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エルフ至上主義者の話
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ルル達は遊び(?)に満足したのか、ベンチに座って見守っていた俺の下にやって来た。
「みんな怪我とか傷はしてない?」
「キャンッ⁉︎」
プルンッ⁉︎
「~~~♪」
俺に対して「大丈夫!」と言いたそうな返事をした後にプル太郎が頭の上に乗り、ファニーちゃんは肩に乗った。そういうことが出来ないルルは抱っこして欲しいと言わんばかりに、目の前で飛び跳ねてアピールする。
相変わらずルルは可愛いなぁ~……。
「はいはい。抱っこしてあげるから」
「キャンッ⁉︎」
ルルは「はぁい!」と返事をするとその場でお座りしたので、抱っこしてあげると宿に向かって歩き出す。
「今日の晩御飯は何だろうねぇ~」
プルンッ⁉︎
プル太郎が「スープ!」と言いたそうに震えた。
「スープはいつも出てるでしょ」
「~~~♪」
今度は「甘いもの!」と言いたそうな声を出した。
「具体的な内容を言ってちょうだい」
「私はステーキがいいと思う!」
「私はパスタがよろしいかと思っておりますが」
「うんうん……何でマナさん達が話に入って来てるのかなぁ?」
声がした方に顔を向けると、サシャさん達が笑顔を向けて来る。
「偶然見掛けたので挨拶でもと思いまして」
「そうですか。ところで、変た……ビッグゴーレムのときに一緒に戦ってくれたメイドさん達は、大丈夫ですか?」
「ええ、大した怪我はないのでご安心して下さい。それにカイリ様の手を煩わせてしまったので、再訓練をしております」
「再訓練?」
サシャさんじゃ答えてくれそうにないので、マナさんの方に顔を向けてみたら目を逸らされた。
「あ…うん。気にしない方がいいよ」
マナさんがそう言うのなら気にしないでおこう。
「ところでカイリ様、あのビッグゴーレムは強かったと聞いております。レベルはどのくらい上がりましたか?」
「ああ~……Lv10だから大して上がらなかったよ」
そう言うと2人は期待外れだったのか、残念そうな顔で見つめて来た。
「まぁ上がっただけでもよかったんじゃない?」
「そうですね。それにビッグゴーレムを倒すのに色んな人々が関わったので、妥当だと思いますよ」
慰めてくれるのは有り難いけど、気にしている部分だからちょっと傷付く。
「そんなことよりも! カイリ、明後日暇?」
「暇と言えば暇だけど……どうしたんですか?」
「私と一緒にダンジョンに行こう!」
「ダンジョン⁉︎ マナさん仕事大丈夫なのか?」
「明後日から連休入るから平気だよ!」
そう言って自信満々に胸を叩くマナさんだが、サシャさんが俺の横にやって来て耳打ちして来た。
「実はマナが“カイリと一緒に行きたいぃ~! サシャばっかズルイ‼︎”と言って駄々こねたので、カイリ様の許可を取ってからダンジョンに行くと言う話をして先延ばしにしていたのですが……」
「ここでバッタリ会っちゃった。ってことですね」
「はい」
サシャさんはそう返事をすると、ため息を吐いた。
サシャさん的には邸宅で仕事をして欲しかったんだろうなぁ。
「何か、すみません」
「カイリ様のせいではありませんよ。ですが今回はマナと共に行くと言うことなので、ダンジョンで行動するときに必要な道具は自分でご用意して下さい」
「分かりました」
まぁ明後日行くのだから報告やら買い物は明日やろう。
「カイリ、明後日の7時に宿に行くから忘れないでね!」
「ああ、分かった」
「それじゃあね!」
「あ、コラ! 待ちなさいマナ!」
嬉しそうに走り去って行くマナさんの後ろを、サシャさんは慌てた様子で追って行く。
「……急にダンジョンに行くことが決まっちゃったね」
「キャンッ⁉︎」
腕の中にいるルルが、「ダンジョン楽しいからいいじゃん!」みたいなことを言ってくる。
まぁルル達が「またダンジョンに行きたい」みたいなことを言ってたから、ちょうどいい機会かもしれない。
「多分、そのときはこの間行ったときよりも深く潜るかもしれないよ」
「~~~♪」
ファニーちゃんが「そうかなぁ?」と言いたそうな声を出す。
「この間行ったときよりも強くなっているからさ、もしかしたらって話だよ」
「~~~♪」
「~~~♪」
「ああ~」と言いたそうな声を出した後、顔に寄り掛かって来た。
ファニーちゃんも可愛いなぁ~……と、もう宿に着いてしまった。
「ただいま戻りました」
「ん…夕食はまだ出来てないから部屋で待ってくれ」
ユーダさんはそう言うと部屋の鍵を渡してくれた。
「ありがとうございます……あ、そうだ! ユーダさんってエルフの村出身ですか?」
「ん? そうだが……それがどうした?」
「サニーさんから聞いた話なんですけど、妖精族がファニーちゃんに会いに来るんだけど、何か付き添いの人達がエルフ至上主義者っぽい人が来るらしいんです」
「……本当の話なのか?」
俺の話が癇に障ったのか怖い顔をさせながら聞いて来る。しかもルル達も怯えた表情させている。
「あ…はい。日程はまだ決まってないので、いつ来るかわかりません」
「…………そうか」
ユーダさんはそう言うと椅子から立ち上がり、番台から離れて行ってしまった。
「…え? 俺もしかしてマズイこと言っちゃったかな?」
プルンッ⁉︎
プル太郎が「そんなことないと思うよ」と言いたそうな感じに震えて答えてくれたら、「何ですってええええええええええええっ‼︎⁉︎」と言うチェシーさんの声に俺達はビックリしてしまう。
「マジでヤバイことを聞いちゃったかもしれない!」
そう言ったら奥の方からチェシーさんがドカドカと足音を鳴らしながら現れて、俺の前にやって来た。
「カイリ、アンタまさか! あの時代遅れの引きこもり共と会うの⁉︎」
「会うのは妖精族の方でエルフはその付き添いって話だけど……」
「アイツら、他の種族と関わりたくないから森から出たがらない筈なのに……もしかして妖精達の株上げの為に? だとしても常識がないアイツらがやって行ける?」
「あの…チェシーさん?」
「あっ⁉︎ ゴメン、カイリ。アイツらのことを考えたらつい頭に血が上って…」
「いえ、気にしないで下さい。それよりも、チェシーさんはエルフ至上主義者達のことを詳しく知ってるんですか?」
「そうね! しかも私の親が対立関係の派閥にいるから、しょっちゅう話を聞かされていたわ!」
あ、チェシーさんの親はエルフの里で政治家をやってたんだな。
「外部との交流を持とうとしたら、ダメだ! 聖地が穢れる! 下等な種族と交流を持つのか⁉︎ なんて言って来るのよ!」
「何よりも俺達の商品を買い付けに来てくれた商人を、勝手に追い返したのはビックリした」
「定期的に来てくれる人じゃなく?」
「俺達夫婦が来て欲しいと手紙で頼んだ商人だ。それとこれは50年前の話だ」
ならやっちゃダメじゃない! それに50年前ってだいぶ昔の……いや、長生きするエルフ族だから昔の話って捉えれられないよな。
「そうね。アイツらのせいでこっちは損失が出たんだから、頭に来ちゃうわ」
「それが嫌になって街に来た。そんときもエルフの恥晒しとか村には入れさせないとか言っていたな」
「実質その人達だけが言ってるだけだから、そんなに気にしなくてもいいんじゃないですか?」
俺がそう言うとルル達も首を縦に振った。
「そうね。って言いたいんだけど、アイツらはアイツらで権力を持っているから何とも言えないのよ」
チェシャーさんはそう言うと俺の肩に手を置いた。
「いいかいカイリ、アイツらはエルフの中でも頭がとち狂ってる連中だから何を仕出かすかわからない。だから会うときは気を引き締めるんだよ。じゃないと痛い目に会うよ」
「わ…わかりました」
「じゃあアタシはご飯の準備に戻るから部屋で待ってな」
チェシーさんはそう言うと厨房の方へと向かって行く。
「みんな怪我とか傷はしてない?」
「キャンッ⁉︎」
プルンッ⁉︎
「~~~♪」
俺に対して「大丈夫!」と言いたそうな返事をした後にプル太郎が頭の上に乗り、ファニーちゃんは肩に乗った。そういうことが出来ないルルは抱っこして欲しいと言わんばかりに、目の前で飛び跳ねてアピールする。
相変わらずルルは可愛いなぁ~……。
「はいはい。抱っこしてあげるから」
「キャンッ⁉︎」
ルルは「はぁい!」と返事をするとその場でお座りしたので、抱っこしてあげると宿に向かって歩き出す。
「今日の晩御飯は何だろうねぇ~」
プルンッ⁉︎
プル太郎が「スープ!」と言いたそうに震えた。
「スープはいつも出てるでしょ」
「~~~♪」
今度は「甘いもの!」と言いたそうな声を出した。
「具体的な内容を言ってちょうだい」
「私はステーキがいいと思う!」
「私はパスタがよろしいかと思っておりますが」
「うんうん……何でマナさん達が話に入って来てるのかなぁ?」
声がした方に顔を向けると、サシャさん達が笑顔を向けて来る。
「偶然見掛けたので挨拶でもと思いまして」
「そうですか。ところで、変た……ビッグゴーレムのときに一緒に戦ってくれたメイドさん達は、大丈夫ですか?」
「ええ、大した怪我はないのでご安心して下さい。それにカイリ様の手を煩わせてしまったので、再訓練をしております」
「再訓練?」
サシャさんじゃ答えてくれそうにないので、マナさんの方に顔を向けてみたら目を逸らされた。
「あ…うん。気にしない方がいいよ」
マナさんがそう言うのなら気にしないでおこう。
「ところでカイリ様、あのビッグゴーレムは強かったと聞いております。レベルはどのくらい上がりましたか?」
「ああ~……Lv10だから大して上がらなかったよ」
そう言うと2人は期待外れだったのか、残念そうな顔で見つめて来た。
「まぁ上がっただけでもよかったんじゃない?」
「そうですね。それにビッグゴーレムを倒すのに色んな人々が関わったので、妥当だと思いますよ」
慰めてくれるのは有り難いけど、気にしている部分だからちょっと傷付く。
「そんなことよりも! カイリ、明後日暇?」
「暇と言えば暇だけど……どうしたんですか?」
「私と一緒にダンジョンに行こう!」
「ダンジョン⁉︎ マナさん仕事大丈夫なのか?」
「明後日から連休入るから平気だよ!」
そう言って自信満々に胸を叩くマナさんだが、サシャさんが俺の横にやって来て耳打ちして来た。
「実はマナが“カイリと一緒に行きたいぃ~! サシャばっかズルイ‼︎”と言って駄々こねたので、カイリ様の許可を取ってからダンジョンに行くと言う話をして先延ばしにしていたのですが……」
「ここでバッタリ会っちゃった。ってことですね」
「はい」
サシャさんはそう返事をすると、ため息を吐いた。
サシャさん的には邸宅で仕事をして欲しかったんだろうなぁ。
「何か、すみません」
「カイリ様のせいではありませんよ。ですが今回はマナと共に行くと言うことなので、ダンジョンで行動するときに必要な道具は自分でご用意して下さい」
「分かりました」
まぁ明後日行くのだから報告やら買い物は明日やろう。
「カイリ、明後日の7時に宿に行くから忘れないでね!」
「ああ、分かった」
「それじゃあね!」
「あ、コラ! 待ちなさいマナ!」
嬉しそうに走り去って行くマナさんの後ろを、サシャさんは慌てた様子で追って行く。
「……急にダンジョンに行くことが決まっちゃったね」
「キャンッ⁉︎」
腕の中にいるルルが、「ダンジョン楽しいからいいじゃん!」みたいなことを言ってくる。
まぁルル達が「またダンジョンに行きたい」みたいなことを言ってたから、ちょうどいい機会かもしれない。
「多分、そのときはこの間行ったときよりも深く潜るかもしれないよ」
「~~~♪」
ファニーちゃんが「そうかなぁ?」と言いたそうな声を出す。
「この間行ったときよりも強くなっているからさ、もしかしたらって話だよ」
「~~~♪」
「~~~♪」
「ああ~」と言いたそうな声を出した後、顔に寄り掛かって来た。
ファニーちゃんも可愛いなぁ~……と、もう宿に着いてしまった。
「ただいま戻りました」
「ん…夕食はまだ出来てないから部屋で待ってくれ」
ユーダさんはそう言うと部屋の鍵を渡してくれた。
「ありがとうございます……あ、そうだ! ユーダさんってエルフの村出身ですか?」
「ん? そうだが……それがどうした?」
「サニーさんから聞いた話なんですけど、妖精族がファニーちゃんに会いに来るんだけど、何か付き添いの人達がエルフ至上主義者っぽい人が来るらしいんです」
「……本当の話なのか?」
俺の話が癇に障ったのか怖い顔をさせながら聞いて来る。しかもルル達も怯えた表情させている。
「あ…はい。日程はまだ決まってないので、いつ来るかわかりません」
「…………そうか」
ユーダさんはそう言うと椅子から立ち上がり、番台から離れて行ってしまった。
「…え? 俺もしかしてマズイこと言っちゃったかな?」
プルンッ⁉︎
プル太郎が「そんなことないと思うよ」と言いたそうな感じに震えて答えてくれたら、「何ですってええええええええええええっ‼︎⁉︎」と言うチェシーさんの声に俺達はビックリしてしまう。
「マジでヤバイことを聞いちゃったかもしれない!」
そう言ったら奥の方からチェシーさんがドカドカと足音を鳴らしながら現れて、俺の前にやって来た。
「カイリ、アンタまさか! あの時代遅れの引きこもり共と会うの⁉︎」
「会うのは妖精族の方でエルフはその付き添いって話だけど……」
「アイツら、他の種族と関わりたくないから森から出たがらない筈なのに……もしかして妖精達の株上げの為に? だとしても常識がないアイツらがやって行ける?」
「あの…チェシーさん?」
「あっ⁉︎ ゴメン、カイリ。アイツらのことを考えたらつい頭に血が上って…」
「いえ、気にしないで下さい。それよりも、チェシーさんはエルフ至上主義者達のことを詳しく知ってるんですか?」
「そうね! しかも私の親が対立関係の派閥にいるから、しょっちゅう話を聞かされていたわ!」
あ、チェシーさんの親はエルフの里で政治家をやってたんだな。
「外部との交流を持とうとしたら、ダメだ! 聖地が穢れる! 下等な種族と交流を持つのか⁉︎ なんて言って来るのよ!」
「何よりも俺達の商品を買い付けに来てくれた商人を、勝手に追い返したのはビックリした」
「定期的に来てくれる人じゃなく?」
「俺達夫婦が来て欲しいと手紙で頼んだ商人だ。それとこれは50年前の話だ」
ならやっちゃダメじゃない! それに50年前ってだいぶ昔の……いや、長生きするエルフ族だから昔の話って捉えれられないよな。
「そうね。アイツらのせいでこっちは損失が出たんだから、頭に来ちゃうわ」
「それが嫌になって街に来た。そんときもエルフの恥晒しとか村には入れさせないとか言っていたな」
「実質その人達だけが言ってるだけだから、そんなに気にしなくてもいいんじゃないですか?」
俺がそう言うとルル達も首を縦に振った。
「そうね。って言いたいんだけど、アイツらはアイツらで権力を持っているから何とも言えないのよ」
チェシャーさんはそう言うと俺の肩に手を置いた。
「いいかいカイリ、アイツらはエルフの中でも頭がとち狂ってる連中だから何を仕出かすかわからない。だから会うときは気を引き締めるんだよ。じゃないと痛い目に会うよ」
「わ…わかりました」
「じゃあアタシはご飯の準備に戻るから部屋で待ってな」
チェシーさんはそう言うと厨房の方へと向かって行く。
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