブルが一脚、それだけだ。
そして亮太の目にはモニター周辺に黒いモヤが映って見えた。残滓の様なものだろうが、これがあの黒いモヤを大量発生させた原因の一つであろう。放っておけばまた繰り返す可能性もある。亮太は机に向かって座り心地のいいキャスター付きの椅子に腰掛けると、口の中で小さく祓詞を唱えてみた。すると、暫くモニターの周りをたゆたっていたモヤが次第に薄れ、やがて消え去った。おお、祓えた。
亮太のそんな様子をちらりと確認した狗神が、亮太に声をかけた。
「亮太、餃子を焼き始めて宜しいですか」
「お、頼む。――タケル、ちょっとこっち来い」
「何ですか?」
亮太に呼ばれるとタケルは素直に亮太の横に立った。
「お前がやってるそのネットのなんちゃらのアカウントを今この場で消せ」
「え、け、消すんですか?」
「そうだよ」
嫌がるだろうとは思ったが、あれだけ周りに迷惑をかけておいても捨てたくない程のものなのだろうか。
「暫く閲覧も禁止な。あ、そうだ、PCのログインパスワードは俺が設定しよう」
「えっそれは困りますよ! 学校のレポートとかもあるし」
「だからその時は言えばいいだろ」
かなり強引なやり方だとは思ったが、こうでもしないときっとすぐにあの闇の世界に戻っていってしまうだろう。モヤは祓っただけで根本的な解決には至っていないのだから。
「いいからやれ」
亮太が出来るだけ人相悪くいい放って席を代わると、タケルは半泣きの表情で渋々PCを立ち上げ始めた。独り暮らしで友人もいないからだろう、なんとパスワード入力もなくデスクトップが表示された。セキュリティも何もあったもんじゃない。
亮太は職を転々としている中の一つに事務職もあり、付き合った女性の家にPCがあったりと、実はPCに深くはないが馴染みはある。だから動作の基礎知識は一通り知っていた。
タケルがブラウザを立ち上げ、お気に入りから一つのサイトを選んだ。亮太も知っているSNSの一つだった。どうやらタケルが騒いでいたのは掲示板でのことではなかったらしい。このSNSについては客から話は色々聞くが、ただでさえ普段人と接している亮太はあえて休みの日まで見ず知らずの人とやり取りをする気にはならず、今に至っている。
アカウント情報の欄をクリックする。アカウント消去の項目があった。マウスのポイントがそこの上まで来て止まる。
亮太はタケルの耳元で、出来る限り低い声で言った。
「やれ」
「ひいっっや、やりますよ!」
カチ、とマウスをクリックする音が聞こえ、本当に消去していいか最後の確認のポップアップ画面が出てきた。また迷っている。亮太は小さく溜息をつくと、キーボードのEnterキーを背後からポンと押した。アカウント削除完了。
「ああっ」
「ああ、じゃねえよ。ほら、席代われ」
半ば呆然としているタケルをどかすと、亮太はPCの設定画面に入り勝手にパスワードを設定した。
「りょ、亮太さんブラインドタッチ出来るんですね、意外……」
「昔取った杵柄だ」
「杵柄? 何ですかそれ」
「もういい」
ブラウザのお気に入りの後の項目はほぼエロサイトへのリンクだったのでそこは残しておいてやることにし、亮太はさっさとPCを落とした。待てよ、タケルがエロサイトを閲覧したい時も亮太は呼ばれるのか? その可能性に思い当たり少し自分の下した選択を後悔したが、まあ、それはそれだ。
「亮太、もうすぐ出来ますよ」
「へいへい。ほら、タケル支度するぞ」
「はいぃぃぃ」
情けない声を出しながらも、タケルは亮太の指示に従うことにした様だった。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
王命って何ですか? 虐げられ才女は理不尽な我慢をやめることにした
まるまる⭐️
恋愛
【第18回恋愛小説大賞において優秀賞を頂戴致しました。応援頂いた読者の皆様に心よりの感謝を申し上げます。本当にありがとうございました】
その日、貴族裁判所前には多くの貴族達が傍聴券を求め、所狭しと行列を作っていた。
貴族達にとって注目すべき裁判が開かれるからだ。
現国王の妹王女の嫁ぎ先である建国以来の名門侯爵家が、新興貴族である伯爵家から訴えを起こされたこの裁判。
人々の関心を集めないはずがない。
裁判の冒頭、証言台に立った伯爵家長女は涙ながらに訴えた。
「私には婚約者がいました…。
彼を愛していました。でも、私とその方の婚約は破棄され、私は意に沿わぬ男性の元へと嫁ぎ、侯爵夫人となったのです。
そう…。誰も覆す事の出来ない王命と言う理不尽な制度によって…。
ですが、理不尽な制度には理不尽な扱いが待っていました…」
裁判開始早々、王命を理不尽だと公衆の面前で公言した彼女。裁判での証言でなければ不敬罪に問われても可笑しくはない発言だ。
だが、彼女はそんな事は全て承知の上であえてこの言葉を発した。
彼女はこれより少し前、嫁ぎ先の侯爵家から彼女の有責で離縁されている。原因は彼女の不貞行為だ。彼女はそれを否定し、この裁判に於いて自身の無実を証明しようとしているのだ。
次々に積み重ねられていく証言に次第に追い込まれていく侯爵家。明らかになっていく真実を傍聴席の貴族達は息を飲んで見守る。
裁判の最後、彼女は傍聴席に向かって訴えかけた。
「王命って何ですか?」と。
✳︎不定期更新、設定ゆるゆるです。
男子高校生だった俺は異世界で幼児になり 訳あり筋肉ムキムキ集団に保護されました。
カヨワイさつき
ファンタジー
高校3年生の神野千明(かみの ちあき)。
今年のメインイベントは受験、
あとはたのしみにしている北海道への修学旅行。
だがそんな彼は飛行機が苦手だった。
電車バスはもちろん、ひどい乗り物酔いをするのだった。今回も飛行機で乗り物酔いをおこしトイレにこもっていたら、いつのまにか気を失った?そして、ちがう場所にいた?!
あれ?身の危険?!でも、夢の中だよな?
急死に一生?と思ったら、筋肉ムキムキのワイルドなイケメンに拾われたチアキ。
さらに、何かがおかしいと思ったら3歳児になっていた?!
変なレアスキルや神具、
八百万(やおよろず)の神の加護。
レアチート盛りだくさん?!
半ばあたりシリアス
後半ざまぁ。
訳あり幼児と訳あり集団たちとの物語。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
北海道、アイヌ語、かっこ良さげな名前
お腹がすいた時に食べたい食べ物など
思いついた名前とかをもじり、
なんとか、名前決めてます。
***
お名前使用してもいいよ💕っていう
心優しい方、教えて下さい🥺
悪役には使わないようにします、たぶん。
ちょっとオネェだったり、
アレ…だったりする程度です😁
すでに、使用オッケーしてくださった心優しい
皆様ありがとうございます😘
読んでくださる方や応援してくださる全てに
めっちゃ感謝を込めて💕
ありがとうございます💞
月華後宮伝
織部ソマリ
キャラ文芸
★10/30よりコミカライズが始まりました!どうぞよろしくお願いします!
◆神託により後宮に入ることになった『跳ねっ返りの薬草姫』と呼ばれている凛花。冷徹で女嫌いとの噂がある皇帝・紫曄の妃となるのは気が進まないが、ある目的のために月華宮へ行くと心に決めていた。凛花の秘めた目的とは、皇帝の寵を得ることではなく『虎に変化してしまう』という特殊すぎる体質の秘密を解き明かすこと! だが後宮入り早々、凛花は紫曄に秘密を知られてしまう。しかし同じく秘密を抱えている紫曄は、凛花に「抱き枕になれ」と予想外なことを言い出して――?
◆第14回恋愛小説大賞【中華後宮ラブ賞】受賞。ありがとうございます!
◆旧題:月華宮の虎猫の妃は眠れぬ皇帝の膝の上 ~不本意ながらモフモフ抱き枕を拝命いたします~
無能扱いされ、パーティーを追放されたおっさん、実はチートスキル持ちでした。戻ってきてくれ、と言ってももう遅い。田舎でゆったりスローライフ。
さら
ファンタジー
かつて勇者パーティーに所属していたジル。
だが「無能」と嘲られ、役立たずと追放されてしまう。
行くあてもなく田舎の村へ流れ着いた彼は、鍬を振るい畑を耕し、のんびり暮らすつもりだった。
――だが、誰も知らなかった。
ジルには“世界を覆すほどのチートスキル”が隠されていたのだ。
襲いかかる魔物を一撃で粉砕し、村を脅かす街の圧力をはねのけ、いつしか彼は「英雄」と呼ばれる存在に。
「戻ってきてくれ」と泣きつく元仲間? もう遅い。
俺はこの村で、仲間と共に、気ままにスローライフを楽しむ――そう決めたんだ。
無能扱いされたおっさんが、実は最強チートで世界を揺るがす!?
のんびり田舎暮らし×無双ファンタジー、ここに開幕!
後宮の手かざし皇后〜盲目のお飾り皇后が持つ波動の力〜
二位関りをん
キャラ文芸
龍の国の若き皇帝・浩明に5大名家の娘である美華が皇后として嫁いできた。しかし美華は病により目が見えなくなっていた。
そんな美華を冷たくあしらう浩明。婚儀の夜、美華の目の前で彼女付きの女官が心臓発作に倒れてしまう。
その時。美華は慌てること無く駆け寄り、女官に手をかざすと女官は元気になる。
どうも美華には不思議な力があるようで…?
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
【完結】乙女ゲーム開始前に消える病弱モブ令嬢に転生しました
佐倉穂波
恋愛
転生したルイシャは、自分が若くして死んでしまう乙女ゲームのモブ令嬢で事を知る。
確かに、まともに起き上がることすら困難なこの体は、いつ死んでもおかしくない状態だった。
(そんな……死にたくないっ!)
乙女ゲームの記憶が正しければ、あと数年で死んでしまうルイシャは、「生きる」ために努力することにした。
2023.9.3 投稿分の改稿終了。
2023.9.4 表紙を作ってみました。
2023.9.15 完結。
2023.9.23 後日談を投稿しました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる