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4.神養成専門学校、通称カミセン

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警察が来て実況見分が始まっていた。
事故に巻き込まれたのは自分以外に2人いたが、2人とも軽傷で済んだようだった。
運転手も軽傷で済んでいた。
あの事故で自分は死んだ。
自分が一番ひどい目に遭った。
なぜ、自分が。
そんなことを考えてしまうと、世の中の理不尽を正したい、そんな気持ちで胸が一杯になった。

一時間が経過すると再びMr.クロウが姿を現した。
「さぁ、時間だ。真一くん、君の答えを聞かせてもらおうか」

事故現場に両親が現れ、泣き崩れていた。
救急車が向かった方向から来たことをかんがえると、おそらく病院から来たのだろう。
やはり、俺は即死だったようだ。
理不尽だ、こんな世界。

Mr.クロウに告げる。
「俺、神を目指すよ。こんなクソみたいな世界、変えて見せる」

「そうか、その言葉を待っていたよ。これから君には神になるための試練をうけてもらうため、養成学校に入学してもらう。神養成専門学校、通称カミセンへ。歓迎するよ神野真一くん」

Mr.クロウがパチンと指を鳴らすと、真一は黒いマントに包まれた姿となった。

「さぁ、案内しよう。これから君の学び舎となるカミセンへ」

ふわりとMr.クロウは浮き始める。

「身体が浮くイメージをするんだ。そうすれば君も飛べる」

真一は浮かぶイメージをする。
身体がふわりと浮かび始めた。

「本当だ、身体が浮いた。これなら飛べる」

「それでは私について飛んできたまえ」

Mr.クロウが空に向かって飛んで行く。
横では崩れている両親の姿が見える。
こんな理不尽な世界を変えてやる。
そう強く決心して、真一は仮面の男を追って空を飛んでいくのだった。

Mr.クロウが振り向き、こちらを見る。
「きちんと飛べているね。中々筋がいい。」
「ありがとう」

褒められることに慣れていない真一にとって、不気味なカラスの仮面の姿をした男とはいえ、自分を褒めてくれたことに対して嬉しく感じた。

上昇し続け、やがて雲の中を突き進んでいく。
「この雲を抜けた先が目的地のカミセンだ」

雲を突き抜けたその先に、空中に浮く大きな建物が現れた。
校舎というよりは、要塞のようにも見える。
こんなものが、今まで一切ニュースになったり、衛星画像などで捉えられなかったのが不思議だ。

「すげぇ、あんなでかい建物が空を浮いている。」
「どうだい、すごいだろう。あれが神養成専門学校、カミセンだ」

「あんなでかい建物がなんで話題になることがないんだ」
「特殊な素材でできていてね、君たち人間の技術力では捉えることはできないんだ。さぁ、まずは入学手続きだ。」

そう言って建物の入り口へと向かうMr.クロウ、そして真一は仮面の男についていくのだった。
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