記憶喪失から始まる、勘違いLove story

たっこ

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28 先輩のおねだり▶月森side ※

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「月森……動いて?」
 
 唇を合わせながら、先輩が可愛くねだってくる。
 今まで何度も想像で先輩を抱いた。
 でも、素直に甘えてくる先輩は想像したことがない。
 記憶を失くす前の先輩でしか想像したことがないから、可愛さの破壊力が半端ない。
 俺にとってご褒美と言ってもいい先輩の笑顔に、今は潤んだ瞳までプラスされて、俺の心臓は今にも壊れそうだ……。
 これが現実だなんて……まだ信じられない。もうずっと夢の中にいるみたいで……頭がのぼせる。
 先輩の中は熱くてきつくてうねっていて、これで動いたら……きっとすぐにイってしまう……。
 
「先輩……ごめんなさい……」
「……っ、ごめんって……なに……」

 一瞬で先輩の笑顔が不安そうにゆがむ。

「あっ、ちがっ、……ぁっ」

 急に先輩の中がぎゅうっと締まって、情けないことに声が漏れた。

「月森……?」
「せ……先輩、俺……すぐイっちゃいそ……です、ごめんなさい……」

 正直に打ち明けると、先輩がわずかに目を見開いて笑った。

「ごめんは禁止だってば」
「えっと……すみ、ません」
「それ同じ」
 
 ははっと笑って頭をくしゃっとされた。

「いいよ。俺はさっきイかされたし、月森が俺の中に来てくれただけで……もう本当に……すごい幸せだから」
 
 先輩がそんなことを言って破顔する。
 だから……っ、破壊力……っ。
 俺……最後まで生きていられるかな……っ。
 
「ゔ……ぁ、先輩……どうしよ……俺……」
「いいよ。動いて……月森」
「せ……先輩、う、動き……ます、ね?」
「うん」

 先輩の中から一度少し引き抜き、グッと奥まで入れた。

「んぁ……っ……」

 すると、先輩のワントーン高い可愛い喘ぎ声が耳に届く。
 先輩が急にパッと顔を赤く染めた。

「気持ち……いいですか……?」
「……どうしよう、気持ちいい……かも」

 それを聞いてタガが外れた。
 慣れるまではゆっくり動かなきゃ、そう思っていたのに動くともう止められなかった。

「ん……っ、あっ、あぁ……っ、つきも……り……っ」

 ぎゅうっと抱きつく先輩がとにかく愛おしくて、また目頭が熱くなる。
 可愛い声で鳴きながらキスをねだる先輩の唇をふさぎ、夢中で先輩を感じた。

「んんっ、ふ……ぁっ……」

 先輩が俺を好き……まだ夢のようで、でもこうして触れてキスして一つになれて、幸せすぎて怖い。

「……うっ、ぁ……先輩……っ」
「つきもり……っ」

 思った通りあっという間に限界が来た。

「先輩っ、ぁ……っ!」

 俺はあっけなく、先輩の中でどくどくと熱を吐き出した。
 
「ん……つきもり……」
 
 脱力して倒れ込む俺の身体を、先輩が優しく抱きしめてくれた。俺は先輩をきつく抱きしめ返す。

「先輩……好きです。大好きです……」

 感情が高ぶり、声が震えた。
 
「俺も……大好き……月森……」
「先輩……」
 
 荒い息を整えながら求め合うように唇を合わせ、先輩が照れくさそうに笑った。
 情けない。自分だけイっちゃうなんて。動けばこうなるとはわかっていたけれど情けない。
 入れる時、先輩はイった後だったから勃ってはいなかった。こんなにすぐ終わっちゃったんだ。きっと勃ってもいないよね……。
 そう思いながらも触って確認しようかと悩む。

「月森……どうしよ……」
「ん……なんですか?」
「俺……まだおっきいまんま……」
「……えっ」
 
 確認する前に伝えられた事実に、思わず下を覗き込んだ。
 入れる時は小さかった先輩のものが、しっかり勃って大きくなっていた。
 今勃ってるってことは……気持ちよかったってことだ。
 どうしよう……嬉しい、やばい、嬉しいっ。
 
「月森……まだ、できる?」

 先輩のおねだりに心臓が跳ね上がる。

「で、でき、できます……っ!」

 うわ……っ。舞い上がってどもっちゃった……っ。

「ははっ。なんか今日の月森、ほんと可愛い」
「ご、ごめ……じゃなくて、えっと……もう俺、全然余裕なくて……」
「いいじゃん。可愛い月森も大好きだよ」

 頬は紅潮して瞳を潤ませた可愛い顔で先輩が言う。
 だから……破壊力……っ。
 もうやばい……俺……クラクラして倒れそう。

「ま、待ってください、いまゴム変える、ので」
「ん……待ってる」

 うう……可愛いっ。もう心臓が何個あっても足りないよ……っ。
 
 
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