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第20話 教室で大混乱

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 食事を終えた俺とリタはお弁当をしまって、セリア達はトレーをカウンターの方に返しに行った。

 「コウヤ、私の分のお弁当作って」

 「え、それはちょっと困る」

 「何で?」

 「そうですよお嬢様。ミヤマ様にご迷惑をお掛けするわけにはいきませんよ」

 アンリネットさんはカーシャの顔をムスッとした顔で見つめるが、睨まれているカーシャさんは涼しげな顔でアンリネットさんを見つめる。多分、カーシャさんにとって何時もの事なのだから、これぐらいの事はヘッチャラなんだろう。

 「カーシャ、意地悪」

 「どうとでも言って下さい、お嬢様。ところでミヤマ様」

 「あ、はい。何でしょうか?」

 「もしよろしければ、今度のお休みにグランドール家へお越し頂けないでしょうか?」

 え? つまりアンリネットさんのお家に来て欲しい。ってカーシャさんは言っているんだよな?

 「あ、すみません。私は礼儀作法など疎いので、そのぉ~・・・・・・とても行けたものではないかとぉ」

 「気にしなくていいのに」

 いや、気にしないとダメだろ。

 「そうだね。コウヤは庶民だから、貴族の礼儀作法とかチンプンカンプンだよね!」

 ナイスフォローと言いたいところ何だけれども、お前は俺のことをディスってないか?

 「我々はそのようなことを気にしないので」

 「うんうん」

 そう言われても、ちょっと困る。

 「来てくれますよね?」

 カーシャさんは 行きます。と言えと言わんばかりに顔をニッコリとさせながら顔を近づけて来ので、身体中から汗が流れて出て来るのを感じる。

 「いや、そのぉ~~~・・・・・・ねぇ?」

 「う~~~ん、やっぱりアンリネットのお家に行くの難しいんじゃない?」

 「・・・・・・そうですか」

 カーシャさんはそう言うとスッと離れた。

 「またの機会にお誘いしますね」

 「あ、はい」

 「コウヤくん、お待たせぇ!」

 ちょうどいいタイミングで、セリア達が戻って来た。

 「食べ終わったことだし、教室に戻りましょうか」

 「そうだな」

 席を立とうとしたら、服の袖をアンリネットに掴まれたので顔をそっちに向けると、顔は無表情だが目が潤んでいたのだ。

 「もう行っちゃうの?」

 「あ、ああ」

 「・・・・・・」

 行っちゃやだ。と言いたいのか、潤んだ瞳で俺の顔をジーッと見つめて来る。

 「お嬢様、我々も教室へ戻りましょう」

 「やだ」

 カーシャさんに向かってハッキリとそう言う。さっきの泣きそうな顔は何処へ行った?

 「やだ。 ではありませんよ。お嬢様も学生なのですから、授業に遅刻したら教師に怒られてしまいますよ」

 「ムゥ~・・・・・・怒られるのやだ」

 「でしたら、我々も教室の方へ行きますよ」

 「カーシャの言う通りにする」

 アンリネットはそう言ってから席を立ち、カーシャさんの側へと行く。

 「それではミヤマ様、リタ様、オルコス様、ランカスタール様。またお会いしましょう」

 「バイバイ」

 2人はそう言うと、食堂を出て行ってしまった。

 「行っちゃったね」

 「アンタ達何でグランドール侯爵家と知り合いなのよっ!?」

 「それはぁ~・・・・・・」

 「成り行きって言うかねぇ?」

 まさか一回会っただけで、あんな風に会って来るとは思いもしなかったけど。

 「それよりも、みんな教室の方に行かなくてもいいの?」

 「あ、そうだった! 教室へ行こうか」

 「そうね!」

 「うん!」

 セリア達と共に教室へ戻ると、仲良く隣同士に席について予鈴がなるのを待とうとしたのだが1人の男子学生が俺に近づいて来た。

 「おい、お前」

 「ん? 何か用か?」

 「さっきイレイラ王女様と仲良く話していたみたいだが、どういう関係なんだ?」

 威圧感たっぷりにそう言って来るので、やんわりと正直に話す。

 「ああ、クラス表の場所がわからずに迷っていたところを、声を掛けられて場所を教えて貰ったんだ」

 出来れば教室での争いごとは避けたいなぁ。

 心の中でそう思っていたのだが、うつむいたまま俺の机をバンッ!? と叩いてから身体を震わせていたので、セリアとルノアが怯えていた。

 「・・・・・・やましい」

 「ん? 今何て言った?」

 「お前が羨ましいっ!!」

 彼はそう言いながら顔を上げたのだが、眼から滝のように涙を流しているのでドン引きしてしまった。

 「イレイラ様の近く行き、お話が出来た上にイレイラ様が吐いた息を吸えるなんて羨ましいっ!!」

 「おいお前、自分がヤバイ言葉を口走ったのに自覚あるか?」

 「あるっ!!」

 ハッキリ言ったぞ、コイツ。

 「コウヤ、この人気持ち悪いよぉ」

 うん、俺もそう思っているぞ。だけど口に出すなよ。

 「しかもお前、グランドール家のアンリネット様とも親かったなぁ?」

 「ま、まぁな」

 「みんな誤解しないでね! コウヤはロリコンじゃないからねっ!!」

 「余計なことを言うなっ!?」

 俺がリタにそう言う姿を、ルノアとセリアは面白そうな顔で見つめていた。

 「でも、膝の上に乗せていただろう?」

 彼がそう言った瞬間、聞き耳を立てていたクラスメイト達がざわつき出した。

 「ロリコン? セリアさんと親そうなのに?」

 「ヤダァ~、一歩間違えたら犯罪者じゃん」

 「ロリコン、ロリコン・・・・・・俺と同じロリコン」

 ヤバイ状況じゃん、これぇっ!!

 「いや待ってくれお前らぁっ!! 断じて俺はロリコンじゃないぞっ!!」

 俺がそう弁解している中、セリアが立ち上がって大声で話始める。

 「そうだよ、みんなっ! だってコウヤくん、私とデートしてくれたもんっ!! だからコウヤくんはロリコン何かじゃないわっ!!」

 セリアがそう言った瞬間、教室が凍り付いた。

 「デートしたってことは、2人はもう愛し合う中なの?」

 「じゃあじゃあ、つまりセリアさんはコウヤくんを取られまいとしているんだね」

 「恋だねぇっ!!」

 「恋だよねぇ~!!」

 「「「「キャアアアアアアアアアアアアッッッ!!?」」」」

 女子が俺達をネタにして盛り上がってるっ!!

 「・・・・・・ロリコン二股?」

 「もう既にセリアさんを攻略済み」

 「次は誰がヤツの毒牙に掛かるんだ?」

 「あの逞しい筋肉にドキドキしちゃったから・・・・・・ぼ、僕かもしれない」

 「「「「いや無い! 絶対に無いっ!!」」」」

 男子は男子で変な話をしているぞっ!! てか、俺に身体にドキドキしたヤツと距離を置こうか。

 そんなことを思っていたら、予鈴が鳴った。

 「はぁ~い! みんな授業を始めるから座ってちょうだい!」

 ルコア先生の指示に素直に従うクラスメイト達。全員座ったところでルコア先生が話始めるのだが、何故かルコア先生の顔が午前中と違って、晴々としているのは俺の気のせいだろうか?

 「授業と言っても、皆さんが今後学んでいく数学、歴史、地理に魔法学についてどのように授業を進めていくのか、お話しをして行こうと思っております。
 皆さん、先生のお話しをちゃんと聞くようにして下さいねっ!!」

 『はぁ~いっ!!』

 ルコア先生の話を簡単に説明をすると、本格的な授業は明日からで数学はこっちの世界と同じことをやり、歴史は基本的にこの世界の生い立ちから学ぶようだ。
 地理については歴史と並行して進めるみたいだ。魔法学については得意不得意関係なくオールマイティーに学ぶ感じみたい。まぁそっちの方が戦闘とかに有利になるか。

 「ということです。それでは皆さん、明日から勉学に頑張って下さいね。成績が悪い子は補習どころか退学になる場合があるので、気を付けて下さいね!」

 『はぁ~い!』

 数名だけ自身がないのか、先生から目を逸らして返事をしている生徒がいた。

 「それでは、予鈴が鳴るまで教室で待機していて下さい。と言いたいのですがっ! ミヤマくんっ!!」

 「あ、はい!?」

 「オルシスさんとお付き合いなさっている件に付いて、話してくれますかっ!!」

 「・・・・・・はい?」

 何を言っているんだこの先生は?

 「オルコスさんとお付き合いなさっているのですねっ!! オルコスさんとどう出会ったのですか? 先生に教えて下さいっ!!」

 先生が喰い付いて来たぁっ!!

 嬉々せまるルコア先生に対して、セリアとどうやって出会ったのかを説明した。もちろん転移とか俺の世界のことに関しては伏せて話した。
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