【完結】本気だと相手にされないのでビッチを演じることにした

たっこ

文字の大きさ
上 下
9 / 154

9 次ってなんですか? ※

しおりを挟む
卒業パーティの日

俺はシルヴィアをエスコートし、ファーストダンスをした後、パーティ会場の庭でアイリーンと待ち合わせした。

いつもならこんなとこでアイリーンと2人っきりにはならない。
だけど、アイリーンにお願いされて断れなかった。
まぁ俺も心の中でアイリーンの関係はこれで最後にしようと思い、会いに行った。


『ルイス。愛しているわ。』
『ああ、俺もだ。アイリーン。』


そんなだけの言葉を俺はパーティ会場の庭でアイリーンに囁いた。


でもまさかこの場面をシルヴィアが見てたなんて…


俺はその時夢に浸り過ぎて、現実を見てなかった。
____________________

卒業パーティの翌日

ミルトン家から手紙が来ていた。
なんでも話があるって事で、ミルトン家に来て欲しいというお願いの手紙だ。
その手紙は俺だけではなく、俺の両親も来て欲しいと記されていた。

何故両親もと不思議に思いながらも俺達はミルトン家に向かった。


俺と俺の両親がミルトン家に着いたら、シルヴィアに応接室へと案内された。
そこにはアイリーンとアイリーンの両親が居た。


俺は嫌な予感がした。
まさか俺とアイリーンの関係がバレてしまったのだろうか…


全員が応接室に集まった時、シルヴィアが話を切り出した。



俺とアイリーンがパーティ会場の庭で抱き合って愛を囁いてた事をシルヴィアが見たという事。
俺とアイリーンが恋仲だったんじゃないかという噂が前々からあったという事。



俺は驚いた。
やはり俺の勘は的中していた。
そのまさかだったのだ。


そしてシルヴィアは聞き捨てならない事を言った。

『私、シルヴィア・ミルトンはルイス・フィルトンとの婚約を破棄したいと思います。』



俺は動揺してしまった。
俺は無意識にシルヴィアの名を呼び、その理由を問いかけた。

そしてシルヴィアは言ったのだ。
俺がアイリーンの事が好きだから、婚約破棄すると…



どうして吹っ切れたような感じで言うのだろうか?
俺達には約束がある。
『愛し合える家庭を作りたい。』
シルヴィアは俺の事が好きだから、この約束事を持ちかけたのだ。
そんな簡単に好きな人を諦められるのだろうか?
俺はそう思ってた。


しかし現実は違った。
シルヴィアは俺の事を人として好きだったが、恋愛感情はなかったと…


その言葉に俺は酷く動揺した。


(なぜぇ?)




そんな俺はふっと思ってしまった。



何故俺はこんなに動揺してるのだろう?

もしアイリーンが好きなら、すんなり受け入れて婚約破棄すればいいではないか?



そんな事を思ってたら、俺はある答えに辿り着いた。




そう、俺はシルヴィアが好きなのだ。




俺はシルヴィアが好きだから、頼ってくれないシルヴィアに足りないと思ってしまった。
頼られないと俺の存在意義がなくなってしまうと思ったから…

俺はシルヴィアが好きだから、アイリーンと居た時、物足りないと感じたのかもしれない。無意識の内に俺はアイリーンのようにシルヴィアと過ごしたかったと思ったから…

俺はシルヴィアが好きだから、噂の事、つまり俺の事でシルヴィアが悲しんでると聞かれた時は嬉しかった。
なにせシルヴィアが俺に感情がぶつけてきたのだから…



もしかしたら俺は無意識にアイリーンをシルヴィアにすり替えてたのかもしれない。その理由で俺はアイリーンとの関係が長く続いてたと考えれば納得がいく。



だからアイリーンが俺にペンを持たせ、婚約破棄の書類にサインをさせようとした時、俺はアイリーンの手を振り解いた。

そしてこう発言した。

『お、俺は婚約破棄しない!!!』っと



俺はシルヴィアの事が好きだから、婚約破棄をしたくない!
俺にはシルヴィアが必要だから、婚約破棄をしたくない!

そう思いながら俺は言った。

しおりを挟む
◆よろしければ読んでみてください◆

マスターの日常 短編集
冬磨×天音のおまけ♡LINE風会話
感想 171

あなたにおすすめの小説

言い逃げしたら5年後捕まった件について。

なるせ
BL
 「ずっと、好きだよ。」 …長年ずっと一緒にいた幼馴染に告白をした。 もちろん、アイツがオレをそういう目で見てないのは百も承知だし、返事なんて求めてない。 ただ、これからはもう一緒にいないから…想いを伝えるぐらい、許してくれ。  そう思って告白したのが高校三年生の最後の登校日。……あれから5年経ったんだけど…  なんでアイツに馬乗りにされてるわけ!? ーーーーー 美形×平凡っていいですよね、、、、

美人に告白されたがまたいつもの嫌がらせかと思ったので適当にOKした

亜桜黄身
BL
俺の学校では俺に付き合ってほしいと言う罰ゲームが流行ってる。 カースト底辺の卑屈くんがカースト頂点の強気ド美人敬語攻めと付き合う話。 (悪役モブ♀が出てきます) (他サイトに2021年〜掲載済)

【完結】義兄に十年片想いしているけれど、もう諦めます

夏ノ宮萄玄
BL
 オレには、親の再婚によってできた義兄がいる。彼に対しオレが長年抱き続けてきた想いとは。  ――どうしてオレは、この不毛な恋心を捨て去ることができないのだろう。  懊悩する義弟の桧理(かいり)に訪れた終わり。  義兄×義弟。美形で穏やかな社会人義兄と、つい先日まで高校生だった少しマイナス思考の義弟の話。短編小説です。

【完結・BL】俺をフッた初恋相手が、転勤して上司になったんだが?【先輩×後輩】

彩華
BL
『俺、そんな目でお前のこと見れない』 高校一年の冬。俺の初恋は、見事に玉砕した。 その後、俺は見事にDTのまま。あっという間に25になり。何の変化もないまま、ごくごくありふれたサラリーマンになった俺。 そんな俺の前に、運命の悪戯か。再び初恋相手は現れて────!?

気弱なスパダリ御曹司からの溺愛にノンケの僕は落とされました

海野幻創
BL
【イケメン庶民✕引っ込み思案の美貌御曹司】 貞操観念最低のノンケが、気弱でオタクのスパダリに落とされる社会人BLです。 じれじれ風味でコミカル。R18描写は最後のほうです。 9万字前後28話で完結予定。 ↓この作品は下記作品の改稿版です↓ 【その溺愛は伝わりづらい!気弱なスパダリ御曹司にノンケの僕は落とされました】 https://www.alphapolis.co.jp/novel/962473946/33887994 主な改稿点は、コミカル度をあげたことと生田の視点に固定したこと、そしてキャラの受攻です。 その他に新キャラを二人出したこと、エピソードや展開をいじりました。

初心者オメガは執着アルファの腕のなか

深嶋
BL
自分がベータであることを信じて疑わずに生きてきた圭人は、見知らぬアルファに声をかけられたことがきっかけとなり、二次性の再検査をすることに。その結果、自身が本当はオメガであったと知り、愕然とする。 オメガだと判明したことで否応なく変化していく日常に圭人は戸惑い、悩み、葛藤する日々。そんな圭人の前に、「運命の番」を自称するアルファの男が再び現れて……。 オメガとして未成熟な大学生の圭人と、圭人を番にしたい社会人アルファの男が、ゆっくりと愛を深めていきます。 穏やかさに滲む執着愛。望まぬ幸運に恵まれた主人公が、悩みながらも運命の出会いに向き合っていくお話です。本編、攻め編ともに完結済。

【BL】男なのになぜかNo.1ホストに懐かれて困ってます

猫足
BL
「俺としとく? えれちゅー」 「いや、するわけないだろ!」 相川優也(25) 主人公。平凡なサラリーマンだったはずが、女友達に連れていかれた【デビルジャム】というホストクラブでスバルと出会ったのが運の尽き。 碧スバル(21) 指名ナンバーワンの美形ホスト。博愛主義者。優也に懐いてつきまとう。その真意は今のところ……不明。 「僕の方がぜってー綺麗なのに、僕以下の女に金払ってどーすんだよ」 「スバル、お前なにいってんの……?」 冗談? 本気? 二人の結末は? 美形病みホスと平凡サラリーマンの、友情か愛情かよくわからない日常。

完結・オメガバース・虐げられオメガ側妃が敵国に売られたら激甘ボイスのイケメン王から溺愛されました

美咲アリス
BL
虐げられオメガ側妃のシャルルは敵国への貢ぎ物にされた。敵国のアルベルト王は『人間を食べる』という恐ろしい噂があるアルファだ。けれども実際に会ったアルベルト王はものすごいイケメン。しかも「今日からそなたは国宝だ」とシャルルに激甘ボイスで囁いてくる。「もしかして僕は国宝級の『食材』ということ?」シャルルは恐怖に怯えるが、もちろんそれは大きな勘違いで⋯⋯? 虐げられオメガと敵国のイケメン王、ふたりのキュン&ハッピーな異世界恋愛オメガバースです!

処理中です...