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63 冬磨と敦司と美香ちゃんと 後編
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「あ、ちょっと待って」と、敦司がビールの追加を注文して、先を続けた。
「女性陣がわらわら天音を囲うんだよ。顔見にきたり、質問攻めにしたり」
「ええ? もっと静かに見守る感じじゃないの?」
「これは天音のキャラが悪さしたな。嫌悪感がないのはいいけど、天音の気軽さが人を寄せ付けるんだよ。本当の天音を知って、もっと可愛い可愛~ってなっちゃってんの」
「あ、それはわかるっ。すっごくわかるっ」
美香ちゃんが納得という顔でグラスに口をつける。
「俺はそれよりも……みんなが冬磨の写真まで見たがるのが嫌だな……」
そう俺がうなだれると、冬磨が頭をくしゃっと撫でた。
「んで、見せんの?」
「ううん。見せない。冬磨の写真は絶対見せない。俺だけのだもん」
冬磨がうつむいて「かわい……」とぽそっとつぶやいた。
「で、余計なこと言ったってなに?」
「……うん、とね……」
と、俺はうなだれながら冬磨と美香ちゃんに説明した。
あの翌日、敦司と松島さんがフォローしてくれたおかげで、ありがたいことにみんな本当に好意だけで俺を囲ってくれた。でも、それが水曜日も木曜日も続いて終わる気配がなくて、敦司も松島さんもいいかげん止めに入ろうとしてくれたけれど、それほど困ってないからと俺が断った。
ところが今朝、同じフロアの上司や先輩たちが『おい、星川をあんまり困らせるなよ』と間に入ってくれようとした。すごく嬉しかった。
でも、そのあとみんなに気を使われたくなかったから『あの、大丈夫です、聞いてほしいです、気軽になんでもっ』と言ってしまった。
「みんな遠慮してたんだよ。聞きたくてウズウズしてたところに天音がそんなこと言うからさ」
と敦司がおかしそうに笑う。
男の人は特に、普段俺との距離が近いせいで逆に近寄れなかったようで、今度は男性社員にも囲われるようになった。気軽に色々聞かれるのはもちろん全然いいけれど、なんだかすごく可愛がられている感じがすごくむずがゆい。
俺はますます『マスコット的存在』の地位を確立してしまったらしい。
「新人の伊藤、あれウケるよな。『星川さんなら俺、その辺の女よりいけますっ!』って力説しだしてさ」
「あ、ちょっと敦司っ」
その話はしないつもりだったのに……っ。
「……は? おい、誰だそいつ。今度会わせろ」
「た、ただのサービストークだよっ」
「あ? そんなんわかんねぇだろ。俺が直接確認してやるから仕事終わりに連れてこい」
あー……もしかしたらこうなるかな、と思って言わないでいたのに。
敦司を見ると、すまん、と顔の前で手を合わせている。
あれから冬磨は、毎日仕事終わりに迎えに来てくれていた。
でも、冬磨は目立つから、待ち合わせは駅に変わった。
「ねぇ冬磨。俺は冬磨しか見えてないよ? もし言い寄られたとしても関係ない。冬磨以外はどうでもいいもん。だからなにも心配いらないよ?」
冬磨がグッと何かを呑み込むような顔をした。
「冬磨?」
「……それでもだめだ。伊藤は連れてこい」
「ええ?」
本当になにも心配いらないのに。
なんだか伊藤を巻き込むみたいで申し訳ないな……。あ、でもあの子ノリがいいし駅もすぐだし面白がって付いてくるかも……。
「おい」
「ひゃいっ」
恐ろしく低い声が耳元に響いて身体が跳ね上がった。
「お前いま伊藤とかいうやつのこと考えてるだろ」
「えっ……と、考えてるっていうか、困ったなぁって……」
「なにが困るんだよ。俺が見極めてやるからお前は連れてこい。それだけだ。なんも困んねぇだろ?」
「う……うん、困んない……かも」
「だろ?」
「うん」
どうしよう……嫉妬されるのってすごい嬉しい……っ。
頬がゆるゆるになってる自信があった。
「わわわ……天音くん可愛い……っ。冬磨さんも本当に天音くんしか見てない感じが素敵。ねぇ、なんであの二人あんなに可愛いの?」
「……ほんとにな?」
聞こえてるからぁ……っ。恥ずかしいからっ。
「俺は可愛くない」
冬磨が言い返しても、二人は聞き流して笑った。
気を取り直して料理を食べながら、敦司のおかげで今の俺たちがあること、たくさんお礼を伝えた。でも、美香ちゃんには『セフレ』のことは内緒。だから、きっと俺たちが純愛の末に結ばれた二人、と思ったに違いない。キラキラな瞳で俺たちを見つめる美香ちゃんに、すごく申し訳ない気持ちになった。
それから敦司が、俺が会社で可愛がられてるとか、もらうお菓子の量が多いとか、わざと面白がって話すから、冬磨がいっぱい嫉妬してくれた。
冬磨の嫉妬が嬉しすぎて可愛すぎて、敦司もっと言って、と思ってしまった。
冬磨には、ずっとずっと嫉妬しててほしい。だって、俺が大好きだって証拠だもん。
「ん? なんだよじっと見て。ここでキスする?」
「し、しないよっ。違うよっ」
「じゃあ、大好きーって思って見てた?」
「……うん」
「ふはっ。かわい」
と冬磨が笑ったとき、美香ちゃんが突然両手でバッと顔を覆ったのが視界に入る。
「美香ちゃん、どうしたの、大丈夫?」
「…………死んじゃう」
「え?」
「二人が……可愛すぎて死んじゃう……」
「ええ?」
「なんでだろう……ほかのカップルがどれだけイチャイチャしててもなんとも思わないのに……。天音くんたち可愛すぎる……っ」
「えっと……どう言えばいいんだろ……。あ、ありがとう?」
「こちらこそだよっ! もう本当にありがとうっ!」
えっと、美香ちゃんのありがとうは、なんのありがとうなんだろう。
敦司は美香ちゃんを放って「冬磨、次なに飲む?」なんて呑気に言ってるし、冬磨は俺の手をにぎにぎしながら敦司とメニュー表見てるし、誰か美香ちゃんフォローして……。
「またみんなで飲もうぜ」
「うん、飲もう飲もう! また四人で!」
敦司の言葉に、四人で、を強調して美香ちゃんが賛同した。
「うん、また飲もうね」
「次は割り勘な」
今日はお礼もかねての飲み会だったから俺が払うつもりだったのに、冬磨が全部支払った。
冬磨はもうビールを二箱も敦司に送ったのに、俺は何も返せていない。
「もう一回くらいおごってくれてもいいんだぞ?」
「お前図々しいな」
敦司の冗談に冬磨が笑ってる。
敦司のコミュ力の高さには本当に驚かされる。
気がつけばスッとふところの中に入ってる感じ。いつもそう。
敦司と冬磨が、俺なしでもすごく自然に笑って話していて、すごく嬉しくて胸が熱くなった。
「帰ろう、天音」
「うん」
俺たちが当たり前に手を繋ぐと、敦司と美香ちゃんも手を繋いで、四人で目を見合わせて笑った。
すごくすごく、幸せだった。
「女性陣がわらわら天音を囲うんだよ。顔見にきたり、質問攻めにしたり」
「ええ? もっと静かに見守る感じじゃないの?」
「これは天音のキャラが悪さしたな。嫌悪感がないのはいいけど、天音の気軽さが人を寄せ付けるんだよ。本当の天音を知って、もっと可愛い可愛~ってなっちゃってんの」
「あ、それはわかるっ。すっごくわかるっ」
美香ちゃんが納得という顔でグラスに口をつける。
「俺はそれよりも……みんなが冬磨の写真まで見たがるのが嫌だな……」
そう俺がうなだれると、冬磨が頭をくしゃっと撫でた。
「んで、見せんの?」
「ううん。見せない。冬磨の写真は絶対見せない。俺だけのだもん」
冬磨がうつむいて「かわい……」とぽそっとつぶやいた。
「で、余計なこと言ったってなに?」
「……うん、とね……」
と、俺はうなだれながら冬磨と美香ちゃんに説明した。
あの翌日、敦司と松島さんがフォローしてくれたおかげで、ありがたいことにみんな本当に好意だけで俺を囲ってくれた。でも、それが水曜日も木曜日も続いて終わる気配がなくて、敦司も松島さんもいいかげん止めに入ろうとしてくれたけれど、それほど困ってないからと俺が断った。
ところが今朝、同じフロアの上司や先輩たちが『おい、星川をあんまり困らせるなよ』と間に入ってくれようとした。すごく嬉しかった。
でも、そのあとみんなに気を使われたくなかったから『あの、大丈夫です、聞いてほしいです、気軽になんでもっ』と言ってしまった。
「みんな遠慮してたんだよ。聞きたくてウズウズしてたところに天音がそんなこと言うからさ」
と敦司がおかしそうに笑う。
男の人は特に、普段俺との距離が近いせいで逆に近寄れなかったようで、今度は男性社員にも囲われるようになった。気軽に色々聞かれるのはもちろん全然いいけれど、なんだかすごく可愛がられている感じがすごくむずがゆい。
俺はますます『マスコット的存在』の地位を確立してしまったらしい。
「新人の伊藤、あれウケるよな。『星川さんなら俺、その辺の女よりいけますっ!』って力説しだしてさ」
「あ、ちょっと敦司っ」
その話はしないつもりだったのに……っ。
「……は? おい、誰だそいつ。今度会わせろ」
「た、ただのサービストークだよっ」
「あ? そんなんわかんねぇだろ。俺が直接確認してやるから仕事終わりに連れてこい」
あー……もしかしたらこうなるかな、と思って言わないでいたのに。
敦司を見ると、すまん、と顔の前で手を合わせている。
あれから冬磨は、毎日仕事終わりに迎えに来てくれていた。
でも、冬磨は目立つから、待ち合わせは駅に変わった。
「ねぇ冬磨。俺は冬磨しか見えてないよ? もし言い寄られたとしても関係ない。冬磨以外はどうでもいいもん。だからなにも心配いらないよ?」
冬磨がグッと何かを呑み込むような顔をした。
「冬磨?」
「……それでもだめだ。伊藤は連れてこい」
「ええ?」
本当になにも心配いらないのに。
なんだか伊藤を巻き込むみたいで申し訳ないな……。あ、でもあの子ノリがいいし駅もすぐだし面白がって付いてくるかも……。
「おい」
「ひゃいっ」
恐ろしく低い声が耳元に響いて身体が跳ね上がった。
「お前いま伊藤とかいうやつのこと考えてるだろ」
「えっ……と、考えてるっていうか、困ったなぁって……」
「なにが困るんだよ。俺が見極めてやるからお前は連れてこい。それだけだ。なんも困んねぇだろ?」
「う……うん、困んない……かも」
「だろ?」
「うん」
どうしよう……嫉妬されるのってすごい嬉しい……っ。
頬がゆるゆるになってる自信があった。
「わわわ……天音くん可愛い……っ。冬磨さんも本当に天音くんしか見てない感じが素敵。ねぇ、なんであの二人あんなに可愛いの?」
「……ほんとにな?」
聞こえてるからぁ……っ。恥ずかしいからっ。
「俺は可愛くない」
冬磨が言い返しても、二人は聞き流して笑った。
気を取り直して料理を食べながら、敦司のおかげで今の俺たちがあること、たくさんお礼を伝えた。でも、美香ちゃんには『セフレ』のことは内緒。だから、きっと俺たちが純愛の末に結ばれた二人、と思ったに違いない。キラキラな瞳で俺たちを見つめる美香ちゃんに、すごく申し訳ない気持ちになった。
それから敦司が、俺が会社で可愛がられてるとか、もらうお菓子の量が多いとか、わざと面白がって話すから、冬磨がいっぱい嫉妬してくれた。
冬磨の嫉妬が嬉しすぎて可愛すぎて、敦司もっと言って、と思ってしまった。
冬磨には、ずっとずっと嫉妬しててほしい。だって、俺が大好きだって証拠だもん。
「ん? なんだよじっと見て。ここでキスする?」
「し、しないよっ。違うよっ」
「じゃあ、大好きーって思って見てた?」
「……うん」
「ふはっ。かわい」
と冬磨が笑ったとき、美香ちゃんが突然両手でバッと顔を覆ったのが視界に入る。
「美香ちゃん、どうしたの、大丈夫?」
「…………死んじゃう」
「え?」
「二人が……可愛すぎて死んじゃう……」
「ええ?」
「なんでだろう……ほかのカップルがどれだけイチャイチャしててもなんとも思わないのに……。天音くんたち可愛すぎる……っ」
「えっと……どう言えばいいんだろ……。あ、ありがとう?」
「こちらこそだよっ! もう本当にありがとうっ!」
えっと、美香ちゃんのありがとうは、なんのありがとうなんだろう。
敦司は美香ちゃんを放って「冬磨、次なに飲む?」なんて呑気に言ってるし、冬磨は俺の手をにぎにぎしながら敦司とメニュー表見てるし、誰か美香ちゃんフォローして……。
「またみんなで飲もうぜ」
「うん、飲もう飲もう! また四人で!」
敦司の言葉に、四人で、を強調して美香ちゃんが賛同した。
「うん、また飲もうね」
「次は割り勘な」
今日はお礼もかねての飲み会だったから俺が払うつもりだったのに、冬磨が全部支払った。
冬磨はもうビールを二箱も敦司に送ったのに、俺は何も返せていない。
「もう一回くらいおごってくれてもいいんだぞ?」
「お前図々しいな」
敦司の冗談に冬磨が笑ってる。
敦司のコミュ力の高さには本当に驚かされる。
気がつけばスッとふところの中に入ってる感じ。いつもそう。
敦司と冬磨が、俺なしでもすごく自然に笑って話していて、すごく嬉しくて胸が熱くなった。
「帰ろう、天音」
「うん」
俺たちが当たり前に手を繋ぐと、敦司と美香ちゃんも手を繋いで、四人で目を見合わせて笑った。
すごくすごく、幸せだった。
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