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第62話 襲ってきたのは
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夕闇に包まれる林の中で、確かに私はシスにキスされていた。
驚きすぎて目を開けたままだったら、シスの黄金色の瞳も開けっ放しだった。それが、私を見て優しい弧を描く。夕日を反射して輝く黄金色の瞳は、熱を持って私を見つめ続けていた。
やがて、ゆっくりと唇が離れていく。シスは私から一度も目を逸らすことなく私の後頭部を大きな手で掴むと、その胸に引き寄せた。私の頭に顎を乗せ、無言のままでいる。お喋りシスが珍しいな、なんて思っていたら、くっついている胸からドクドクドク、と早い鼓動が聞こえてきた。
これってシスのかな、それとも私のかな。よく分からない。そもそもこの能天気な吸血鬼が緊張することなんてあるんだろうかなんて考えたら、ちょっとだけパニックが収まってきた。
「小町……」
狂おしそうに呟かれて、突き飛ばすことも抱き締め返すことも出来なくて、ただシスに抱き締められることしか出来ない。乙女には刺激が強すぎる展開に、何も考えられない状態が続いていた。
もう絶対、私の心臓の音はシスに伝わっちゃってる。ドキドキしすぎて、頸動脈から血の匂いが沢山振り撒かれてる筈だ。いきなりガブリはないとは思うけど、大丈夫かな。
それにしても――今のは、どう考えてもキスだ。つまり、乙女小町の正真正銘のファーストキスは、亜人でアホな吸血鬼のシスとしたことになる。……えっ。
何も考えられなかった私の頭の中の回路が、少しずつ繋がり始めた。これまでのシスの態度、私を見る時の笑顔、さっきの言葉に、――口へのキス。
段々と理解が及び始めると同時に、疑問が湧いてきた。
「シ、シス」
「……うん」
「え、シスは、私のことが、す、好きなの? その、女の子として……」
シスが変な顔をする。
「小町は最初から女の子だろー?」
いや、それはそうなんだけどね。そうじゃなくて、アンタの扱いがってことなんだけど、伝わらないか。だったらこれはどうかな。
「その、ペットじゃなくて?」
私の目尻に唇を押し当てながら、シスが低い声で囁く。
「……またそれか? 俺は小町っていう女の子が好きなんだ。俺しか知らない場所に閉じ込めて、他の奴に見せたくないくらい好きだ。俺の番にする予定だしなー」
「ひえ……っ」
拉致監禁まがいの台詞をさらりと吐かれたのは置いておいて、……嘘でしょ。シスは私のことが好きだった? あれで? というか、番にする予定ってなに。やっぱりコイツ自分勝手だな。
私の頭の中には、混乱の嵐が吹き荒れていた。だって、人に首輪付けたり、素っ裸で追いかけ回したり、デザート呼ばわりしていたのに、どこにそんな要素があったっていうの。
「えっ!? じゃ、じゃあ、いつから私のことを好きだったのよ……!」
「……頭の中が小町のことで一杯になり始めたのは、最初に血を飲ませてもらった時だなー」
最初。モグラ亜人事件の後だ。そ、そんな前から!?
シスは目をキラキラさせたまま続けた。
「あの時、小町の血は最高に美味いし小町の匂いも堪らなくて、俺のもんだって思ったんだー」
「シス……」
「それから、時々小町が俺を見て笑う度に、可愛い俺のものだって気持ちが強くなって、でもそれが好きだってことには気付いてなかった」
そういえば、笑うとシスがやたらと喜んでいた様な。
「じゃ、じゃあいつ好きだって気付いたっていうのよ」
可愛くない言い方だなあ、と我ながら思った。こんなのが可愛いって思うシスって、私の態度が気にならないくらい私のことが、す、好き?
「サーシャにそれって好きなんじゃないかってボコボコにされながら言われたんだけど、まだイマイチピンときてなくてなー」
まあ、好きが何かも未経験だったシスにはすぐに理解するのは難しかったんだろう。サーシャさんの苦労がよく分かる。
「だけど、勝負に負けても小町は怪我の心配ばっかで、吸血鬼だったら情けねえとか言って笑われるのに小町はそんなのもなくて」
ロウも同じ理由で追い出されたから、これは亜人の常識なんだろう。私には違和感しかないけど。
「地図屋に行けるって喜んで笑った時、勝負に負けて情けないのに、それでも俺に優しい笑顔を向ける小町を見たら、苦しいくらい嬉しくて、初めて……ああ、好きなんだって思ったぞー」
「あ、ああ、あの時……」
私が笑いかけたら、目を逸らされた時のことだ。あまりにも意外だったから、印象に残っていた。
「小町の匂いも俺に近付くと甘くなってきてたから、小町もこんな気持ちで俺といてくれたのかな、でも違ったらどうしようって不安になって……。色々やらかした。ごめんな、小町」
「まあね……」
風呂場に連れて行かれたり勝手に着替えさせられたり、確かに色々やらかされた。
「小町から匂いがしてるのに、ヒトの町に帰るとか言うから、い、今もまだ不安で……っ」
シスが、ごくりと唾を呑み込んだ。私を超至近距離で見下ろす金色が揺れてる様に見えるのは、……もしかして本当に不安だとか、だろうか。いつも自信満々なシスが不安?
さっきから私の匂いがと言ってるのもよく分からないんだけど、聞いた方がいいのかな。
「小町……小町は俺のこと……」
次の瞬間。
「ウワワワン! 敵襲来だ! 敵襲来!」
「えっ!?」
暗闇に包まれ始めた緩やかな下り坂の草原の向こうから、黒い大きな塊がこちらに向かって全速力で向かってくるのが見えた。背中の大きな荷物が、ボンボン跳ねている。それを見て、ロウが狼の姿で追いかけてきたということが分かった。多分、私たちの匂いを追うのは、こっちの姿の方が都合がいいんだろう。
「敵ってどういうこと!?」
ロウが大分近付いたところで、ロウの背後から迫ってくる物の姿が見え始めた。
すぐに動ける様にか、ひょいと私を腕に横抱きにしたシスが、へんてこな顔になる。
「なんだありゃ?」
ロウは私たちに追いつくと、堂々とシスの後ろに隠れた。ちょっと、あんたも護衛なんじゃなかったの。
ロウが、空を見上げながらキャンキャン吠える。
「分かんないんだよ! 俺が小町に追いつこうと思って走ってたらさ、さっき訳の分かんない光がパーッて差して、いきなり俺を追いかけ始めたんだ!」
「あれって……なんでこんな所に?」
ブオオオン、とモーター音を立てながらこちらに向かって一直線に飛んできている物は、済世区では時折お目にかかる代物だ。あれを使って、人が赴く代わりに建物の高所部の清掃や簡単な修理を行なってくれる、便利な道具。端的に言えば、無人小型航空機、なんだけど。
でも、随分と薄汚れている様に見える。目を凝らしてみると、蔦みたいなのが絡んでひらひらしているし。
ロウが尻尾を足の間に挟みながら叫んだ。
「何なんだよ、あの光! あれが例の悪魔の光ってやつ!?」
そこで私はようやく思い至った。亜人街を出た時にロウが言っていたのは、多分ヒトの祖先が残した科学の名残なんじゃないかと。
もう一度、こちらの様子を窺う様に宙でホバリングしている無人小型航空機をじっと観察してみた。済世区では見たことのないタイプだ。随分と薄汚れているし。
「あれは無人小型航空機っていって、人が行きにくい場所の軽作業や目の代わりになる機械なんだけど……」
私が説明すると、シスとロウがぽかんという顔をした。
「無人小型こ……なんだって?」
「悪魔じゃないの!?」
「ただの機械だよ。だけど、一体何だってこんな所にいるのかは分かんないけど」
すると、ロウがブルブルと震え出す。
「山から先は呪われてるって、まさか死都にこいつらみたいなのがいるってこと……?」
なるほど。ネクロポリスから来てるって可能性はあるか。
チカ、チカ、と私たちを照らしては時折赤いランプが点滅するのは、一体何をしてるんだろう。
「まあ、攻撃してくる様な物じゃないと思うよ。ヒトの手の代わりみたいなものだし」
ライトで照らしてこちらを探っている風ではあるけど、攻撃してくる様子はないし、大丈夫かな。私がそう判断すると、ロウがあからさまにホッとした顔になった。
「そうなの? よかったあ」
そう言って無人小型航空機を避ける様に先に一歩進んだ途端。
レーザーの様な閃光と共に、ジュッと音が立った。
「へ……?」
ロウの目の前の草が、一直線に燃え始める。
「こ、こ……」
ロウが震えた。シスが私をぎゅっと抱え直す。
「小町、しっかり掴まれ」
「う、うん……」
ロウが、半泣きな声で叫んだ。
「攻撃してきたじゃないかああああっ!」
「逃げろ!」
「キャウウウウンッ!」
私を抱えたシスと尻尾を巻いたロウは、全速力で逃げ出したのだった。
驚きすぎて目を開けたままだったら、シスの黄金色の瞳も開けっ放しだった。それが、私を見て優しい弧を描く。夕日を反射して輝く黄金色の瞳は、熱を持って私を見つめ続けていた。
やがて、ゆっくりと唇が離れていく。シスは私から一度も目を逸らすことなく私の後頭部を大きな手で掴むと、その胸に引き寄せた。私の頭に顎を乗せ、無言のままでいる。お喋りシスが珍しいな、なんて思っていたら、くっついている胸からドクドクドク、と早い鼓動が聞こえてきた。
これってシスのかな、それとも私のかな。よく分からない。そもそもこの能天気な吸血鬼が緊張することなんてあるんだろうかなんて考えたら、ちょっとだけパニックが収まってきた。
「小町……」
狂おしそうに呟かれて、突き飛ばすことも抱き締め返すことも出来なくて、ただシスに抱き締められることしか出来ない。乙女には刺激が強すぎる展開に、何も考えられない状態が続いていた。
もう絶対、私の心臓の音はシスに伝わっちゃってる。ドキドキしすぎて、頸動脈から血の匂いが沢山振り撒かれてる筈だ。いきなりガブリはないとは思うけど、大丈夫かな。
それにしても――今のは、どう考えてもキスだ。つまり、乙女小町の正真正銘のファーストキスは、亜人でアホな吸血鬼のシスとしたことになる。……えっ。
何も考えられなかった私の頭の中の回路が、少しずつ繋がり始めた。これまでのシスの態度、私を見る時の笑顔、さっきの言葉に、――口へのキス。
段々と理解が及び始めると同時に、疑問が湧いてきた。
「シ、シス」
「……うん」
「え、シスは、私のことが、す、好きなの? その、女の子として……」
シスが変な顔をする。
「小町は最初から女の子だろー?」
いや、それはそうなんだけどね。そうじゃなくて、アンタの扱いがってことなんだけど、伝わらないか。だったらこれはどうかな。
「その、ペットじゃなくて?」
私の目尻に唇を押し当てながら、シスが低い声で囁く。
「……またそれか? 俺は小町っていう女の子が好きなんだ。俺しか知らない場所に閉じ込めて、他の奴に見せたくないくらい好きだ。俺の番にする予定だしなー」
「ひえ……っ」
拉致監禁まがいの台詞をさらりと吐かれたのは置いておいて、……嘘でしょ。シスは私のことが好きだった? あれで? というか、番にする予定ってなに。やっぱりコイツ自分勝手だな。
私の頭の中には、混乱の嵐が吹き荒れていた。だって、人に首輪付けたり、素っ裸で追いかけ回したり、デザート呼ばわりしていたのに、どこにそんな要素があったっていうの。
「えっ!? じゃ、じゃあ、いつから私のことを好きだったのよ……!」
「……頭の中が小町のことで一杯になり始めたのは、最初に血を飲ませてもらった時だなー」
最初。モグラ亜人事件の後だ。そ、そんな前から!?
シスは目をキラキラさせたまま続けた。
「あの時、小町の血は最高に美味いし小町の匂いも堪らなくて、俺のもんだって思ったんだー」
「シス……」
「それから、時々小町が俺を見て笑う度に、可愛い俺のものだって気持ちが強くなって、でもそれが好きだってことには気付いてなかった」
そういえば、笑うとシスがやたらと喜んでいた様な。
「じゃ、じゃあいつ好きだって気付いたっていうのよ」
可愛くない言い方だなあ、と我ながら思った。こんなのが可愛いって思うシスって、私の態度が気にならないくらい私のことが、す、好き?
「サーシャにそれって好きなんじゃないかってボコボコにされながら言われたんだけど、まだイマイチピンときてなくてなー」
まあ、好きが何かも未経験だったシスにはすぐに理解するのは難しかったんだろう。サーシャさんの苦労がよく分かる。
「だけど、勝負に負けても小町は怪我の心配ばっかで、吸血鬼だったら情けねえとか言って笑われるのに小町はそんなのもなくて」
ロウも同じ理由で追い出されたから、これは亜人の常識なんだろう。私には違和感しかないけど。
「地図屋に行けるって喜んで笑った時、勝負に負けて情けないのに、それでも俺に優しい笑顔を向ける小町を見たら、苦しいくらい嬉しくて、初めて……ああ、好きなんだって思ったぞー」
「あ、ああ、あの時……」
私が笑いかけたら、目を逸らされた時のことだ。あまりにも意外だったから、印象に残っていた。
「小町の匂いも俺に近付くと甘くなってきてたから、小町もこんな気持ちで俺といてくれたのかな、でも違ったらどうしようって不安になって……。色々やらかした。ごめんな、小町」
「まあね……」
風呂場に連れて行かれたり勝手に着替えさせられたり、確かに色々やらかされた。
「小町から匂いがしてるのに、ヒトの町に帰るとか言うから、い、今もまだ不安で……っ」
シスが、ごくりと唾を呑み込んだ。私を超至近距離で見下ろす金色が揺れてる様に見えるのは、……もしかして本当に不安だとか、だろうか。いつも自信満々なシスが不安?
さっきから私の匂いがと言ってるのもよく分からないんだけど、聞いた方がいいのかな。
「小町……小町は俺のこと……」
次の瞬間。
「ウワワワン! 敵襲来だ! 敵襲来!」
「えっ!?」
暗闇に包まれ始めた緩やかな下り坂の草原の向こうから、黒い大きな塊がこちらに向かって全速力で向かってくるのが見えた。背中の大きな荷物が、ボンボン跳ねている。それを見て、ロウが狼の姿で追いかけてきたということが分かった。多分、私たちの匂いを追うのは、こっちの姿の方が都合がいいんだろう。
「敵ってどういうこと!?」
ロウが大分近付いたところで、ロウの背後から迫ってくる物の姿が見え始めた。
すぐに動ける様にか、ひょいと私を腕に横抱きにしたシスが、へんてこな顔になる。
「なんだありゃ?」
ロウは私たちに追いつくと、堂々とシスの後ろに隠れた。ちょっと、あんたも護衛なんじゃなかったの。
ロウが、空を見上げながらキャンキャン吠える。
「分かんないんだよ! 俺が小町に追いつこうと思って走ってたらさ、さっき訳の分かんない光がパーッて差して、いきなり俺を追いかけ始めたんだ!」
「あれって……なんでこんな所に?」
ブオオオン、とモーター音を立てながらこちらに向かって一直線に飛んできている物は、済世区では時折お目にかかる代物だ。あれを使って、人が赴く代わりに建物の高所部の清掃や簡単な修理を行なってくれる、便利な道具。端的に言えば、無人小型航空機、なんだけど。
でも、随分と薄汚れている様に見える。目を凝らしてみると、蔦みたいなのが絡んでひらひらしているし。
ロウが尻尾を足の間に挟みながら叫んだ。
「何なんだよ、あの光! あれが例の悪魔の光ってやつ!?」
そこで私はようやく思い至った。亜人街を出た時にロウが言っていたのは、多分ヒトの祖先が残した科学の名残なんじゃないかと。
もう一度、こちらの様子を窺う様に宙でホバリングしている無人小型航空機をじっと観察してみた。済世区では見たことのないタイプだ。随分と薄汚れているし。
「あれは無人小型航空機っていって、人が行きにくい場所の軽作業や目の代わりになる機械なんだけど……」
私が説明すると、シスとロウがぽかんという顔をした。
「無人小型こ……なんだって?」
「悪魔じゃないの!?」
「ただの機械だよ。だけど、一体何だってこんな所にいるのかは分かんないけど」
すると、ロウがブルブルと震え出す。
「山から先は呪われてるって、まさか死都にこいつらみたいなのがいるってこと……?」
なるほど。ネクロポリスから来てるって可能性はあるか。
チカ、チカ、と私たちを照らしては時折赤いランプが点滅するのは、一体何をしてるんだろう。
「まあ、攻撃してくる様な物じゃないと思うよ。ヒトの手の代わりみたいなものだし」
ライトで照らしてこちらを探っている風ではあるけど、攻撃してくる様子はないし、大丈夫かな。私がそう判断すると、ロウがあからさまにホッとした顔になった。
「そうなの? よかったあ」
そう言って無人小型航空機を避ける様に先に一歩進んだ途端。
レーザーの様な閃光と共に、ジュッと音が立った。
「へ……?」
ロウの目の前の草が、一直線に燃え始める。
「こ、こ……」
ロウが震えた。シスが私をぎゅっと抱え直す。
「小町、しっかり掴まれ」
「う、うん……」
ロウが、半泣きな声で叫んだ。
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