80 / 111
修行を始めるセリア達
しおりを挟む
道場の稽古場で由美子さんと待っていると、襖が開く音がした。
「お待たせぇ~」
「遅くなってゴメン」
「2人共紹介するよ。この人は俺の姉弟子で師範の娘の 英城 由美子さんだ」
「英城 由美子と申します。私が教えるので、よろしくお願いします」
「こちらこそ、よろしくお願いします!」
「よろしくお願いします!」
まぁ由美子さんなら師範よりも厳しくないから、心配しなくてもいいかな?
そう思っていたら、由美子さんはセリア達に武器を持たせた。
「先ずはアナタ達の実力を見たいので、準備が出来たらお声掛け下さい」
そう言うと籠手を付けて稽古場の真ん中に立った。
『うわぁ~、何かスパルタな感じがする』
ああ見えて結構優しいぞ・・・・・・師範に比べてって意味だけど。
「私からお願い致します!」
「いつでも掛かって来なさい」
手渡された細い棒を構えるセリアに対して由美子さんは構えもせずに、ただ突っ立ているだけなのでルノアとリタが不思議そうな目で見ていた。
「あれが由美子さんの戦闘スタイルだから、気にしなくてもいい」
「戦闘スタイル? 私には普通に立っているようにしか見えないんだけど」
「普通に立っているようにしか見えないのは、相手を油断させる演技。実際は何処からでも対応出来るように身構えているんだ」
「洸夜くん。出来れば説明して欲しくなかったわ」
いやいや、由美子さんなら対応出来るでしょ。
セリアも俺の話を聞いていたのか、ジリジリと距離を詰めて行く。
セリアの方は先手を取ろうとしているが、由美子さんは先手を譲る気なので気にせず攻めていいと思う。
「フゥッ!?」
その掛け声と共に由美子さんに向かって棒を突き出したが、あっさりと避けられてしまう。セリアは驚きつつもバックステップで距離を取った。
「う~ん、なるほど」
由美子さんは何かに気が付いたようすで俺を見つめる。
どうやら俺が教えたってことに気が付いたっぽいな。
そんなことを思っているとセリアは意を決したのか、一気に詰め寄って突きを繰り出したがこれも躱されてしまう。
「クッ!?」
悔しそうな顔をさせ、バックステップを踏んで由美子さんから距離を取ろうとしたのだが、由美子さんはその動きに合わせてセリアに突っ込んだのだ。
あ、これ。ウォーラー先生と同じ対処法。
セリアは驚きつつも棒を横に構えてガード姿勢を取るが、由美子さんは死角になっている腹に拳を捻り込んだ。
「うっ!?」
セリアはそのパンチが効いたのか、お腹を抑えながら膝を着いてしまった。
「動きは悪くありませんが咄嗟の判断に欠けてますね。ガードをする前に避けようか迷いましたよね?」
「・・・・・・はい」
「その一瞬の迷いが行動の遅れに繋がるので、直していきましょう」
由美子さんはセリアそう伝えると、ルノアの方に目を向ける。
「ヒィッ!?」
「次はアナタの番ですよ」
ルノアに向かってニッコリとそう言う由美子さんに対して、ルノアは怯え切った表情で脚をガクガク揺らしていた。
『ルノアファイトォ~!』
「もうここまで来たんだから、逃げるって選択肢はないぞ」
むしろ逃げた方がヤバイから、向かって行った方がいいぞ。
「わ、わかったわ! 頑張ってみる!」
前に出るルノアのと同時に俺は膝を着いているセリアに肩を貸して回収をするが、セリアは何故か嬉しそうな顔をさせていた。
「よ、よろしくお願い致します」
「模擬戦だから緊張しなくてもいいわ。リラックスしましょう。リラックス」
念の為に説明をするが、ルノアが持っている矢は先がグニャグニャに曲がるゴムで作られている為、なるべく安全を考慮している。そう、な・る・べ・く!
「いきます!」
ルノアはそう言うと矢をつがえて由美子さんに狙いを定めるが、由美子さんは狙いを定められないようにする為か、不規則な動きをし始める。
「えっ!? ちょっ!!」
ルノアは狙いを定めようとしているのか、構えた状態で忙しく弓を動かす。
『翻弄されているね』
リタの言う通り、相手の動きに翻弄されているのが一目でわかる。そんな中、由美子さんがピタリと止まった。
「チャンス!」
ルノアはそう言って矢を放ったが、バシッと由美子さんに飛んでいる矢を掴まれてしまった。
「ええっ!?」
『嘘ぉ!?』
「飛んでいる矢を掴んだぁ!?」
3人が驚いている間に、一気に距離を詰めて行く由美子さん。
「わっ!? わわわっ!!?」
慌てふためきながら矢に手を掛けたが手遅れ。由美子さんはルノアの首元に先程掴んだ矢の先端を当てた。
「終了です。ルノアさん、弓の扱いにムラを感じますね。それに判断能力も乏しい感じも見受けられます」
「あ、いや。そのぉ~・・・・・・」
「アナタも色々と直さなといけない箇所が多いですね」
「は、はい」
ルノアはションボリした顔で返事をする。
「とにかくこれでどう鍛えればいいのか把握しました。なので2人共、模擬戦して早々ですがストレッチから始めましょう」
「「はい!」」
2人はそう返事をしてストレッチを始めたのだが。
「も、もうだめぇ~~~!?」
「これ以上はいけないですよぉ~~~~~~!?」
「はい、大丈夫。息をゆっくり吐きながら曲げていけば大丈夫よ」
座った状態で脚を広げて状態を倒す運動をしているのだが、2人共思った以上に身体が硬いせいで由美子さんに背中を押されている。
「これでよく武術をやろうと思ったわね」
「すみませぇ~ん」
「アタシ達、普段こんなことをしないのでぇ~」
「まぁいいわ。身体の硬さは運動中の怪我の原因にも繋がるから、暇なときやお風呂上がりとかに軽くやるようにね」
「「は、はい~」」
因みに興味を持ったリタも真似してやっている。
『見て見てコウヤ! 私こんなに曲がるよ!』
床にベッタリとまではいかないが、いいところまで身体を曲げている。
2人がこの光景をみたら、嫉妬の目を向けるだろうなぁ~。 そう思いつつ2人のストレッチを見つめる。
「はい、次はランニングに行くわよぉ!」
「「はぃ」」
ストレッチで少しバテ気味の2人を知ってか知らずか由美子さんはランニングを始めるが、家を出て200m走った辺りで2人はペースダウンしてしまい、さらに100m進んだらバテてしまった。
「ジョギング程度の速さで、これはちょっとぉ~・・・・・・」
流石に由美子さんも考えるところがあったのか、悩ましそうな顔で2人を見つめていた。
変だなぁ。向こうの世界じゃ、もっと体力があった気がする。
『もしかしたら、魔力でカバーしていた部分を切っているからだと思うよ』
それはどういう事だ? と言いたそうな顔でリタを見つめる。
『セリア達の世界は自分の力を無意識に強化している部分があるんだ。多分、今魔力を使えないようにしているから・・・・・・』
今の状態が素の体力ってことか。
「ハァ・・・・・・ハァ・・・・・・如何に、自分達が、魔力に助け、られていたか・・・・・・よく、わかったわ」
「今度から、ハァ・・・・・・魔力を・・・・・・切った状態、で・・・・・・訓練を・・・・・・しようと思う」
「ん? 魔力?」
「ああ~、気にしないで下さい! こうなっちゃったら仕方ないので、道場に戻って筋トレに移りましょう!」
ここでバレたらヤバイ!
魔力から興味を離す為に、そう言ったら仕方なさそうな顔で話し始める。
「そうね。ランニングを続けても意味はなさそうね。戻りましょうか」
「「は、はい」」
俺がホッとしている中、セリアとルノアはフラフラと立ち上がり由美子さんに付いて行くようにして道場に戻って来て筋トレを始めたが。
「ああ~・・・・・・」
『これはちょっとぉ・・・・・・』
「困ったわねぇ~」
腹筋2セット目の半分でバテバテになっている姿を見た俺達は、何とも言えない顔で見つめていたのであった。
「お待たせぇ~」
「遅くなってゴメン」
「2人共紹介するよ。この人は俺の姉弟子で師範の娘の 英城 由美子さんだ」
「英城 由美子と申します。私が教えるので、よろしくお願いします」
「こちらこそ、よろしくお願いします!」
「よろしくお願いします!」
まぁ由美子さんなら師範よりも厳しくないから、心配しなくてもいいかな?
そう思っていたら、由美子さんはセリア達に武器を持たせた。
「先ずはアナタ達の実力を見たいので、準備が出来たらお声掛け下さい」
そう言うと籠手を付けて稽古場の真ん中に立った。
『うわぁ~、何かスパルタな感じがする』
ああ見えて結構優しいぞ・・・・・・師範に比べてって意味だけど。
「私からお願い致します!」
「いつでも掛かって来なさい」
手渡された細い棒を構えるセリアに対して由美子さんは構えもせずに、ただ突っ立ているだけなのでルノアとリタが不思議そうな目で見ていた。
「あれが由美子さんの戦闘スタイルだから、気にしなくてもいい」
「戦闘スタイル? 私には普通に立っているようにしか見えないんだけど」
「普通に立っているようにしか見えないのは、相手を油断させる演技。実際は何処からでも対応出来るように身構えているんだ」
「洸夜くん。出来れば説明して欲しくなかったわ」
いやいや、由美子さんなら対応出来るでしょ。
セリアも俺の話を聞いていたのか、ジリジリと距離を詰めて行く。
セリアの方は先手を取ろうとしているが、由美子さんは先手を譲る気なので気にせず攻めていいと思う。
「フゥッ!?」
その掛け声と共に由美子さんに向かって棒を突き出したが、あっさりと避けられてしまう。セリアは驚きつつもバックステップで距離を取った。
「う~ん、なるほど」
由美子さんは何かに気が付いたようすで俺を見つめる。
どうやら俺が教えたってことに気が付いたっぽいな。
そんなことを思っているとセリアは意を決したのか、一気に詰め寄って突きを繰り出したがこれも躱されてしまう。
「クッ!?」
悔しそうな顔をさせ、バックステップを踏んで由美子さんから距離を取ろうとしたのだが、由美子さんはその動きに合わせてセリアに突っ込んだのだ。
あ、これ。ウォーラー先生と同じ対処法。
セリアは驚きつつも棒を横に構えてガード姿勢を取るが、由美子さんは死角になっている腹に拳を捻り込んだ。
「うっ!?」
セリアはそのパンチが効いたのか、お腹を抑えながら膝を着いてしまった。
「動きは悪くありませんが咄嗟の判断に欠けてますね。ガードをする前に避けようか迷いましたよね?」
「・・・・・・はい」
「その一瞬の迷いが行動の遅れに繋がるので、直していきましょう」
由美子さんはセリアそう伝えると、ルノアの方に目を向ける。
「ヒィッ!?」
「次はアナタの番ですよ」
ルノアに向かってニッコリとそう言う由美子さんに対して、ルノアは怯え切った表情で脚をガクガク揺らしていた。
『ルノアファイトォ~!』
「もうここまで来たんだから、逃げるって選択肢はないぞ」
むしろ逃げた方がヤバイから、向かって行った方がいいぞ。
「わ、わかったわ! 頑張ってみる!」
前に出るルノアのと同時に俺は膝を着いているセリアに肩を貸して回収をするが、セリアは何故か嬉しそうな顔をさせていた。
「よ、よろしくお願い致します」
「模擬戦だから緊張しなくてもいいわ。リラックスしましょう。リラックス」
念の為に説明をするが、ルノアが持っている矢は先がグニャグニャに曲がるゴムで作られている為、なるべく安全を考慮している。そう、な・る・べ・く!
「いきます!」
ルノアはそう言うと矢をつがえて由美子さんに狙いを定めるが、由美子さんは狙いを定められないようにする為か、不規則な動きをし始める。
「えっ!? ちょっ!!」
ルノアは狙いを定めようとしているのか、構えた状態で忙しく弓を動かす。
『翻弄されているね』
リタの言う通り、相手の動きに翻弄されているのが一目でわかる。そんな中、由美子さんがピタリと止まった。
「チャンス!」
ルノアはそう言って矢を放ったが、バシッと由美子さんに飛んでいる矢を掴まれてしまった。
「ええっ!?」
『嘘ぉ!?』
「飛んでいる矢を掴んだぁ!?」
3人が驚いている間に、一気に距離を詰めて行く由美子さん。
「わっ!? わわわっ!!?」
慌てふためきながら矢に手を掛けたが手遅れ。由美子さんはルノアの首元に先程掴んだ矢の先端を当てた。
「終了です。ルノアさん、弓の扱いにムラを感じますね。それに判断能力も乏しい感じも見受けられます」
「あ、いや。そのぉ~・・・・・・」
「アナタも色々と直さなといけない箇所が多いですね」
「は、はい」
ルノアはションボリした顔で返事をする。
「とにかくこれでどう鍛えればいいのか把握しました。なので2人共、模擬戦して早々ですがストレッチから始めましょう」
「「はい!」」
2人はそう返事をしてストレッチを始めたのだが。
「も、もうだめぇ~~~!?」
「これ以上はいけないですよぉ~~~~~~!?」
「はい、大丈夫。息をゆっくり吐きながら曲げていけば大丈夫よ」
座った状態で脚を広げて状態を倒す運動をしているのだが、2人共思った以上に身体が硬いせいで由美子さんに背中を押されている。
「これでよく武術をやろうと思ったわね」
「すみませぇ~ん」
「アタシ達、普段こんなことをしないのでぇ~」
「まぁいいわ。身体の硬さは運動中の怪我の原因にも繋がるから、暇なときやお風呂上がりとかに軽くやるようにね」
「「は、はい~」」
因みに興味を持ったリタも真似してやっている。
『見て見てコウヤ! 私こんなに曲がるよ!』
床にベッタリとまではいかないが、いいところまで身体を曲げている。
2人がこの光景をみたら、嫉妬の目を向けるだろうなぁ~。 そう思いつつ2人のストレッチを見つめる。
「はい、次はランニングに行くわよぉ!」
「「はぃ」」
ストレッチで少しバテ気味の2人を知ってか知らずか由美子さんはランニングを始めるが、家を出て200m走った辺りで2人はペースダウンしてしまい、さらに100m進んだらバテてしまった。
「ジョギング程度の速さで、これはちょっとぉ~・・・・・・」
流石に由美子さんも考えるところがあったのか、悩ましそうな顔で2人を見つめていた。
変だなぁ。向こうの世界じゃ、もっと体力があった気がする。
『もしかしたら、魔力でカバーしていた部分を切っているからだと思うよ』
それはどういう事だ? と言いたそうな顔でリタを見つめる。
『セリア達の世界は自分の力を無意識に強化している部分があるんだ。多分、今魔力を使えないようにしているから・・・・・・』
今の状態が素の体力ってことか。
「ハァ・・・・・・ハァ・・・・・・如何に、自分達が、魔力に助け、られていたか・・・・・・よく、わかったわ」
「今度から、ハァ・・・・・・魔力を・・・・・・切った状態、で・・・・・・訓練を・・・・・・しようと思う」
「ん? 魔力?」
「ああ~、気にしないで下さい! こうなっちゃったら仕方ないので、道場に戻って筋トレに移りましょう!」
ここでバレたらヤバイ!
魔力から興味を離す為に、そう言ったら仕方なさそうな顔で話し始める。
「そうね。ランニングを続けても意味はなさそうね。戻りましょうか」
「「は、はい」」
俺がホッとしている中、セリアとルノアはフラフラと立ち上がり由美子さんに付いて行くようにして道場に戻って来て筋トレを始めたが。
「ああ~・・・・・・」
『これはちょっとぉ・・・・・・』
「困ったわねぇ~」
腹筋2セット目の半分でバテバテになっている姿を見た俺達は、何とも言えない顔で見つめていたのであった。
0
お気に入りに追加
30
あなたにおすすめの小説
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
【完結】父が再婚。義母には連れ子がいて一つ下の妹になるそうですが……ちょうだい癖のある義妹に寮生活は無理なのでは?
つくも茄子
ファンタジー
父が再婚をしました。お相手は男爵夫人。
平民の我が家でいいのですか?
疑問に思うものの、よくよく聞けば、相手も再婚で、娘が一人いるとのこと。
義妹はそれは美しい少女でした。義母に似たのでしょう。父も実娘をそっちのけで義妹にメロメロです。ですが、この新しい義妹には悪癖があるようで、人の物を欲しがるのです。「お義姉様、ちょうだい!」が口癖。あまりに煩いので快く渡しています。何故かって?もうすぐ、学園での寮生活に入るからです。少しの間だけ我慢すれば済むこと。
学園では煩い家族がいない分、のびのびと過ごせていたのですが、義妹が入学してきました。
必ずしも入学しなければならない、というわけではありません。
勉強嫌いの義妹。
この学園は成績順だということを知らないのでは?思った通り、最下位クラスにいってしまった義妹。
両親に駄々をこねているようです。
私のところにも手紙を送ってくるのですから、相当です。
しかも、寮やクラスで揉め事を起こしては顰蹙を買っています。入学早々に学園中の女子を敵にまわしたのです!やりたい放題の義妹に、とうとう、ある処置を施され・・・。
なろう、カクヨム、にも公開中。
冤罪をかけられ、彼女まで寝取られた俺。潔白が証明され、皆は後悔しても戻れない事を知ったらしい
一本橋
恋愛
痴漢という犯罪者のレッテルを張られた鈴木正俊は、周りの信用を失った。
しかし、その実態は私人逮捕による冤罪だった。
家族をはじめ、友人やクラスメイトまでもが見限り、ひとり孤独へとなってしまう。
そんな正俊を慰めようと現れた彼女だったが、そこへ私人逮捕の首謀者である“山本”の姿が。
そこで、唯一の頼みだった彼女にさえも裏切られていたことを知ることになる。
……絶望し、身を投げようとする正俊だったが、そこに学校一の美少女と呼ばれている幼馴染みが現れて──
僕の家族は母様と母様の子供の弟妹達と使い魔達だけだよ?
闇夜の現し人(ヤミヨノウツシビト)
ファンタジー
ー 母さんは、「絶世の美女」と呼ばれるほど美しく、国の中で最も権力の強い貴族と呼ばれる公爵様の寵姫だった。
しかし、それをよく思わない正妻やその親戚たちに毒を盛られてしまった。
幸い発熱だけですんだがお腹に子が出来てしまった以上ここにいては危険だと判断し、仲の良かった侍女数名に「ここを離れる」と言い残し公爵家を後にした。
お母さん大好きっ子な主人公は、毒を盛られるという失態をおかした父親や毒を盛った親戚たちを嫌悪するがお母さんが日々、「家族で暮らしたい」と話していたため、ある出来事をきっかけに一緒に暮らし始めた。
しかし、自分が家族だと認めた者がいれば初めて見た者は跪くと言われる程の華の顔(カンバセ)を綻ばせ笑うが、家族がいなければ心底どうでもいいというような表情をしていて、人形の方がまだ表情があると言われていた。
『無能で無価値の稚拙な愚父共が僕の家族を名乗る資格なんて無いんだよ?』
さぁ、ここに超絶チートを持つ自分が認めた家族以外の生き物全てを嫌う主人公の物語が始まる。
〈念の為〉
稚拙→ちせつ
愚父→ぐふ
⚠︎注意⚠︎
不定期更新です。作者の妄想をつぎ込んだ作品です。
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
聖女の姉が行方不明になりました
蓮沼ナノ
ファンタジー
8年前、姉が聖女の力に目覚め無理矢理王宮に連れて行かれた。取り残された家族は泣きながらも姉の幸せを願っていたが、8年後、王宮から姉が行方不明になったと聞かされる。妹のバリーは姉を探しに王都へと向かうが、王宮では元平民の姉は虐げられていたようで…聖女になった姉と田舎に残された家族の話し。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる