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1.婚約破棄系王子は最弱の盾
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「偽聖女オデット! ここでお前の悪業の全てをあきらかにし、私がお前と結んだ婚約を破棄する!」
「……」
びしっと指を突き付けられて、私ははっと息を呑み込んだ。
風の通らない、やけに蒸し暑い空気が滞留している今宵の大広間。しかし、王子の宣言のせいで無言のどよめきが広がり、淀んだ空気が掻き回されて、四囲の燭火がちらちらと身を震わせた。
驚きだ。
ひしめいていた人々は一斉に口を噤み、睫毛を伏せて顔を隠し、あるいは扇の陰からこっそりと視線を送ってくる。
皆、必死に表情を押し隠し、取り繕っているように見えるけれど、
(……そりゃあ、驚くわよね)
第一王子様がご乱心だ。
私の婚約者、といっても昔からの付き合いというわけではなくて、たった二ヶ月前に婚約を結んだばかりの関係だけれど。その頃の彼は少々世間知らずで頼りない王子様ではあっても、決して暗愚というわけではなかった。それどころかかなり真面目な人で、懐に入った者に対してはきちんと守ってくれる姿勢を見せていたのだ。
それが、
(この二ヶ月のあいだに、何があったの)
何が……直接の原因を見つけるならば、彼の腕にまとわりついている妖艶な女性だろう。大きく胸元を割ったドレスから露出した胸を、見せつけるように王子の腕に押し付けている。見るからに分かりやすく、こってりとした過剰すぎる色気。
公式の場に相応しい、とはとても言えない。
自然と私の目も、浮かんでくる侮蔑の色を隠せなくてついつい細くなってしまう。
つまり、この状況は「王子が娼婦のような女に骨抜きにされた」「女の傀儡として愚かなことをしでかした」ということで納得がいく……はず?
(いやいや)
納得なんていくはずがない。
(あの女性……どこかで見たことがあったわよね?)
私の記憶力を舐めないでもらいたい。
あの女性を用意して、王子を籠絡させたのがどこの誰なのか。はっきりとは言い切れないけれど、十中八九あの男の差し金だろう。
「……どうした! あまりの驚きに声も出ないようだな」
朗々と、勝ち誇った声が響き渡る。
そうですね、あまりに茶番で。
私は溜め息を押し殺した。
「……婚約破棄、承りました。詳細については後ほど日を改めてお伺いします。今は退出してもよろしいですか?」
「何を言っている! 人前で自分の悪業を明かされる恐怖に臆したか?」
「いえ、早急に対処しなければならないことが出来てしまいまして。本当に時間がありませんの」
口早に言い切ると、くるりと踵を返し、急ぎ足で出口に向かって歩み出す。
背後で叫んでいる王子に付き合ってなどいられない。衆目が無ければ、扉に向かって駆け出したいぐらいだ。何よりもまず、身の安全を確保しなければ。
このままでは、あの男が来てしまう。
(私に近付けさせないよう、周りに厳命しておいたけれど。いつまでもあいつを堰き止められるはずがないものね)
これでも私は、ただの聖女ではない。「聖女王」とかいう訳の分からない称号で呼ばれる大聖女だ。聖域の守護者であり、建前上の身分は各国王を凌駕する。……と言われている。
だから、単なる大公国の公子に過ぎないあの男を恐れる必要などない。
ないのだけれど。
「おやおや」
広間を埋め尽くしていた人々が、波が割れるように左右に引いた。
前のめりに歩いていた私は、現れた男にぶつかる前に足を止めた。反射的に顎を跳ね上げて、相手を強く睨みつける。私の視線を受けて、男は愉快そうに目尻を下げて笑った。
それどころか、私を受け止めようとでもいうのか、両腕を大きく広げて歓迎の意を示してみせた。
「そんなに慌てて、どこに行こうと? まあ、どこでもいいんだが。俺もぜひ、愛しの君に付き添わせてもらいたいものだな」
「……」
「いいね、今日もその憎々しげな目付き! 聖女様にきつい目で見られるのは癖になるな」
妙な性癖を育てないでもらいたい。
……とは言わず、私はさらに冷たい目線を彼に浴びせた。
(勝手に性癖開花でもなんでもしているといいわ)
私は睨みたいように睨むだけだ。
「……そこを通して下さい」
低い声で言うと、彼の笑みがさらに深くなった。
「なぜ?」
「私が通りたいからです」
「で、俺が素直に聖女様を通すと?」
「……」
会話が面倒くさい。彼が私とのやり取りを楽しんでいるらしいのは伝わるが。
私はくるりと向きを変えて、対面にある奥扉に向かって歩き始めた。何も出口がひとつというわけではない。途中で彼の配下に押し留められる可能性もあるが、彼本人を相手にしているよりはずっとましだ。
「ああ、ちょっと待った! 気分を害したなら謝る、悪かったから待ってくれ。帰るにはまだ早いだろう?」
「……貴方の言葉がいちいち芝居がかっていて不愉快です。演技したいなら歌劇場にでも行け。行って雇われろ。それに、これ以上ここに留まってもろくなことにならないのは目に見えています。私は帰ります」
「いや、ここからが楽しいところだろう? 婚約破棄するろくでもない王子、そこに颯爽と登場する新たな求婚者! これから大勢の前で俺がひざまずいて求婚するんだ。冷静に考えると恥以外の何でもないが精一杯努めるから待ってくれ」
「ろくでもない口でろくでもない内容を口走るのはやめて下さい、これ以上ろくでもない相手と関わっていたくありません」
弾丸のように早口の言葉を投げ合いながら、早足で歩み去ろうとする私。その後ろにぴったりとついてくる男。
本当にろくでもない。
奥扉の前に、武装した黒衣の兵士たちがひしめいているのを見て、私は顔を歪めた。足を止め、苛立った視線を背後の彼に投げ掛ける。
「兵を引きなさい。この場に大公国の兵を集めるなどと、戦でも引き起こすつもりですか」
「まさか。我が麗しの姫君は何もご心配なさらず。条約上の手続きに則った安全な権力行使ですよ」
誰がお前の姫君だ誰が。
と思ったけれど、私は口を閉ざした。
「誰がお前の姫君だ誰が」
……はずなのだが、気が付いたら言葉が滑り出ていた。
どうにも駄目だ。私は普段から聖女王らしい気品と節制とやらを心がけているのだけれど、この男相手には被った猫が弾けて憎まれ口がそのまま外に出てしまう。
私が普段から口が悪いというわけではなくて、この男限定で起きる現象だ。一応、私の名誉のために言っておきたいのだけれど、彼と出会ったばかりの頃はこんな風ではなかった。私はきちんと礼儀正しく対応していた。それはもう誓ってもいい。なのに、この男ときたら、どこまでもひたすら私の気を逆撫でしてばかりで──
私の地を這うような低音ボイスにも頓着せず、男はにっこりと微笑んだ。
「ツンツンしている聖女様も最高だな。まだるっこしいことは全部抜きにして、このまま俺と駆け落ちしないか? 世界を捨てて地の果てで二人きり、っていうのもなかなかいいんじゃないかと思うんだが」
「本当によく滑って回る口ね。私はうんざりしているけれど、貴方が飽きないのが不思議だわ」
「飽きないね。次はどんな手を使って、姫君が俺を阻止しようとするのか、いつも楽しみでならない」
そう言いながら、男は細めた目を光らせて笑った。
片目だけだ。彼の右目は閉ざされていて、私ですら開いているところを一度しか見たことがない。
傷があるわけでも、眼帯で覆われているわけでもなく、ただ固く閉じられている眼蓋。
片目ゆえに引き摺られるのか、顔の左右のバランスがどこか崩れていて、笑うときにも片方の唇の端が僅かに引き攣る。どちらかといえば整った顔立ちだと思うのだけれど、妙にいびつな雰囲気を感じるのはそのせいだろう。
くすんだ金色の髪。年齢の割に老けた手。「本当は美形のはずなのに」「本当は王道の貴公子のはずなのに」そのパーツ一つ一つが歪んで組み上げられ、「油断ならない灰色狼のようだ」と言われる冷たい笑みに凝って結実している。
そう、彼はよく笑うけれど、目の奥が笑っていないのだ。全く。
「貴方を楽しませようと思ってやっているわけではないのですけれど」
「そりゃそうだろう。だったら俺の前に、盾としてあんなどうしようもない王子様を差し出してなんか来ないだろう。一捻りどころか、半捻りぐらいで落ちたぞ? 落ちた結果がこのザマだ。弱すぎる。そもそも婚約破棄系王子とか、世の中の悪役の中でも最弱レベルの小物だろうに」
「貴方が何を言っているのか、私には二割ほどしか理解できませんが」
「二割なら十分過ぎる。結婚しよう」
「とりあえず何にでも『結婚しよう』って付け加えるの、やめてくれます? 浅いにも程があります」
扉の前で、声をひそめてやり合う。
大声で罵り合ったりしないのは、この大広間に大量の人が押し合い、ひしめき合っているのを意識しているからだが、この場にいる者の視線は全て私たちに釘付けだし、全身を耳にして私たちのやり取りを聴いているしで、どうしようもなく状況は筒抜けになっている。
これで、周囲にも解ってしまっただろうか。
隣国の王子、騎士団長、次期宰相、最強の騎士、そして今回の第一王子。
他にも多数。死屍累々。
私が次々と婚約者を立て、そのたびに潰されてきたこと。
それを嬉々として実行し手を下してきたのが、目の前のこの男だということを。
「……」
びしっと指を突き付けられて、私ははっと息を呑み込んだ。
風の通らない、やけに蒸し暑い空気が滞留している今宵の大広間。しかし、王子の宣言のせいで無言のどよめきが広がり、淀んだ空気が掻き回されて、四囲の燭火がちらちらと身を震わせた。
驚きだ。
ひしめいていた人々は一斉に口を噤み、睫毛を伏せて顔を隠し、あるいは扇の陰からこっそりと視線を送ってくる。
皆、必死に表情を押し隠し、取り繕っているように見えるけれど、
(……そりゃあ、驚くわよね)
第一王子様がご乱心だ。
私の婚約者、といっても昔からの付き合いというわけではなくて、たった二ヶ月前に婚約を結んだばかりの関係だけれど。その頃の彼は少々世間知らずで頼りない王子様ではあっても、決して暗愚というわけではなかった。それどころかかなり真面目な人で、懐に入った者に対してはきちんと守ってくれる姿勢を見せていたのだ。
それが、
(この二ヶ月のあいだに、何があったの)
何が……直接の原因を見つけるならば、彼の腕にまとわりついている妖艶な女性だろう。大きく胸元を割ったドレスから露出した胸を、見せつけるように王子の腕に押し付けている。見るからに分かりやすく、こってりとした過剰すぎる色気。
公式の場に相応しい、とはとても言えない。
自然と私の目も、浮かんでくる侮蔑の色を隠せなくてついつい細くなってしまう。
つまり、この状況は「王子が娼婦のような女に骨抜きにされた」「女の傀儡として愚かなことをしでかした」ということで納得がいく……はず?
(いやいや)
納得なんていくはずがない。
(あの女性……どこかで見たことがあったわよね?)
私の記憶力を舐めないでもらいたい。
あの女性を用意して、王子を籠絡させたのがどこの誰なのか。はっきりとは言い切れないけれど、十中八九あの男の差し金だろう。
「……どうした! あまりの驚きに声も出ないようだな」
朗々と、勝ち誇った声が響き渡る。
そうですね、あまりに茶番で。
私は溜め息を押し殺した。
「……婚約破棄、承りました。詳細については後ほど日を改めてお伺いします。今は退出してもよろしいですか?」
「何を言っている! 人前で自分の悪業を明かされる恐怖に臆したか?」
「いえ、早急に対処しなければならないことが出来てしまいまして。本当に時間がありませんの」
口早に言い切ると、くるりと踵を返し、急ぎ足で出口に向かって歩み出す。
背後で叫んでいる王子に付き合ってなどいられない。衆目が無ければ、扉に向かって駆け出したいぐらいだ。何よりもまず、身の安全を確保しなければ。
このままでは、あの男が来てしまう。
(私に近付けさせないよう、周りに厳命しておいたけれど。いつまでもあいつを堰き止められるはずがないものね)
これでも私は、ただの聖女ではない。「聖女王」とかいう訳の分からない称号で呼ばれる大聖女だ。聖域の守護者であり、建前上の身分は各国王を凌駕する。……と言われている。
だから、単なる大公国の公子に過ぎないあの男を恐れる必要などない。
ないのだけれど。
「おやおや」
広間を埋め尽くしていた人々が、波が割れるように左右に引いた。
前のめりに歩いていた私は、現れた男にぶつかる前に足を止めた。反射的に顎を跳ね上げて、相手を強く睨みつける。私の視線を受けて、男は愉快そうに目尻を下げて笑った。
それどころか、私を受け止めようとでもいうのか、両腕を大きく広げて歓迎の意を示してみせた。
「そんなに慌てて、どこに行こうと? まあ、どこでもいいんだが。俺もぜひ、愛しの君に付き添わせてもらいたいものだな」
「……」
「いいね、今日もその憎々しげな目付き! 聖女様にきつい目で見られるのは癖になるな」
妙な性癖を育てないでもらいたい。
……とは言わず、私はさらに冷たい目線を彼に浴びせた。
(勝手に性癖開花でもなんでもしているといいわ)
私は睨みたいように睨むだけだ。
「……そこを通して下さい」
低い声で言うと、彼の笑みがさらに深くなった。
「なぜ?」
「私が通りたいからです」
「で、俺が素直に聖女様を通すと?」
「……」
会話が面倒くさい。彼が私とのやり取りを楽しんでいるらしいのは伝わるが。
私はくるりと向きを変えて、対面にある奥扉に向かって歩き始めた。何も出口がひとつというわけではない。途中で彼の配下に押し留められる可能性もあるが、彼本人を相手にしているよりはずっとましだ。
「ああ、ちょっと待った! 気分を害したなら謝る、悪かったから待ってくれ。帰るにはまだ早いだろう?」
「……貴方の言葉がいちいち芝居がかっていて不愉快です。演技したいなら歌劇場にでも行け。行って雇われろ。それに、これ以上ここに留まってもろくなことにならないのは目に見えています。私は帰ります」
「いや、ここからが楽しいところだろう? 婚約破棄するろくでもない王子、そこに颯爽と登場する新たな求婚者! これから大勢の前で俺がひざまずいて求婚するんだ。冷静に考えると恥以外の何でもないが精一杯努めるから待ってくれ」
「ろくでもない口でろくでもない内容を口走るのはやめて下さい、これ以上ろくでもない相手と関わっていたくありません」
弾丸のように早口の言葉を投げ合いながら、早足で歩み去ろうとする私。その後ろにぴったりとついてくる男。
本当にろくでもない。
奥扉の前に、武装した黒衣の兵士たちがひしめいているのを見て、私は顔を歪めた。足を止め、苛立った視線を背後の彼に投げ掛ける。
「兵を引きなさい。この場に大公国の兵を集めるなどと、戦でも引き起こすつもりですか」
「まさか。我が麗しの姫君は何もご心配なさらず。条約上の手続きに則った安全な権力行使ですよ」
誰がお前の姫君だ誰が。
と思ったけれど、私は口を閉ざした。
「誰がお前の姫君だ誰が」
……はずなのだが、気が付いたら言葉が滑り出ていた。
どうにも駄目だ。私は普段から聖女王らしい気品と節制とやらを心がけているのだけれど、この男相手には被った猫が弾けて憎まれ口がそのまま外に出てしまう。
私が普段から口が悪いというわけではなくて、この男限定で起きる現象だ。一応、私の名誉のために言っておきたいのだけれど、彼と出会ったばかりの頃はこんな風ではなかった。私はきちんと礼儀正しく対応していた。それはもう誓ってもいい。なのに、この男ときたら、どこまでもひたすら私の気を逆撫でしてばかりで──
私の地を這うような低音ボイスにも頓着せず、男はにっこりと微笑んだ。
「ツンツンしている聖女様も最高だな。まだるっこしいことは全部抜きにして、このまま俺と駆け落ちしないか? 世界を捨てて地の果てで二人きり、っていうのもなかなかいいんじゃないかと思うんだが」
「本当によく滑って回る口ね。私はうんざりしているけれど、貴方が飽きないのが不思議だわ」
「飽きないね。次はどんな手を使って、姫君が俺を阻止しようとするのか、いつも楽しみでならない」
そう言いながら、男は細めた目を光らせて笑った。
片目だけだ。彼の右目は閉ざされていて、私ですら開いているところを一度しか見たことがない。
傷があるわけでも、眼帯で覆われているわけでもなく、ただ固く閉じられている眼蓋。
片目ゆえに引き摺られるのか、顔の左右のバランスがどこか崩れていて、笑うときにも片方の唇の端が僅かに引き攣る。どちらかといえば整った顔立ちだと思うのだけれど、妙にいびつな雰囲気を感じるのはそのせいだろう。
くすんだ金色の髪。年齢の割に老けた手。「本当は美形のはずなのに」「本当は王道の貴公子のはずなのに」そのパーツ一つ一つが歪んで組み上げられ、「油断ならない灰色狼のようだ」と言われる冷たい笑みに凝って結実している。
そう、彼はよく笑うけれど、目の奥が笑っていないのだ。全く。
「貴方を楽しませようと思ってやっているわけではないのですけれど」
「そりゃそうだろう。だったら俺の前に、盾としてあんなどうしようもない王子様を差し出してなんか来ないだろう。一捻りどころか、半捻りぐらいで落ちたぞ? 落ちた結果がこのザマだ。弱すぎる。そもそも婚約破棄系王子とか、世の中の悪役の中でも最弱レベルの小物だろうに」
「貴方が何を言っているのか、私には二割ほどしか理解できませんが」
「二割なら十分過ぎる。結婚しよう」
「とりあえず何にでも『結婚しよう』って付け加えるの、やめてくれます? 浅いにも程があります」
扉の前で、声をひそめてやり合う。
大声で罵り合ったりしないのは、この大広間に大量の人が押し合い、ひしめき合っているのを意識しているからだが、この場にいる者の視線は全て私たちに釘付けだし、全身を耳にして私たちのやり取りを聴いているしで、どうしようもなく状況は筒抜けになっている。
これで、周囲にも解ってしまっただろうか。
隣国の王子、騎士団長、次期宰相、最強の騎士、そして今回の第一王子。
他にも多数。死屍累々。
私が次々と婚約者を立て、そのたびに潰されてきたこと。
それを嬉々として実行し手を下してきたのが、目の前のこの男だということを。
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