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33 やるために会ってんだろ? *
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冬磨の寝室に入り、ドキドキしながらベッドに横になる。
俺のほうを向いて隣に転がった冬磨は、俺の身体に片腕を乗せて目をつぶった。
「おやすみ、天音」
「…………え」
冬磨いま、おやすみって言った?
聞き間違いかと思ってしばらく冬磨の顔を眺めた。でも、少しも動こうとしない。
なんで? どうして?
「と……冬磨?」
「ん?」
「…………しねぇの?」
「んー。たまにはゆっくり寝よ」
冬磨の言葉が信じられなくて愕然とした。
もしかして……飽きちゃった?
俺、冬磨に飽きられちゃった?
嫌だ……どうしよう……飽きられたら切られちゃう……っ。
恐ろしくて血の気が引いていく。
冬磨が優しいから甘えすぎた。全然ビッチになんてなれなくて、いつもされるがままだった。
俺からなにかしたことなんてない。そんなんじゃだめだったんだ。
最近はゲイビで勉強もしてなかった。どうせ実践できないからって……なにも努力してなかった。
嫌だ……切らないで……冬磨っ。
俺はビッチ天音、ビッチ天音、何度も自分に言い聞かせた。
身体に乗っている冬磨の腕を取って俺は起き上がる。
「ん、天音?」
目を開いて「どうした?」と問う冬磨を無視して、俺は布団をはぎ、冬磨に馬乗りになった。
「あ、天音?」
「なんだよ、ゆっくり寝ようって」
「あま……」
「やるために会ってんだろ? やんねぇなら帰るぞ」
冬磨は目を瞬いて、びっくりした顔で固まった。
そんな顔させるくらい、俺は今までなにもしてこなかったんだ。
俺、もっと頑張るから……お願い、切らないで……冬磨。
冬磨と離れるなんて……絶対に嫌だよ……。
冬磨のズボンに指をかけて下にずらす。ボクサーパンツの下は静かだった。上からゆっくりと撫でると少しだけ膨らんできた。
「なぁ、天音」
「うっさい。ちょっと黙れ」
冬磨がなにを言おうとしてるのか、怖くて聞きたくなくてさえぎった。
ボクサーパンツも下げて、少しだけ元気になった冬磨のものを俺はドキドキしながらゆっくりと口に含む。
フェラ……しちゃった。冬磨のものが俺の口の中に……。どうしよう……心臓が破裂しそう……。
数回口を上下すると、みるみる大きくなってホッとした。
よかった……これで冬磨に抱いてもらえる。
フェラは初めてでどうやったらいいのか何もわからない。
でも、フェラが初めてなのは隠さなくていい。だから下手でも頑張れば大丈夫だよね。
大きくなった冬磨のものを、俺は必死で舐めた。冬磨がしてくれたみたいに、冬磨のやり方をなぞるように。
「は……っ、天音……っ……」
気持ちよさそうな声が冬磨の口から漏れ出たのを聞いて、前も後ろも一気にうずき出す。
冬磨の手が俺の頭を優しく撫でた。
「天音……っ、もういいよ」
「……やら」
「天音」
「うっはいっ」
「ふはっ。……もー、あんま可愛いことすんなって、天音」
冬磨が笑った。
冬磨の笑い声を聞いてホッとして、急に涙腺がゆるむ。
「わかった。じゃあ、今日は舐め合いしよっか」
「……は? なんへ?」
「ちょ……それ気持ちいからいったん口から出そうか」
苦笑しながら俺の頭をポンポンとするから、俺は冬磨のものから口を離した。
せっかくホッとしたのに、また目の前が真っ暗になっていく。
「なんで……舐め合い? なんでやんねぇの? もう俺のこと飽きた?」
思わず口から出た。言ってからしまったと思った。でも、もう遅い……。
「飽きた……って」
びっくりした顔で俺を見て、冬磨が吹き出した。
「ばぁか。飽きるとか絶対ねぇから。天音は特別だっつってんじゃん」
飽きてなかった……。絶対ないんだ……よかった。
「じゃあ……なんで」
「今日はできないんだよ」
「どうして」
「ゴムもローションもねぇからさ」
「……え?」
「俺、この家ではそういうことしたことねぇから。用意してないんだ。買って帰ろうかとも思ったんだけどさ」
冬磨が優しげに俺をじっと見つめる。
「たまには、セフレっぽくないことしようかなぁって思って」
「…………は?」
セフレっぽくないことって……なにそれ。
「意味わかんねぇ。どういう意味?」
「んー……。まあいいじゃん。次からはちゃんと用意するから。今日は舐め合う?」
どうして冬磨はセフレっぽくないことしようと思ったんだろう。
気になって仕方がない。
だって俺たちはセフレだ。なんでセフレっぽくないことが必要なの?
それに、冬磨に会うときはするって思ってるから、急にできないって言われても……後ろがほしくてたまらない。冬磨と繋がりたくてたまらない……。
冬磨と……一回でも多く繋がりたい……。
「天音?」
「…………フェラは……するじゃん」
「ん?」
「お互い大丈夫ならいいじゃんって言ったの、冬磨だろ」
「……言ったけど。お前はなにが言いたいの?」
怪訝そうな顔を俺に向けて、身体を起こしてくる冬磨を俺は押し倒した。
「大丈夫なら……いいじゃん。ゴムなくてもやろうよ」
「は…………え?」
俺のほうを向いて隣に転がった冬磨は、俺の身体に片腕を乗せて目をつぶった。
「おやすみ、天音」
「…………え」
冬磨いま、おやすみって言った?
聞き間違いかと思ってしばらく冬磨の顔を眺めた。でも、少しも動こうとしない。
なんで? どうして?
「と……冬磨?」
「ん?」
「…………しねぇの?」
「んー。たまにはゆっくり寝よ」
冬磨の言葉が信じられなくて愕然とした。
もしかして……飽きちゃった?
俺、冬磨に飽きられちゃった?
嫌だ……どうしよう……飽きられたら切られちゃう……っ。
恐ろしくて血の気が引いていく。
冬磨が優しいから甘えすぎた。全然ビッチになんてなれなくて、いつもされるがままだった。
俺からなにかしたことなんてない。そんなんじゃだめだったんだ。
最近はゲイビで勉強もしてなかった。どうせ実践できないからって……なにも努力してなかった。
嫌だ……切らないで……冬磨っ。
俺はビッチ天音、ビッチ天音、何度も自分に言い聞かせた。
身体に乗っている冬磨の腕を取って俺は起き上がる。
「ん、天音?」
目を開いて「どうした?」と問う冬磨を無視して、俺は布団をはぎ、冬磨に馬乗りになった。
「あ、天音?」
「なんだよ、ゆっくり寝ようって」
「あま……」
「やるために会ってんだろ? やんねぇなら帰るぞ」
冬磨は目を瞬いて、びっくりした顔で固まった。
そんな顔させるくらい、俺は今までなにもしてこなかったんだ。
俺、もっと頑張るから……お願い、切らないで……冬磨。
冬磨と離れるなんて……絶対に嫌だよ……。
冬磨のズボンに指をかけて下にずらす。ボクサーパンツの下は静かだった。上からゆっくりと撫でると少しだけ膨らんできた。
「なぁ、天音」
「うっさい。ちょっと黙れ」
冬磨がなにを言おうとしてるのか、怖くて聞きたくなくてさえぎった。
ボクサーパンツも下げて、少しだけ元気になった冬磨のものを俺はドキドキしながらゆっくりと口に含む。
フェラ……しちゃった。冬磨のものが俺の口の中に……。どうしよう……心臓が破裂しそう……。
数回口を上下すると、みるみる大きくなってホッとした。
よかった……これで冬磨に抱いてもらえる。
フェラは初めてでどうやったらいいのか何もわからない。
でも、フェラが初めてなのは隠さなくていい。だから下手でも頑張れば大丈夫だよね。
大きくなった冬磨のものを、俺は必死で舐めた。冬磨がしてくれたみたいに、冬磨のやり方をなぞるように。
「は……っ、天音……っ……」
気持ちよさそうな声が冬磨の口から漏れ出たのを聞いて、前も後ろも一気にうずき出す。
冬磨の手が俺の頭を優しく撫でた。
「天音……っ、もういいよ」
「……やら」
「天音」
「うっはいっ」
「ふはっ。……もー、あんま可愛いことすんなって、天音」
冬磨が笑った。
冬磨の笑い声を聞いてホッとして、急に涙腺がゆるむ。
「わかった。じゃあ、今日は舐め合いしよっか」
「……は? なんへ?」
「ちょ……それ気持ちいからいったん口から出そうか」
苦笑しながら俺の頭をポンポンとするから、俺は冬磨のものから口を離した。
せっかくホッとしたのに、また目の前が真っ暗になっていく。
「なんで……舐め合い? なんでやんねぇの? もう俺のこと飽きた?」
思わず口から出た。言ってからしまったと思った。でも、もう遅い……。
「飽きた……って」
びっくりした顔で俺を見て、冬磨が吹き出した。
「ばぁか。飽きるとか絶対ねぇから。天音は特別だっつってんじゃん」
飽きてなかった……。絶対ないんだ……よかった。
「じゃあ……なんで」
「今日はできないんだよ」
「どうして」
「ゴムもローションもねぇからさ」
「……え?」
「俺、この家ではそういうことしたことねぇから。用意してないんだ。買って帰ろうかとも思ったんだけどさ」
冬磨が優しげに俺をじっと見つめる。
「たまには、セフレっぽくないことしようかなぁって思って」
「…………は?」
セフレっぽくないことって……なにそれ。
「意味わかんねぇ。どういう意味?」
「んー……。まあいいじゃん。次からはちゃんと用意するから。今日は舐め合う?」
どうして冬磨はセフレっぽくないことしようと思ったんだろう。
気になって仕方がない。
だって俺たちはセフレだ。なんでセフレっぽくないことが必要なの?
それに、冬磨に会うときはするって思ってるから、急にできないって言われても……後ろがほしくてたまらない。冬磨と繋がりたくてたまらない……。
冬磨と……一回でも多く繋がりたい……。
「天音?」
「…………フェラは……するじゃん」
「ん?」
「お互い大丈夫ならいいじゃんって言ったの、冬磨だろ」
「……言ったけど。お前はなにが言いたいの?」
怪訝そうな顔を俺に向けて、身体を起こしてくる冬磨を俺は押し倒した。
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