サバゲーマーズ!

青空鰹

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32.残り2試合表ゲームスタート

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 チーム分けも済んだところで、フィールドマスターが説明を始める。

 「はい! チーム分けも済んだので説明に入ります! もう皆さまが知っているフラッグ戦を行います! なお、この表と裏のゲームをやって本日の定例会を終了とさせて頂きます!
 改めてルールをご説明致します! 相手チームのフラッグを取ればそのチームの勝利! 復活は無しです!
 ゲーム中に転んだり壁にぶつかったりして怪我をしないようにして下さい! ではゲートオープンします!」

 フィールドオーナーがそう言うのと同時に、ゲームフィールドの入り口がスタッフの手で開かれ、そこに次々に参加者が入って行く。

 「祐二さん…俺達勝てますかね?」

 「勝ちたいんなら頑張って勝て」

 「そんなご無体なぁ~……」

 そう言って縋り付く勝平に対して、祐二は面倒臭そうな顔で顔を逸らす。

 「勝平くんの活躍に掛かってるから頑張ってちょうだい!」

 「はい彩さん! 俺精一杯頑張りますっ‼︎」

 …ホント。コイツ乗せやれやすいんだよなぁ~……。

 そんなことを思いながら祐二さん達と共にフィールドの中へと入って行き、自分が所属しているチームのフラッグに向かう。

 翔也は時間が気になったので腕時計を見つめた。

 「サバイバルゲームの閉会って、こんなに早いんですね」

 時刻は午後3時43分。1試合10分で休憩5分。それを2回と考えると後30分で今日のサバゲーが終わる予定だ。

 「あ~あ……まぁ大体のフィルードはこれぐらいの時間で続けるか終わるか検討するからな」

 「それにね。あんまり暗くなっちゃうと怪我をする危険性もあるからね」

 「ああ~……」

 「言われてみれば確かに」

 ※サバイバルゲームフィールドは季節によって終わる時間帯が変わるところもある!
 大体午後4時30分辺りが目安だが、夏場になると午後5時もやるところもあるぞ! さっきも言ったが最後までいる必要がないから、途中で抜けて帰ることも有りだぞ!

 そんなことを話していたら、フィールドスタッフがチーム全体を見渡せる位置にやって来た。

 「はい! 皆さん注目! これからフラッグ戦を行います! ルール説明は不要と思いますが、念の為もう一度説明させて頂きます!
 ゲームは簡単! 相手チームのフラッグを取ったチームの勝利です! なおフラッグを押す際は走り込んでのフラッグゲットはNG行為なので止めて下さい!
 そしてフラッグを押したときも、ピッ⁉︎ とワンプッシュするだけフラッグゲットになりません! 必ず押っぱなしにして下さい!
 実演します!」

 スタッフはそう言ってフラッグであるホーンを手に取ると、ボタンを押した。

 ピィイイイイイイイイイイイイッ!⁉︎

 「…と、こんなふうに押して下さい! スタッフが終了の言葉を言うまではゲームは続行なので気を付けて下さい!
 何か質問ありますか? …………ないようですね! この試合を含めて残り2試合なので、悔いのないように頑張って下さい!」

 フィールドスタッフはそう言うと無線機を手に取り、「黄色チーム準備完了」と言った。

 「もうすぐ始まるんですね」

 「向こうのチームも準備完了してたらな」

 「……え? どういうこと?」

 「向こうも私達と同ことを話しているから、質問とかあったらちょっとだけ長引いたりするのよ」

 ああ……そうなんだ。

 何て思っていたら、アナウンスが流れて来た。

 『両チーム準備完了! 10分間のフラッグ戦! 戦闘開始5秒前! 4…3…2…1…ゲームスタート!』

 その言葉と共に周りにいた味方が走って行く! のだが……。

 あれ? 午前中に比べると、みんなノロノロ動いている気がするような……。

 ※サバゲーをやっているヤツはもう知ってると思うが、ゲームを重ねていくに連れて、体力を消耗してしまっているヤツが出てくる!
 だから残り2試合にもなると走って行くヤツが少くなるのだ!

 「とにかく祐二さん達と……あれ?」

 前を走っていた筈の祐二さん達が何故かいなくなっていた!

 「ヤバッ⁉︎ 見失った‼︎」

 翔也はそう言いながら辺りを見回すが、祐二や彩どころか勝平の姿すら見当たらない状況に陥ってしまった!

 「うわ~……この状況どうする?」

 ぶっちゃけ言ってしまえばサバゲー初日だから1人で進むのは相当勇気がいる。

 ……まぁ進んでいれば何処かで会えるかもしれないし、何よりも進んで行けば祐二さん達に会えるかもしれない。

 翔也は周りに味方がいるのにも関わらず、周囲を警戒しつつ進んで行く。ところ変わって祐二達は……。

 「……あれ? 翔也くんと勝平くんがどっか行っちゃったわ」

 「え?」

 彩の言葉を聞いた祐二は、辺りを見回して2人近くにいるか確認をする。

 「……本当だ」

 「もう…何処に行っちゃったのかしら?」

 「ゲームが終わればセーフティーで会えるんだから、心配しなくてもいいんじゃないか?」

 「う~ん……単独行動も成長に必要なことだし、祐二の言う通り気にしないようにするわ。
 それに進んでいれば2人に会えるかもしれないし……」

 「その通りだ。行こう彩」

 「ええ」

 祐二達はエアガンを構えながら、フラッグ目指して進むのであった。
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