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第5話 水族館が楽しみなセリア
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リタが傷の治療をした後に、水を作り出して えいっ!? と言う掛け声と共に投げ付けるようにして顔に掛けた。いや、ぶつけた。って言った方が合っているかもしれない。
「ハッ!? こ、ここは? 私はここで一体何を?」
「お前は洸夜と立ち会って負けただけ」
「っ!?」
バルゲンは何をしていたのか思い出したのか、ガバッと起き上がってから俺に剣を向ける。
「もうアンタの負けで終わったよ」
「まだまだこれからだ!」
一回気絶したヤツの言う言葉じゃないだろう。
「うわぁ~、自分の負けを認めないなんて見苦しいわぁ~」
「リタ様の仰る通りですね」
「ダサイ」
散々な言われようだけど、俺も同意見だ。
「ハァ~・・・・・・アンタとやる価値もない」
俺はそう言ってからバルゲンから離れる。
「逃げるのか、みっともない」
「みっともないのはアンタの方だよ。さっき俺とやり合った時に、顔をヌンチャクで2回叩かれて気絶したんだぜ。覚えてないのか?」
「ウッ!?」
思い出したのか、口元を引きつらせた。
「そうだな、お主は負けた。その剣を納めるんだ」
「そうですね。同じ貴族として、アナタの行動を恥ずかしいと思います」
「ムグッ!?」
オルコス夫妻の言葉が突き刺さったのか、たじろいた。
「こ、このまま負けっぱなしでは、貴族の面子がないだろう!」
苦し紛れの理屈だが、バルゲンの言うことは一理ある。
「・・・・・・わかった」
「何がわかったんだ?」
睨んでくるウザ男を鋭い眼光で見つめ返す。
「アンタが言うことも一理あるからな、また相手してやる」
「そ、そうか。なら掛かって来い!」
俺に向かってそう言うが剣先が震えていて、怯えているのが丸わかりだ。
「立ち会う前に1つだけ言わせて貰う」
「な、何だ?」
「今度は素手で本気で行かせて貰うぞ。だからさっきよりも怪我をする覚悟を持てよ」
「ハァ? 素手?」
言っていることがわからないと言いたそうなウザ男に対して、ヌンチャクをその場に置いてからTシャツを脱いで準備体操を始めた。
「相変わらずスゴイ身体!」
「コウヤくん、筋肉質だったんだね」
「カッコイイ」
「鍛えていらっしゃると思っていましたが、まさかここまでだったとは・・・・・・」
リタ達が俺の姿に感心している中、ウザ男はどんどん顔を青くさせていく。
「アナタよりスゴイ筋肉ね」
「どうやったらあんな筋肉になるのだ?」
「相当鍛えているのは確かだね」
そして準備体操を終わらせた後にウザ男に向き直り、身構える。
「お待たせ、何時でもどうぞ」
そう言って左手をクイクイッと動かすと、ウザ男は身体をビクッとさせた。
「よ、用事を思い出したぁ! 私はこれで失礼する!」
そう言うと、木の剣をその場に捨てて逃げるようにして去って行った。
「もしかして逃げた?」
「はい、逃げましたね」
「ああ、アイツ逃げた」
「クソザコナメクジ」
リタ、誰から教わったんだ、その言葉は!?
「私、もうバルゲン先生のことを尊敬出来ないかも」
「そうね。でもちゃんと授業は受けてね、セリアちゃん」
「はい、お母様」
そう言えばあのクソザ、じゃなくて! バルゲンは教師だったな。でもそう考えてみると不安を感じるなぁ。
「この先、授業でも突っ掛って来なきゃいいんだけど」
「そこら辺のことは私に任せてくれ。お前に対して変なことをさせないように配慮してやるから」
「あ、はい。ありがとうございます」
アニス学園長がそう言うのなら、安心していいかもしれない。
「っと、服を着てくれないか?」
「あ、はい」
アニス学園長に言われた通り、服を着た後に地面に置いたヌンチャクを拾う。
「しかし、スゴイ筋肉だねぇ。相当鍛えているでしょ?」
「まぁそうですね。毎日修行を怠っていませんから」
弱くなっていたら師範に怒られるしな。
「それと、時間も時間だから武術の授業はこの辺にしておこうか」
建物に飾れている時計を見てみると、何とちょうど予鈴が鳴る5分前だった。
「そうですね。そうしましょうか」
そう返事をしてから、トンファーとか棒とか荷物を全てまとめた。
「あ、ちょっと待ってくれ」
「ん? どうしたんですか?」
「その武器はこっちで預からせて貰う」
「えっ!? 預かるんですかぁ? それじゃあ困ります!」
武器の練習が出来ないくなるじゃん! また買わなきゃいけないじゃないか!
「まぁ待て、お前が元々持っていたヤツならいいぞ」
そう言って取り出したのは、俺がアニス学園長に渡した棒、トンファー、ヌンチャク1本だった。因みにもう1本のヌンチャクは自宅置いてある。
「トンファー、直せたんですか?」
「ああ、職人が武器を直すときに これ全部武器なんですかぁ? しかもこっちも直すって・・・・・・。 って言われたからな。説得するのも一苦労だった」
「ああ~、何かすみません。それに修理までして貰えて」
トンファーの取手部分との色がちょっと違うのが気になるが、まぁ修理して貰ったんだから文句はなしだ。
「最終的には理解して楽しそうに作っていたからな、結果オーライだった」
「そうですか。じゃあこっちはアニス学園長にお渡しします」
「うん、大切に預からせて貰う」
アニス学園長はそう言うと、俺から武器を受け取って先程出した箱の中へと入れる。
「さてと、コウヤくん。キミに話しておきたいことがあるから私の部屋まで来てくれないか?」
「あ、はい! セリアはどうする?」
「わ、私も付いて行こうかなぁ~。デ、デデ、デー・・・・・・」
何故かわからないが、顔を真っ赤にさせてモジモジさせている間にチャイムが鳴った。
「セリア、もしかしてデートって言いたいの?」
「・・・・・・うん」
リタの問いに答えると、物凄く恥ずかしいのか手で顔を覆ってしまった。いや、デートって、俺はそんなつもりじゃないんだけどなぁ。
「あ・・・・・・うん。そ、そうだね」
一応今度行く水族館の誤解を解いておきたいから、付いて来て貰った方が俺にとっても有り難い。しかし、アンリネットさんがいる方向から痛い視線を感じる。
「・・・・・・そうですか。では我々は何時も通り、屋敷に帰りましょう」
「私も行く」
「お嬢様、諦めて下さい」
「や、行く!」
ムスッとしているアンリネットさんに対して、カーシャさんはニッコリと見つめながら語り掛ける。
「か・え・り・ま・す・よ!」
「わ、わかった」
アンリネットさんは怯えながらそう答えると、先導するように前を歩くカーシャさんの後ろを付いて行く。俺達はその姿が消えるまで見つめていた。
「・・・・・・行ったかぁ~」
「そうだねぇ。はい、コウヤのスマホ」
「ありがとうリタ」
どうやら俺がアンリネットさんを見送っている間に、スマホを取りに行っていたみたいだ。
「ねぇねぇ、コウヤ。スイゾクカンって場所はどんなところなの?」
「そうだよ。私も気になって仕方がないよ!」
「ああ、そうだな。ちょっと待っててくれ」
2人にそう言ってから、スマホを操作して今度行く場所を検索して画像を出して見せる。
「こんなところだ」
「これは!?」
「キレイな場所」
2人が画像を見つめていると、アニス学園長達が気になったのか一緒になって覗いて来た。
「これが、コウヤくん達が行く場所?」
「魚が、宙を舞っているだと」
いや、水槽の中に入っているだけですから!
「とても素敵ですねぇ。ここだけですか?」
「他にも色んなところがありますよ。海の魚から川魚。それに動物もいます。それにショーもやっていますよ」
「まぁ、どんなショーなのですか?」
「イルカと言う動物が、色んな芸をしてくれます。あ、イルカってのはこの動物のことです」
そう言ってからイルカの画像を出すと、全員 オオ~ッ!? と感心した声を出した。
「この魚が色んな芸をしてくれるのか?」
「マルコシスの仰る通りです」
「随分とまぁ面白そうなところに行くね」
「実際に大人から子供まで楽しめますよ」
そう言った後にスマホをポケットにしまう。
「セリアさん、今度行く場所を理解した?」
「色んなお魚。イルカのショー・・・・・・コウヤくんとデー・・・・・・エヘヘ~」
セリアさんは楽しみなのか、ニコニコ両手を組んでニコニコしていた。
「セリアさん?」
「ハッ!? 何でもないっ! 何でもないよ、コウヤくんっ!!」
セリアさんはそう言いながら、両手をバタバタさせていたのであった。
セリアさん、水族館がそんなに楽しみなのか。
そして彼は彼で勘違いをしているのであった。
「ハッ!? こ、ここは? 私はここで一体何を?」
「お前は洸夜と立ち会って負けただけ」
「っ!?」
バルゲンは何をしていたのか思い出したのか、ガバッと起き上がってから俺に剣を向ける。
「もうアンタの負けで終わったよ」
「まだまだこれからだ!」
一回気絶したヤツの言う言葉じゃないだろう。
「うわぁ~、自分の負けを認めないなんて見苦しいわぁ~」
「リタ様の仰る通りですね」
「ダサイ」
散々な言われようだけど、俺も同意見だ。
「ハァ~・・・・・・アンタとやる価値もない」
俺はそう言ってからバルゲンから離れる。
「逃げるのか、みっともない」
「みっともないのはアンタの方だよ。さっき俺とやり合った時に、顔をヌンチャクで2回叩かれて気絶したんだぜ。覚えてないのか?」
「ウッ!?」
思い出したのか、口元を引きつらせた。
「そうだな、お主は負けた。その剣を納めるんだ」
「そうですね。同じ貴族として、アナタの行動を恥ずかしいと思います」
「ムグッ!?」
オルコス夫妻の言葉が突き刺さったのか、たじろいた。
「こ、このまま負けっぱなしでは、貴族の面子がないだろう!」
苦し紛れの理屈だが、バルゲンの言うことは一理ある。
「・・・・・・わかった」
「何がわかったんだ?」
睨んでくるウザ男を鋭い眼光で見つめ返す。
「アンタが言うことも一理あるからな、また相手してやる」
「そ、そうか。なら掛かって来い!」
俺に向かってそう言うが剣先が震えていて、怯えているのが丸わかりだ。
「立ち会う前に1つだけ言わせて貰う」
「な、何だ?」
「今度は素手で本気で行かせて貰うぞ。だからさっきよりも怪我をする覚悟を持てよ」
「ハァ? 素手?」
言っていることがわからないと言いたそうなウザ男に対して、ヌンチャクをその場に置いてからTシャツを脱いで準備体操を始めた。
「相変わらずスゴイ身体!」
「コウヤくん、筋肉質だったんだね」
「カッコイイ」
「鍛えていらっしゃると思っていましたが、まさかここまでだったとは・・・・・・」
リタ達が俺の姿に感心している中、ウザ男はどんどん顔を青くさせていく。
「アナタよりスゴイ筋肉ね」
「どうやったらあんな筋肉になるのだ?」
「相当鍛えているのは確かだね」
そして準備体操を終わらせた後にウザ男に向き直り、身構える。
「お待たせ、何時でもどうぞ」
そう言って左手をクイクイッと動かすと、ウザ男は身体をビクッとさせた。
「よ、用事を思い出したぁ! 私はこれで失礼する!」
そう言うと、木の剣をその場に捨てて逃げるようにして去って行った。
「もしかして逃げた?」
「はい、逃げましたね」
「ああ、アイツ逃げた」
「クソザコナメクジ」
リタ、誰から教わったんだ、その言葉は!?
「私、もうバルゲン先生のことを尊敬出来ないかも」
「そうね。でもちゃんと授業は受けてね、セリアちゃん」
「はい、お母様」
そう言えばあのクソザ、じゃなくて! バルゲンは教師だったな。でもそう考えてみると不安を感じるなぁ。
「この先、授業でも突っ掛って来なきゃいいんだけど」
「そこら辺のことは私に任せてくれ。お前に対して変なことをさせないように配慮してやるから」
「あ、はい。ありがとうございます」
アニス学園長がそう言うのなら、安心していいかもしれない。
「っと、服を着てくれないか?」
「あ、はい」
アニス学園長に言われた通り、服を着た後に地面に置いたヌンチャクを拾う。
「しかし、スゴイ筋肉だねぇ。相当鍛えているでしょ?」
「まぁそうですね。毎日修行を怠っていませんから」
弱くなっていたら師範に怒られるしな。
「それと、時間も時間だから武術の授業はこの辺にしておこうか」
建物に飾れている時計を見てみると、何とちょうど予鈴が鳴る5分前だった。
「そうですね。そうしましょうか」
そう返事をしてから、トンファーとか棒とか荷物を全てまとめた。
「あ、ちょっと待ってくれ」
「ん? どうしたんですか?」
「その武器はこっちで預からせて貰う」
「えっ!? 預かるんですかぁ? それじゃあ困ります!」
武器の練習が出来ないくなるじゃん! また買わなきゃいけないじゃないか!
「まぁ待て、お前が元々持っていたヤツならいいぞ」
そう言って取り出したのは、俺がアニス学園長に渡した棒、トンファー、ヌンチャク1本だった。因みにもう1本のヌンチャクは自宅置いてある。
「トンファー、直せたんですか?」
「ああ、職人が武器を直すときに これ全部武器なんですかぁ? しかもこっちも直すって・・・・・・。 って言われたからな。説得するのも一苦労だった」
「ああ~、何かすみません。それに修理までして貰えて」
トンファーの取手部分との色がちょっと違うのが気になるが、まぁ修理して貰ったんだから文句はなしだ。
「最終的には理解して楽しそうに作っていたからな、結果オーライだった」
「そうですか。じゃあこっちはアニス学園長にお渡しします」
「うん、大切に預からせて貰う」
アニス学園長はそう言うと、俺から武器を受け取って先程出した箱の中へと入れる。
「さてと、コウヤくん。キミに話しておきたいことがあるから私の部屋まで来てくれないか?」
「あ、はい! セリアはどうする?」
「わ、私も付いて行こうかなぁ~。デ、デデ、デー・・・・・・」
何故かわからないが、顔を真っ赤にさせてモジモジさせている間にチャイムが鳴った。
「セリア、もしかしてデートって言いたいの?」
「・・・・・・うん」
リタの問いに答えると、物凄く恥ずかしいのか手で顔を覆ってしまった。いや、デートって、俺はそんなつもりじゃないんだけどなぁ。
「あ・・・・・・うん。そ、そうだね」
一応今度行く水族館の誤解を解いておきたいから、付いて来て貰った方が俺にとっても有り難い。しかし、アンリネットさんがいる方向から痛い視線を感じる。
「・・・・・・そうですか。では我々は何時も通り、屋敷に帰りましょう」
「私も行く」
「お嬢様、諦めて下さい」
「や、行く!」
ムスッとしているアンリネットさんに対して、カーシャさんはニッコリと見つめながら語り掛ける。
「か・え・り・ま・す・よ!」
「わ、わかった」
アンリネットさんは怯えながらそう答えると、先導するように前を歩くカーシャさんの後ろを付いて行く。俺達はその姿が消えるまで見つめていた。
「・・・・・・行ったかぁ~」
「そうだねぇ。はい、コウヤのスマホ」
「ありがとうリタ」
どうやら俺がアンリネットさんを見送っている間に、スマホを取りに行っていたみたいだ。
「ねぇねぇ、コウヤ。スイゾクカンって場所はどんなところなの?」
「そうだよ。私も気になって仕方がないよ!」
「ああ、そうだな。ちょっと待っててくれ」
2人にそう言ってから、スマホを操作して今度行く場所を検索して画像を出して見せる。
「こんなところだ」
「これは!?」
「キレイな場所」
2人が画像を見つめていると、アニス学園長達が気になったのか一緒になって覗いて来た。
「これが、コウヤくん達が行く場所?」
「魚が、宙を舞っているだと」
いや、水槽の中に入っているだけですから!
「とても素敵ですねぇ。ここだけですか?」
「他にも色んなところがありますよ。海の魚から川魚。それに動物もいます。それにショーもやっていますよ」
「まぁ、どんなショーなのですか?」
「イルカと言う動物が、色んな芸をしてくれます。あ、イルカってのはこの動物のことです」
そう言ってからイルカの画像を出すと、全員 オオ~ッ!? と感心した声を出した。
「この魚が色んな芸をしてくれるのか?」
「マルコシスの仰る通りです」
「随分とまぁ面白そうなところに行くね」
「実際に大人から子供まで楽しめますよ」
そう言った後にスマホをポケットにしまう。
「セリアさん、今度行く場所を理解した?」
「色んなお魚。イルカのショー・・・・・・コウヤくんとデー・・・・・・エヘヘ~」
セリアさんは楽しみなのか、ニコニコ両手を組んでニコニコしていた。
「セリアさん?」
「ハッ!? 何でもないっ! 何でもないよ、コウヤくんっ!!」
セリアさんはそう言いながら、両手をバタバタさせていたのであった。
セリアさん、水族館がそんなに楽しみなのか。
そして彼は彼で勘違いをしているのであった。
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