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7.魔王城のアフタヌーンティー
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灰色の空が頭上に広がっていた。
(風が気持ちいいなあ)
長い髪を揺らして、すうっと風が吹き抜けていく。
魔界を遠く見晴らす場所に在って、私は薄く目を細めた。
魔界の風が気持ち良く感じるなんて、自分でも意外だ。人間界の、爽やかな緑の匂いや、生き物の気配がする風とは全然違う。見渡す限りの荒漠とした大地は湿り気もなく乾いていて、どこにも海なんて見えないのに、大気には潮風のような塩気が含まれている。ぴりぴりと皮膚を刺激する瘴気と相まって、じっとしていたらそのうち身体から有毒植物でも生えてきそうな空気だなと思う。
(でも、だからこそお兄様の美しさが際立つというか!)
テーブルを隔てて、向かいに腰掛けているお兄様を見つめた。陰鬱な曇り空を背景に、美しく整えられたお茶の卓、そして非現実的なぐらい繊細な美貌のお兄様。お前に見せる感情など無い、と言わんばかりの完全な無表情。
暗がりで輝く結晶みたいだ。今すぐ絵師様をここに! と叫びたいけれど叫べない。ならば心のアルバムに焼き付けておくしかない。
「……」
私が熱心に見つめ過ぎたせいか、お兄様の眉間の皺が深さを増した。
凍り付きそうな紫の瞳がギロリと私を睨む。以前なら怯えて竦んでいたところだけれど、今の私はにこにことお兄様を見返した。
だって、私が嬉しそうにお兄様を見ているだけで、何かのカウントダウンみたいな速度で、お兄様の好感度が1、2、3……と上がり続けているのです!
…………すごくチョロい。そして愛おしい。
「……何も媚びる必要などない。そんなもので私が心動かされることはない。無駄な事柄に気を割くな」
「はい! お兄様」
「……」
新種のモンスターを見つけてしまったかのような目つきで私を見た後、お兄様は視線を逸らした。
「……人は飲み食いせねば生きていけぬのだろう。好きに食え」
「はい、お兄様!」
私は喜々として卓上に手を伸ばした。
まさか、こうして屋外に連れて来られるとは思わなかった。屋外というか、主塔の屋上なのだけれど。俗に言う「空中庭園」というやつだ、多分。
平らな石屋根の上は家が何軒も建ちそうなぐらいに広々としていて、翼棟や見張り塔に四方を囲まれている。足元にはもこもこと生い茂る草。黒い葉を茂らせた灌木。多分有毒花だと思う、黒や紫の花も咲いている。
その中に、白いテーブルクロスを敷いたお茶の席が整えられているという状況。
(お兄様、お茶が好きなの?)
用意されているのは紅茶だ。硝子の台の上には粉砂糖を振り掛けた焼き菓子。胡椒の効いた肉と葉っぱを挟んで小さく切られたサンドウィッチ。チョコレートクリームの間から赤黒い果実が覗くケーキ。
お茶会だ。
「美味しい!」
この状況だけでも美味しいのに、食べ物も飲み物も全部美味しい。
「魔界の生き物は魔素を主食にしてると思ってたんですけど。こんなに美味しいものが存在してるんですね」
素朴な疑問を口に上せてしまった。
お兄様は黙り込み、少し間を置いてぽつりと言った。
「……魔界に人の食物などあるものか。私が一から導入した。耕作地を作り、魔素に耐えうる作物を用意し、ようやく数年前から輸入に頼らず供給できるようになった」
「お兄様が? それはすごいです」
「すごい? 下らん物狂いだと思われている。魔王らしからぬ習癖の持ち主だとな。だが、魔王が尊ぶべき倫理の模範などではないのは周知のことだ。周囲に何と言われようと痛痒を感じん」
お兄様はぽつぽつと、ゆっくりと話す。少し古風な言い回しと喋り方は、代々の魔王から引き継ぎでもしたのだろうか。
「私は人間の胎から生まれた。人は愚かで弱きものだと思っていた。その考えは今でも変わらん。人の形を取って、ますますその確信は深くなった」
「……」
「胎児の頃から、私には完全な自我と意識があった。母の体外に意識を飛ばし、人間の世界を観察して回った。予想以上に人は弱く、短命で、死への恐怖に衝き動かされているように見えた」
(……お兄様が大事な話をしている)
私は手にしたフォークを空中で止めた。
そのままの体勢で、じっとお兄様を見つめて、耳を澄ませる。あのお兄様が、内心と表面の振る舞いが全く一致してないお兄様が、はっきりと自分の内面を語ろうとしている。
聴かなきゃ。
お兄様の一挙一動を見逃さないように息をひそめ、耳をそばだてて聞き入った。
「脆さ、弱さに対する恐怖。死への恐怖。恐怖を紛らわすために他人を貶め、少しでも優位に立って心を慰めようとする。そんなものばかりだった。人であることは思った以上の地獄だ。何という惨めな生き物かと、私は人を憐れんだ。だが」
お兄様は語った。
その中に、なぜか幸福な者たちが点在していたのだという。それは大抵、小さな輪で、大した力も持たない人々の集まりだった。弱い者がひっそりと、身を寄せ合うように頼り合って暮らしている場所も多かった。
「我々の母からしてもそうだ。人の基準からして、ユグノス家は弱き者とは言えないが、私を宿しているときの母は確かに弱体化していた。だが、その母を中心に、家族や親族どもが夜毎暖炉の傍に座って語らい、労り合うとき、彼らは確かに幸福だった。幸福とは、魔族には存在しない概念であり感覚だ。人の殻を得たとはいえ、私にもまた理解ができなかった。定義づけることができず、ただその場に在ることでのみ感覚として感じられた。以来、考え続けている」
「……」
「弱き者がなぜ、幸福でいられる? 幸福とは何だ? 弱き者だけが理解できるものだとすれば、その殻を被り続ければいずれ、私にも理解できるのだろうか、と」
「……お兄様」
私は、ごくりと唾を呑み込んだ。
この人は。
確かに人に毒されている。
女神様のもくろみは当たっていたのだ。人として生まれ直すことで、確かにお兄様は純粋な魔ではあり得ない考え方をするようになった。
でも、やっぱりお兄様はどこまでも魔族なのだ。人の世界の外側から見て、外側から考えている。だからきっと、結局は理解できないまま、人の世界を滅ぼしてしまったのだろう。
女神様の力で巻き戻ったとはいえ、このままでは同じ結果になる。
(でも、今回は私がいるから)
お兄様は弱き者である私を傍に置いている。しかも心動かされている。それは多分、今後の物事の流れを変えていくだろう。
私は宙に止めていた手を下ろし、フォークを皿の上に置いた。
「お兄様。私は魔族からすればとても弱い存在ですけれど、お兄様と一緒にいて幸せです。お兄様はわざわざ人の姿を取らなくても、私を見ていればいずれ、人というものが理解できるはずです」
「……」
「私をここに置いて下さい。できれば一生」
「……………」
眉根を寄せて、お兄様が私を見た。
険しい表情だけれど、私は怖くない。にっこりと微笑むと、お兄様の顔が歪むのが見えた。
「お兄様」
「理解ができん。どのみち、私が本来の姿を発現すれば、人であるお前は恐れ慄いて逃げ出すはずだ。人の生存本能がそのように出来ている」
「逃げません。私はお兄様が怖くありません」
私には自信があった。
兄妹ものの鉄板である。
異形化するお兄様、どんな姿であれ兄を受け入れる妹。数百回は反芻したシチュエーションだ。お兄様が巨大な目玉しかない異形に変身しようと、数十本の触手を伸ばそうと問題ない。これでも私は、女神様に認められし筋金入りの兄妹萌えオタクなのだ!!!
(ふっふっふ)
逆に楽しみでならない。
怪しい笑いを漏らしてお兄様にドン引かれないよう、崩れそうな顔を必死に抑え込むのを頑張る。
(もっとも、お兄様は大して異様な姿にはならないと思うけれど)
セージャスと戦っていたときの状況から察するに、お兄様は基本的には人型に近い。触手も無さそうだ。
そんなことを思いながら、聖母のような微笑みをお兄様に向けた。お兄様好き好き! の想いを全力で込める。
「……」
お兄様は冷ややかに目を細め、
「ふ。いざとなれば、泣き叫びながら許しを乞うお前を見るのも一興か」
いかにも魔王様! という台詞を吐いた。
相変わらず鉄壁の塩対応ですねお兄様!
けれど、その言動を裏切るように、頭上にあるオレンジ色の線が勢いよくピーッと伸びていく。キュイン! と乙女ゲームにでもありそうな音がして、その色が赤く染まった。
(色が変わった?!)
魔王アイゼイア・リシツィニアン・ユグノス
状態:メロメロ
好感度 7889/9999
(……わあ)
メロメロ。
……この好感度測定、女神様の設定によるものだったりするのだろうか。
(メロメロって……)
陰鬱な表情を崩さないままで、お兄様がゆっくりと紅茶を口にした。伏せた睫毛が被さる瞳は冷たく、氷の結晶のようで、生きているものの熱さえ感じられない。
その頭上に燦然と輝く「メロメロ」の表示。
シュールだ。
(風が気持ちいいなあ)
長い髪を揺らして、すうっと風が吹き抜けていく。
魔界を遠く見晴らす場所に在って、私は薄く目を細めた。
魔界の風が気持ち良く感じるなんて、自分でも意外だ。人間界の、爽やかな緑の匂いや、生き物の気配がする風とは全然違う。見渡す限りの荒漠とした大地は湿り気もなく乾いていて、どこにも海なんて見えないのに、大気には潮風のような塩気が含まれている。ぴりぴりと皮膚を刺激する瘴気と相まって、じっとしていたらそのうち身体から有毒植物でも生えてきそうな空気だなと思う。
(でも、だからこそお兄様の美しさが際立つというか!)
テーブルを隔てて、向かいに腰掛けているお兄様を見つめた。陰鬱な曇り空を背景に、美しく整えられたお茶の卓、そして非現実的なぐらい繊細な美貌のお兄様。お前に見せる感情など無い、と言わんばかりの完全な無表情。
暗がりで輝く結晶みたいだ。今すぐ絵師様をここに! と叫びたいけれど叫べない。ならば心のアルバムに焼き付けておくしかない。
「……」
私が熱心に見つめ過ぎたせいか、お兄様の眉間の皺が深さを増した。
凍り付きそうな紫の瞳がギロリと私を睨む。以前なら怯えて竦んでいたところだけれど、今の私はにこにことお兄様を見返した。
だって、私が嬉しそうにお兄様を見ているだけで、何かのカウントダウンみたいな速度で、お兄様の好感度が1、2、3……と上がり続けているのです!
…………すごくチョロい。そして愛おしい。
「……何も媚びる必要などない。そんなもので私が心動かされることはない。無駄な事柄に気を割くな」
「はい! お兄様」
「……」
新種のモンスターを見つけてしまったかのような目つきで私を見た後、お兄様は視線を逸らした。
「……人は飲み食いせねば生きていけぬのだろう。好きに食え」
「はい、お兄様!」
私は喜々として卓上に手を伸ばした。
まさか、こうして屋外に連れて来られるとは思わなかった。屋外というか、主塔の屋上なのだけれど。俗に言う「空中庭園」というやつだ、多分。
平らな石屋根の上は家が何軒も建ちそうなぐらいに広々としていて、翼棟や見張り塔に四方を囲まれている。足元にはもこもこと生い茂る草。黒い葉を茂らせた灌木。多分有毒花だと思う、黒や紫の花も咲いている。
その中に、白いテーブルクロスを敷いたお茶の席が整えられているという状況。
(お兄様、お茶が好きなの?)
用意されているのは紅茶だ。硝子の台の上には粉砂糖を振り掛けた焼き菓子。胡椒の効いた肉と葉っぱを挟んで小さく切られたサンドウィッチ。チョコレートクリームの間から赤黒い果実が覗くケーキ。
お茶会だ。
「美味しい!」
この状況だけでも美味しいのに、食べ物も飲み物も全部美味しい。
「魔界の生き物は魔素を主食にしてると思ってたんですけど。こんなに美味しいものが存在してるんですね」
素朴な疑問を口に上せてしまった。
お兄様は黙り込み、少し間を置いてぽつりと言った。
「……魔界に人の食物などあるものか。私が一から導入した。耕作地を作り、魔素に耐えうる作物を用意し、ようやく数年前から輸入に頼らず供給できるようになった」
「お兄様が? それはすごいです」
「すごい? 下らん物狂いだと思われている。魔王らしからぬ習癖の持ち主だとな。だが、魔王が尊ぶべき倫理の模範などではないのは周知のことだ。周囲に何と言われようと痛痒を感じん」
お兄様はぽつぽつと、ゆっくりと話す。少し古風な言い回しと喋り方は、代々の魔王から引き継ぎでもしたのだろうか。
「私は人間の胎から生まれた。人は愚かで弱きものだと思っていた。その考えは今でも変わらん。人の形を取って、ますますその確信は深くなった」
「……」
「胎児の頃から、私には完全な自我と意識があった。母の体外に意識を飛ばし、人間の世界を観察して回った。予想以上に人は弱く、短命で、死への恐怖に衝き動かされているように見えた」
(……お兄様が大事な話をしている)
私は手にしたフォークを空中で止めた。
そのままの体勢で、じっとお兄様を見つめて、耳を澄ませる。あのお兄様が、内心と表面の振る舞いが全く一致してないお兄様が、はっきりと自分の内面を語ろうとしている。
聴かなきゃ。
お兄様の一挙一動を見逃さないように息をひそめ、耳をそばだてて聞き入った。
「脆さ、弱さに対する恐怖。死への恐怖。恐怖を紛らわすために他人を貶め、少しでも優位に立って心を慰めようとする。そんなものばかりだった。人であることは思った以上の地獄だ。何という惨めな生き物かと、私は人を憐れんだ。だが」
お兄様は語った。
その中に、なぜか幸福な者たちが点在していたのだという。それは大抵、小さな輪で、大した力も持たない人々の集まりだった。弱い者がひっそりと、身を寄せ合うように頼り合って暮らしている場所も多かった。
「我々の母からしてもそうだ。人の基準からして、ユグノス家は弱き者とは言えないが、私を宿しているときの母は確かに弱体化していた。だが、その母を中心に、家族や親族どもが夜毎暖炉の傍に座って語らい、労り合うとき、彼らは確かに幸福だった。幸福とは、魔族には存在しない概念であり感覚だ。人の殻を得たとはいえ、私にもまた理解ができなかった。定義づけることができず、ただその場に在ることでのみ感覚として感じられた。以来、考え続けている」
「……」
「弱き者がなぜ、幸福でいられる? 幸福とは何だ? 弱き者だけが理解できるものだとすれば、その殻を被り続ければいずれ、私にも理解できるのだろうか、と」
「……お兄様」
私は、ごくりと唾を呑み込んだ。
この人は。
確かに人に毒されている。
女神様のもくろみは当たっていたのだ。人として生まれ直すことで、確かにお兄様は純粋な魔ではあり得ない考え方をするようになった。
でも、やっぱりお兄様はどこまでも魔族なのだ。人の世界の外側から見て、外側から考えている。だからきっと、結局は理解できないまま、人の世界を滅ぼしてしまったのだろう。
女神様の力で巻き戻ったとはいえ、このままでは同じ結果になる。
(でも、今回は私がいるから)
お兄様は弱き者である私を傍に置いている。しかも心動かされている。それは多分、今後の物事の流れを変えていくだろう。
私は宙に止めていた手を下ろし、フォークを皿の上に置いた。
「お兄様。私は魔族からすればとても弱い存在ですけれど、お兄様と一緒にいて幸せです。お兄様はわざわざ人の姿を取らなくても、私を見ていればいずれ、人というものが理解できるはずです」
「……」
「私をここに置いて下さい。できれば一生」
「……………」
眉根を寄せて、お兄様が私を見た。
険しい表情だけれど、私は怖くない。にっこりと微笑むと、お兄様の顔が歪むのが見えた。
「お兄様」
「理解ができん。どのみち、私が本来の姿を発現すれば、人であるお前は恐れ慄いて逃げ出すはずだ。人の生存本能がそのように出来ている」
「逃げません。私はお兄様が怖くありません」
私には自信があった。
兄妹ものの鉄板である。
異形化するお兄様、どんな姿であれ兄を受け入れる妹。数百回は反芻したシチュエーションだ。お兄様が巨大な目玉しかない異形に変身しようと、数十本の触手を伸ばそうと問題ない。これでも私は、女神様に認められし筋金入りの兄妹萌えオタクなのだ!!!
(ふっふっふ)
逆に楽しみでならない。
怪しい笑いを漏らしてお兄様にドン引かれないよう、崩れそうな顔を必死に抑え込むのを頑張る。
(もっとも、お兄様は大して異様な姿にはならないと思うけれど)
セージャスと戦っていたときの状況から察するに、お兄様は基本的には人型に近い。触手も無さそうだ。
そんなことを思いながら、聖母のような微笑みをお兄様に向けた。お兄様好き好き! の想いを全力で込める。
「……」
お兄様は冷ややかに目を細め、
「ふ。いざとなれば、泣き叫びながら許しを乞うお前を見るのも一興か」
いかにも魔王様! という台詞を吐いた。
相変わらず鉄壁の塩対応ですねお兄様!
けれど、その言動を裏切るように、頭上にあるオレンジ色の線が勢いよくピーッと伸びていく。キュイン! と乙女ゲームにでもありそうな音がして、その色が赤く染まった。
(色が変わった?!)
魔王アイゼイア・リシツィニアン・ユグノス
状態:メロメロ
好感度 7889/9999
(……わあ)
メロメロ。
……この好感度測定、女神様の設定によるものだったりするのだろうか。
(メロメロって……)
陰鬱な表情を崩さないままで、お兄様がゆっくりと紅茶を口にした。伏せた睫毛が被さる瞳は冷たく、氷の結晶のようで、生きているものの熱さえ感じられない。
その頭上に燦然と輝く「メロメロ」の表示。
シュールだ。
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