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20 初めて顔を見ながら…… ※
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今日もゆっくりたっぷり前戯だけで鳴かされた。
「天音の笑顔でもうずっとバキバキなんだけど……」
と、冬磨が信じられない言葉を発して「な、もういい?」と聞いてくる。
確かにいつもはもっと前戯が長い。
でも、そもそもそんなの必要ないくらいに準備してあるっていつも言ってるのに、冬磨は俺がぐったりするくらい愛撫する。
「今日も前からな?」
「……やだ」
「慣れだって。何度もやれば慣れるだろ? あとで後ろもやってやるから」
と、頬にキスをしながら、冬磨はゴムに手を伸ばす。
今日の『やだ』は半分嘘だ。
俺の目を見た冬磨がどういう反応をするのかという不安が半分、抱かれながら冬磨を見つめることができる喜び半分。
昨夜はドキドキして眠れなかった。
俺を抱いてるときの冬磨をやっと見ることができる。どんな顔をしてるんだろう。冬磨の気持ちいい顔はどんなだろう。イクときの顔は……?
想像するだけで顔に熱が集まってくる。
「入れるよ」
「……うん」
俺はぎゅっと目をつぶる。
最初から開けてたら不自然だ。途中までは閉じていよう。
「……ぁ……っ、ぁ……」
声はもう抑えなくてもいいかな。後ろのときと同じにしよう。
なんて思って素直に声を漏らすと、冬磨の嬉しそうな声が耳に届く。
「うん、いつもの天音の声だ。よかった」
「……ん……っ……」
そんな冬磨の言葉にも、俺は涙腺を刺激されるから困ってしまう。
今日は後ろじゃないから涙は絶対流せない。
頑張れ、俺。耐えろ、俺っ。
「天音、気持ちいか?」
冬磨は極上に優しく中で動きながら、俺の頬をそっと親指で撫でる。
前が気持ちよくない演技はもう必要ないよね。今日からは素直に答えてもいいかな。いいよね。
「……ん、……きもち……いぃ……っ、……ぁぁっ……」
背中がのけぞり、背中に回した手にぎゅっと力がこもる。
「そっか、よかった。目は? 今日も閉じたままか? 開けてくれよ。天音の目が見たい」
俺も……俺も冬磨が見たい。
もういいよね、開けていいよね。
冬磨……俺を切らないで……お願い。
そう願って、俺はゆっくりと目を開いて冬磨を見つめた。
冬磨が驚いたように一瞬目を見開いて、そしてすぐに破顔する。
「天音、やっと見れた……お前の顔」
「……と……ま……っ、ぁ……っぁ……」
初めて見る冬磨がそこにいた。
俺の顔を見られたと喜んで破顔する冬磨。
腰を動かすたびに気持ちよさそうに顔をゆがめる可愛い冬磨。
ときどき熱い吐息を漏らして余裕のなさそうな冬磨。
全部、全部、初めて見る冬磨だった。
ぶわっと感情が爆発した。
泣いたらだめだ……だめだ……。
そう思えば思うほど喉の奥が熱くなって息が詰まり、涙が込み上げてくる。
冬磨への想いがどんどんあふれ出る。
涙はトラウマのせいだと思ってもらえないかな……。
これ……本当に大丈夫かな……。キスマークだけで、本当に乗り切れるのかな……。怖い……。
すると、俺を見つめていた冬磨がハッとした顔をして、だんだんと笑みが消えていく。
腰の動きも止まった。
「天音……」
ドクドクと心臓が暴れ出す。
やっぱりキスマークだけじゃだめだった……?
いまだけだから……いまは気持ちがだだ漏れでも、終わったらちゃんとビッチ天音に戻るから……だから……っ。
あふれた涙が、とうとう目尻からこぼれてしまった。
あ……どうしよう……。
冬磨の反応が怖い。でも目がそらせない。
冬磨は俺の頬に手を添えて涙を拭うと、ゆっくりと顔が近づいてくる。
「と……とぉ……」
冬磨の唇が、俺の目尻にふれて涙を舐めとった。
「ん……、と……ま……」
「天音……」
切なくなるようなささやきと同時に、冬磨の親指が俺の唇を撫でた。
まるでキスをされてるみたいに優しく指が唇を愛撫する。
気持ちいい……。冬磨にキスをされてる気分……。
冬磨への想いがバレたわけじゃないのかな。
冬磨は、俺の気持ちを指摘することもなく、拒絶することもなく、いつまでも俺の涙にキスをして、指で唇を撫で続けた。
「天音……大丈夫か?」
なにが大丈夫かと問われているのかわからない。
涙の原因をトラウマのせいだと思っていての質問かもしれない。
「……うん。大丈夫」
「じゃあ、動くよ?」
「ん……」
再び冬磨が中を優しく出入りする。
「ぁ……っ、ン、……と……ま……っ……」
「……天音……っ」
「あっ……」
一度ズンッと最奥を突き、冬磨は動きを止める。
吐息が耳にかかる。後ろから抱きしめられるときも耳に吐息かかるけれど、前から抱きしめられての吐息はなにかが違う。
顔が見えなくても、後ろと前は全然違う。
前から抱きしめられると、それだけで冬磨の特別になれた気がして幸福感に包まれた。
冬磨がゆっくりと顔を上げて俺を見つめ、少しだけ顔をゆがめて笑った。
「顔が見たいからってわがまま言ったのに……見なかったらだめじゃんな?」
どういう意味だろう。俺の顔を見るのはもう嫌なのかな。
「……別に……無理……して見なくていい。嫌なら後ろから――――」
「違うって。そうじゃねぇよ。天音とは……もうずっと前からがいいわ。でも俺……」
そこで冬磨がふはっと笑った。
「早漏になっちゃうかも」
クスクス笑ってまた動き出す。
「んっ、……ぁっ……」
ずっと前からがいいけど早漏になっちゃうって……どういう意味?
「天音の笑顔でもうずっとバキバキなんだけど……」
と、冬磨が信じられない言葉を発して「な、もういい?」と聞いてくる。
確かにいつもはもっと前戯が長い。
でも、そもそもそんなの必要ないくらいに準備してあるっていつも言ってるのに、冬磨は俺がぐったりするくらい愛撫する。
「今日も前からな?」
「……やだ」
「慣れだって。何度もやれば慣れるだろ? あとで後ろもやってやるから」
と、頬にキスをしながら、冬磨はゴムに手を伸ばす。
今日の『やだ』は半分嘘だ。
俺の目を見た冬磨がどういう反応をするのかという不安が半分、抱かれながら冬磨を見つめることができる喜び半分。
昨夜はドキドキして眠れなかった。
俺を抱いてるときの冬磨をやっと見ることができる。どんな顔をしてるんだろう。冬磨の気持ちいい顔はどんなだろう。イクときの顔は……?
想像するだけで顔に熱が集まってくる。
「入れるよ」
「……うん」
俺はぎゅっと目をつぶる。
最初から開けてたら不自然だ。途中までは閉じていよう。
「……ぁ……っ、ぁ……」
声はもう抑えなくてもいいかな。後ろのときと同じにしよう。
なんて思って素直に声を漏らすと、冬磨の嬉しそうな声が耳に届く。
「うん、いつもの天音の声だ。よかった」
「……ん……っ……」
そんな冬磨の言葉にも、俺は涙腺を刺激されるから困ってしまう。
今日は後ろじゃないから涙は絶対流せない。
頑張れ、俺。耐えろ、俺っ。
「天音、気持ちいか?」
冬磨は極上に優しく中で動きながら、俺の頬をそっと親指で撫でる。
前が気持ちよくない演技はもう必要ないよね。今日からは素直に答えてもいいかな。いいよね。
「……ん、……きもち……いぃ……っ、……ぁぁっ……」
背中がのけぞり、背中に回した手にぎゅっと力がこもる。
「そっか、よかった。目は? 今日も閉じたままか? 開けてくれよ。天音の目が見たい」
俺も……俺も冬磨が見たい。
もういいよね、開けていいよね。
冬磨……俺を切らないで……お願い。
そう願って、俺はゆっくりと目を開いて冬磨を見つめた。
冬磨が驚いたように一瞬目を見開いて、そしてすぐに破顔する。
「天音、やっと見れた……お前の顔」
「……と……ま……っ、ぁ……っぁ……」
初めて見る冬磨がそこにいた。
俺の顔を見られたと喜んで破顔する冬磨。
腰を動かすたびに気持ちよさそうに顔をゆがめる可愛い冬磨。
ときどき熱い吐息を漏らして余裕のなさそうな冬磨。
全部、全部、初めて見る冬磨だった。
ぶわっと感情が爆発した。
泣いたらだめだ……だめだ……。
そう思えば思うほど喉の奥が熱くなって息が詰まり、涙が込み上げてくる。
冬磨への想いがどんどんあふれ出る。
涙はトラウマのせいだと思ってもらえないかな……。
これ……本当に大丈夫かな……。キスマークだけで、本当に乗り切れるのかな……。怖い……。
すると、俺を見つめていた冬磨がハッとした顔をして、だんだんと笑みが消えていく。
腰の動きも止まった。
「天音……」
ドクドクと心臓が暴れ出す。
やっぱりキスマークだけじゃだめだった……?
いまだけだから……いまは気持ちがだだ漏れでも、終わったらちゃんとビッチ天音に戻るから……だから……っ。
あふれた涙が、とうとう目尻からこぼれてしまった。
あ……どうしよう……。
冬磨の反応が怖い。でも目がそらせない。
冬磨は俺の頬に手を添えて涙を拭うと、ゆっくりと顔が近づいてくる。
「と……とぉ……」
冬磨の唇が、俺の目尻にふれて涙を舐めとった。
「ん……、と……ま……」
「天音……」
切なくなるようなささやきと同時に、冬磨の親指が俺の唇を撫でた。
まるでキスをされてるみたいに優しく指が唇を愛撫する。
気持ちいい……。冬磨にキスをされてる気分……。
冬磨への想いがバレたわけじゃないのかな。
冬磨は、俺の気持ちを指摘することもなく、拒絶することもなく、いつまでも俺の涙にキスをして、指で唇を撫で続けた。
「天音……大丈夫か?」
なにが大丈夫かと問われているのかわからない。
涙の原因をトラウマのせいだと思っていての質問かもしれない。
「……うん。大丈夫」
「じゃあ、動くよ?」
「ん……」
再び冬磨が中を優しく出入りする。
「ぁ……っ、ン、……と……ま……っ……」
「……天音……っ」
「あっ……」
一度ズンッと最奥を突き、冬磨は動きを止める。
吐息が耳にかかる。後ろから抱きしめられるときも耳に吐息かかるけれど、前から抱きしめられての吐息はなにかが違う。
顔が見えなくても、後ろと前は全然違う。
前から抱きしめられると、それだけで冬磨の特別になれた気がして幸福感に包まれた。
冬磨がゆっくりと顔を上げて俺を見つめ、少しだけ顔をゆがめて笑った。
「顔が見たいからってわがまま言ったのに……見なかったらだめじゃんな?」
どういう意味だろう。俺の顔を見るのはもう嫌なのかな。
「……別に……無理……して見なくていい。嫌なら後ろから――――」
「違うって。そうじゃねぇよ。天音とは……もうずっと前からがいいわ。でも俺……」
そこで冬磨がふはっと笑った。
「早漏になっちゃうかも」
クスクス笑ってまた動き出す。
「んっ、……ぁっ……」
ずっと前からがいいけど早漏になっちゃうって……どういう意味?
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