サバゲーマーズ!

青空鰹

文字の大きさ
上 下
33 / 63

33.合流出来た勝平

しおりを挟む
 ところ変わって勝平はと言うと、焦った表情を浮かべながら辺りを見回していた。

 「ヤバイ! 祐二さん達と逸れた⁉︎」

 そうスタート直後に祐二さん達から目を離してしまったが、すぐに彩さんらしき見つけて後を追って行ったのだが、その人が別人だったのが今になって発覚して驚いている!

 考えてみればそうだよな! 常に祐二さんと一緒に行動していた彩さんが単独行動する訳ないもんな!

 「……って、そんなこと思ってる場合じゃねえっ⁉︎」

 早く祐二さん達と合流しないと、俺やられるかもしれないっ‼︎

 勝平の焦った様子に周りにいた味方達は、「どうしたんだ、コイツ?」や「まだ敵がいないのに何を焦ってるんだ?」何て言われてしまっている。しかし勝平からしてみれば、そんなことどうでもいいのだ。

 「と…とにかく前線に行けば祐二さん達がいるかもしれない!」

 勝平は祐二達を探すべく、周りを注意深く警戒しながら進み始めたのであった。
 そして翔也はと言うと……。

 う~ん……祐二さん達が何処にもいない。

 探し始めてから3分ほど未だに祐二達を見つけられずにいた。

 ……ん? 前で味方が止まってる。ってことはあの先に敵がいるのか?

 翔也はエアガンを構えて警戒している味方に近付き声を掛ける。

 「すみません! もしかしてこの先に敵がいるんですか?」

 「ああ! さっきまで撃ち合っていたんだけど、今は引っこんでる」

 俺は敵がいるがどうか気になったので、バリケードから顔を出して味方が指をさした方向を見つめた。

 「……いない」

 「もしかしたらここを通るのを諦めたのかもしれない」

 「それってつまり……迂回したってことですか?」

 「そうかもしれないし、もしかしたら俺達が進んで来ると見越して先の方で待ち伏せしている可能性もあるな」

 そう聞くと進んでいいのか心配になってくる。

 「でもまぁ、このままじゃ何も起きないから進もうと思う…キミはどうするんだ?」

 「えっとぉ…俺は……付いて行こうと思います」

 このまま進んで行けば祐二さん達に会えるかもしれないし、やられたらやられてしまったでゲーム終了したときにセーフティーで会えると思うから。

 「分かった。それじゃあ俺の後に付いて来るようにな。念の為に言っておくけど、人1人分の間隔は空けて置いてくれよ。下がったときにぶつかるかもしれないからな」

 「分かりました」

 ※前回と違う説明をするが、これは実践では推奨されない方法で人1人分のスペースを空けることによって前にいるヤツが急に下がって来たときに後ろのサバゲーマーは避けたりすること出来る!
 身も知らない相手とツーマンセルをやる場合は、この方法を取った方がいいぞ! 下手したらぶつかって怪我をする可能性があるからな!

 前にいる味方に合わせて前に進んで行くと、敵がいた思わしき角に近付いた。そしてゆっくりと進んで角を確認する味方の緊張感がこっちまで伝わって来る。

 「……クリア」

 その言葉を聞いて俺は安堵した。

 「ここにいないってことは、別のルートを探しに行った可能性があるな」

 「そうなんですか?」

 「ああ…でも敵がいるかもしれないから、警戒を怠らないように」

 「はい」

 こうして味方と共に敵フラッグ目指して進んで行く。ところ変わって祐二達はと言うと……フィールド中央部分にいた。

 「そっちに敵が行ったぞ、彩!」

 「了解!」

 彩がそう言ってからステアーAUGを構えて撃った!

 「うおっ⁉︎ HITぉ!⁉︎」

 「ワンダウン!」

 「ナイス! ドンドンこっちの方に敵が流れて来てるから、頑張らないとヤバそうだな!」

 「そうね! こんなときに勝平くんか翔也くんがいれば、今よりはマシな状況になってたかもしれないわね!」

 「彩…俺が頼りないって言いたいのか?」

 「人数が多い方がいい! って言ってるのよ!」

 「そうだな!」

 祐二はそう言うとエアガンを構えて敵に向けて撃った!

 「ぬおっ⁉︎ HITッ⁉︎」

 「1ダウン!」

 「ナイスよ、祐二!」

 彩はそう言いながら、エアガンに付いているマガジンを差し替える。

 「倒せたのはいいが、このままじゃジリ貧だな」

 「そうね。味方が来て来れれば……あっ⁉︎」

 「どうした? 彩?」

 「…あれ」

 「あれ?」

 祐二は彩が指をさしている方向に顔を向けると、はぐれていた勝平がキョロキョロして彷徨いていた。

 「アイツ生きてたのか」

 「そうみたいね! 勝平くぅ~ん‼︎」

 勝平は彩の呼び掛ける声に反応して、こっちを向いた!

 「彩さぁん! 祐二さんもぉ~! 生きていたんですかぁ‼︎」

 「そうよ! こっちはピンチに陥ってるから、手助けしてくれるかしら?」

 「お安い御用です! 今そっちに向かいますねぇ~‼︎」

 そう言って走って来る勝平の姿に、祐二と彩は焦った表情を見せる!

 「待て待てっ⁉︎ 今こっちに来るなっ‼︎」

 「今来たら、やられちゃう…」

 「ギャアアアアアアアアアアアアッッッ‼︎⁉︎」

 勝平は敵の集中砲火を浴びたのか、叫び声がフィールド内に響き渡る!

 「「遅かったかぁ~……」」

 そして彩と祐二は頭を抱えながら、そう言ったのだった。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

体育教師に目を付けられ、理不尽な体罰を受ける女の子

恩知らずなわんこ
現代文学
入学したばかりの女の子が体育の先生から理不尽な体罰をされてしまうお話です。

御伽噺のその先へ

雪華
キャラ文芸
ほんの気まぐれと偶然だった。しかし、あるいは運命だったのかもしれない。 高校1年生の紗良のクラスには、他人に全く興味を示さない男子生徒がいた。 彼は美少年と呼ぶに相応しい容姿なのだが、言い寄る女子を片っ端から冷たく突き放し、「観賞用王子」と陰で囁かれている。 その王子が紗良に告げた。 「ねえ、俺と付き合ってよ」 言葉とは裏腹に彼の表情は険しい。 王子には、誰にも言えない秘密があった。

保健室の秘密...

とんすけ
大衆娯楽
僕のクラスには、保健室に登校している「吉田さん」という女の子がいた。 吉田さんは目が大きくてとても可愛らしく、いつも艶々な髪をなびかせていた。 吉田さんはクラスにあまりなじめておらず、朝のHRが終わると帰りの時間まで保健室で過ごしていた。 僕は吉田さんと話したことはなかったけれど、大人っぽさと綺麗な容姿を持つ吉田さんに密かに惹かれていた。 そんな吉田さんには、ある噂があった。 「授業中に保健室に行けば、性処理をしてくれる子がいる」 それが吉田さんだと、男子の間で噂になっていた。

AIアイドル活動日誌

ジャン・幸田
キャラ文芸
 AIアイドル「めかぎゃるず」はレトロフューチャーなデザインの女の子型ロボットで構成されたアイドルグループである。だからメンバーは全てカスタマーされた機械人形である!  そういう設定であったが、実際は「中の人」が存在した。その「中の人」にされたある少女の体験談である。

百合系サキュバスにモテてしまっていると言う話

釧路太郎
キャラ文芸
名門零楼館高校はもともと女子高であったのだが、様々な要因で共学になって数年が経つ。 文武両道を掲げる零楼館高校はスポーツ分野だけではなく進学実績も全国レベルで見ても上位に食い込んでいるのであった。 そんな零楼館高校の歴史において今まで誰一人として選ばれたことのない“特別指名推薦”に選ばれたのが工藤珠希なのである。 工藤珠希は身長こそ平均を超えていたが、運動や学力はいたって平均クラスであり性格の良さはあるものの特筆すべき才能も無いように見られていた。 むしろ、彼女の幼馴染である工藤太郎は様々な部活の助っ人として活躍し、中学生でありながら様々な競技のプロ団体からスカウトが来るほどであった。更に、学力面においても優秀であり国内のみならず海外への進学も不可能ではないと言われるほどであった。 “特別指名推薦”の話が学校に来た時は誰もが相手を間違えているのではないかと疑ったほどであったが、零楼館高校関係者は工藤珠希で間違いないという。 工藤珠希と工藤太郎は血縁関係はなく、複雑な家庭環境であった工藤太郎が幼いころに両親を亡くしたこともあって彼は工藤家の養子として迎えられていた。 兄妹同然に育った二人ではあったが、お互いが相手の事を守ろうとする良き関係であり、恋人ではないがそれ以上に信頼しあっている。二人の関係性は苗字が同じという事もあって夫婦と揶揄されることも多々あったのだ。 工藤太郎は県外にあるスポーツ名門校からの推薦も来ていてほぼ内定していたのだが、工藤珠希が零楼館高校に入学することを決めたことを受けて彼も零楼館高校を受験することとなった。 スポーツ分野でも名をはせている零楼館高校に工藤太郎が入学すること自体は何の違和感もないのだが、本来入学する予定であった高校関係者は落胆の声をあげていたのだ。だが、彼の出自も相まって彼の意志を否定する者は誰もいなかったのである。 二人が入学する零楼館高校には外に出ていない秘密があるのだ。 零楼館高校に通う生徒のみならず、教員職員運営者の多くがサキュバスでありそのサキュバスも一般的に知られているサキュバスと違い女性を対象とした変異種なのである。 かつては“秘密の花園”と呼ばれた零楼館女子高等学校もそういった意味を持っていたのだった。 ちなみに、工藤珠希は工藤太郎の事を好きなのだが、それは誰にも言えない秘密なのである。 この作品は「小説家になろう」「カクヨム」「ノベルアッププラス」「ノベルバ」「ノベルピア」にも掲載しております。

後悔と快感の中で

なつき
エッセイ・ノンフィクション
後悔してる私 快感に溺れてしまってる私 なつきの体験談かも知れないです もしもあの人達がこれを読んだらどうしよう もっと後悔して もっと溺れてしまうかも ※感想を聞かせてもらえたらうれしいです

鐘ヶ岡学園女子バレー部の秘密

フロイライン
青春
名門復活を目指し厳しい練習を続ける鐘ヶ岡学園の女子バレー部 キャプテンを務める新田まどかは、身体能力を飛躍的に伸ばすため、ある行動に出るが…

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

処理中です...