上 下
14 / 57

3.ユウスケ 初めての戦い!(2)

しおりを挟む
ユウスケは剣を抜き、フタツノウサギへ剣先を向ける。
目の前にいるのはモンスター、そう思うと鼓動は早まり身体は自然に緊張するユウスケ。

「ユウスケ。さっきも言ったが、奴はすばしっこい。そんなにガチガチに固まってちゃ、奴の素早さにはついていけない。一度深呼吸しろ、肩の力を抜くんだ。」

オルフのアドバイスを聞いて、ユウスケは深く深呼吸をする。
少し肩の力が抜けたようだ。

「よし、それでいいユウスケ。まずはモンスターの動きをよく見るんだ。奴の動きは直線的で予想しやすい。」

フタツノウサギはこちらの様子を伺っている。
ツノをゆらゆらと揺らし、目の前の獲物を狩るために狙いを定めてのだ。
そして、ツノの動きは少しずつ小さくなっていく。
狙いが定まってきたのだろう。

「そろそろくるぞ、ユウスケ。奴が突進してきたらツノに注意して横に飛ぶんだ。」

オルフがそう言った瞬間、フタツノウサギはユウスケに向って突進を繰り出した。
あっという間に距離を縮められユウスケの剣先にフタツノウサギのツノがぶつかる。

「くっ、重い。」

剣が弾かれる。
なんとか身をよじりフタツノウサギの攻撃をかわしたユウスケ。
オルフのアドバイスで避ける準備はしていた。
しかし、あまりのスピードでかわすことはできなかった。

「はぁ、はぁ、はぁ。これが、戦い。」

剣で突進を抑えた両手は痺れている。
まともにあの突進を食らってしまえば、ただでは済まない。
この戦いに互いが命を掛けていることを改めて思い知る。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

けだものだもの~虎になった男の異世界酔夢譚~

ちょろぎ
ファンタジー
神の悪戯か悪魔の慈悲か―― アラフォー×1社畜のサラリーマン、何故か虎男として異世界に転移?する。 何の説明も助けもないまま、手探りで人里へ向かえば、言葉は通じず石を投げられ騎兵にまで追われる有様。 試行錯誤と幾ばくかの幸運の末になんとか人里に迎えられた虎男が、無駄に高い身体能力と、現代日本の無駄知識で、他人を巻き込んだり巻き込まれたりしながら、地盤を作って異世界で生きていく、日常描写多めのそんな物語。 第13章が終了しました。 申し訳ありませんが、第14話を区切りに長期(予定数か月)の休載に入ります。 再開の暁にはまたよろしくお願いいたします。 この作品は小説家になろうさんでも掲載しています。 同名のコミック、HP、曲がありますが、それらとは一切関係はありません。

『収納』は異世界最強です 正直すまんかったと思ってる

農民ヤズ―
ファンタジー
「ようこそおいでくださいました。勇者さま」 そんな言葉から始まった異世界召喚。 呼び出された他の勇者は複数の<スキル>を持っているはずなのに俺は収納スキル一つだけ!? そんなふざけた事になったうえ俺たちを呼び出した国はなんだか色々とヤバそう! このままじゃ俺は殺されてしまう。そうなる前にこの国から逃げ出さないといけない。 勇者なら全員が使える収納スキルのみしか使うことのできない勇者の出来損ないと呼ばれた男が収納スキルで無双して世界を旅する物語(予定 私のメンタルは金魚掬いのポイと同じ脆さなので感想を送っていただける際は語調が強くないと嬉しく思います。 ただそれでも初心者故、度々間違えることがあるとは思いますので感想にて教えていただけるとありがたいです。 他にも今後の進展や投稿済みの箇所でこうしたほうがいいと思われた方がいらっしゃったら感想にて待ってます。 なお、書籍化に伴い内容の齟齬がありますがご了承ください。

異世界転移物語

月夜
ファンタジー
このところ、日本各地で謎の地震が頻発していた。そんなある日、都内の大学に通う僕(田所健太)は、地震が起こったときのために、部屋で非常持出袋を整理していた。すると、突然、めまいに襲われ、次に気づいたときは、深い森の中に迷い込んでいたのだ……

緑の塔とレオナ

岬野葉々
ファンタジー
ヴィーネ=レオナは十四歳。 母が病に倒れたため、二年前から商人の街ルルスに住む伯父一家へと引き取られた。 ヴィーネは、母譲りの美貌と古の七賢者の一人、レオナの力と名を受け継ぐ少女。 しかし、面倒を避けるためルルスに来てからそれらを隠して生活している。 そのため、特に取り柄もない厄介者として、周囲の目は冷たかった。 「母様、心配しないで。わたし、しっかり頑張ります」 各地で起こる原因不明の変異の中、母との約束を胸に、自らの道を切り開いていく女の子のお話。 *2017.10.3に、緑の塔編の本編が完結しました。皆さま、ありがとうございました。

彼女は予想の斜め上を行く

ケポリ星人
ファンタジー
仕事人間な女性医師、結城 慶は自宅で患者のカルテを書いている途中、疲れて寝ってしまう。 彼女が次に目を覚ますと、そこは…… 現代医学の申し子がいきなり剣と魔法の世界に! ゲーム?ファンタジー?なにそれ美味しいの?な彼女は、果たして異世界で無事生き抜くことが出来るのか?! 「Oh……マホーデスカナルホドネ……」 〈筆者より、以下若干のネタバレ注意〉 魔法あり、ドラゴンあり、冒険あり、恋愛あり、妖精あり、頭脳戦あり、シリアスあり、コメディーあり、ほのぼのあり。

拝啓、あなた方が荒らした大地を修復しているのは……僕たちです!

FOX4
ファンタジー
王都は整備局に就職したピートマック・ウィザースプーン(19歳)は、勇者御一行、魔王軍の方々が起こす戦闘で荒れ果てた大地を、上司になじられながらも修復に勤しむ。平地の行き届いた生活を得るために、本日も勤労。

婚約破棄された検品令嬢ですが、冷酷辺境伯の子を身籠りました。 でも本当はお優しい方で毎日幸せです

青空あかな
恋愛
旧題:「荷物検査など誰でもできる」と婚約破棄された検品令嬢ですが、極悪非道な辺境伯の子を身籠りました。でも本当はお優しい方で毎日心が癒されています チェック男爵家長女のキュリティは、貴重な闇魔法の解呪師として王宮で荷物検査の仕事をしていた。 しかし、ある日突然婚約破棄されてしまう。 婚約者である伯爵家嫡男から、キュリティの義妹が好きになったと言われたのだ。 さらには、婚約者の権力によって検査係の仕事まで義妹に奪われる。 失意の中、キュリティは辺境へ向かうと、極悪非道と噂される辺境伯が魔法実験を行っていた。 目立たず通り過ぎようとしたが、魔法事故が起きて辺境伯の子を身ごもってしまう。 二人は形式上の夫婦となるが、辺境伯は存外優しい人でキュリティは温かい日々に心を癒されていく。 一方、義妹は仕事でミスばかり。 闇魔法を解呪することはおろか見破ることさえできない。 挙句の果てには、闇魔法に呪われた荷物を王宮内に入れてしまう――。 ※おかげさまでHOTランキング1位になりました! ありがとうございます! ※ノベマ!様で短編版を掲載中でございます。

辺境領主は大貴族に成り上がる! チート知識でのびのび領地経営します

潮ノ海月@書籍発売中
ファンタジー
旧題:転生貴族の領地経営~チート知識を活用して、辺境領主は成り上がる! トールデント帝国と国境を接していたフレンハイム子爵領の領主バルトハイドは、突如、侵攻を開始した帝国軍から領地を守るためにルッセン砦で迎撃に向かうが、守り切れず戦死してしまう。 領主バルトハイドが戦争で死亡した事で、唯一の後継者であったアクスが跡目を継ぐことになってしまう。 アクスの前世は日本人であり、争いごとが極端に苦手であったが、領民を守るために立ち上がることを決意する。 だが、兵士の証言からしてラッセル砦を陥落させた帝国軍の数は10倍以上であることが明らかになってしまう 完全に手詰まりの中で、アクスは日本人として暮らしてきた知識を活用し、さらには領都から避難してきた獣人や亜人を仲間に引き入れ秘策を練る。 果たしてアクスは帝国軍に勝利できるのか!? これは転生貴族アクスが領地経営に奮闘し、大貴族へ成りあがる物語。

処理中です...