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ファニーの選択
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書類に目を通したアンリーさんがファニーちゃんの方に顔を向けて話を切り出す。
「それでねぇ~。アタシ達冒険者ギルドと錬金術ギルド。それに商業ギルドはファニーちゃんのことを保護しようって考えているのだけれどもぉ……♡」
「ファニーちゃんの保護だってぇ⁉︎」
「そうよぉ~。サニーちゃぁんから話を聞いてると思うけど、フェアリーの鱗粉は貴重…とまでは言わないけど、それなりに高値で売買されるからねぇ~♡」
そう言えばダンジョンでサニーさん達が言っていたな。
「もちろんカイリさんの従魔なので、ファニーを奪い取ろうとしたら犯罪行為に当たりますよ。しかし悪い人はいるものなんですよ」
「まぁ……」
ファニーちゃんのことを考えたら保護して貰った方がいいと思うけど、果たしてファニーちゃんは納得してくれるのだろうか?
ルルやプル太郎。それに張本人のファニーちゃんも不安そうな顔で俺やアンリーさんの顔を見つめる。
「ちょっとぉ……難しい話をしちゃったわねぇ。アタシ達は提案をしているだけだから、ファニーちゃん達がどうしたいのか話し合って答えを出すのが1番よねぇ~♡」
「ああ…はい」
確かに言われてみればそうだ。アンリーさんはあくまでもギルド長として、ファニーちゃんの身柄の保護を俺達に提案しているだけ。その提案を受け入れるか拒否するかは俺達次第だ。
カイリは意を結したような顔でファニーを見つめる。
「……なぁファニーちゃん。俺としてはファニーちゃんのことを頼りにしているから、これからもいて欲しいって思っているんだ。…ファニーちゃんはどう思ってる?」
「~~~♪」
「う~ん……」と言い、困ったような顔させながらルルを見つめる。
「キャンッ⁉︎」
ルルは「寂しいよ!」と言いたそうな鳴き声を上げる。
プルンッ⁉︎
プル太郎の方も「一緒がいい!」と言いたそうに震える。
「…………~~~♪」
悩みに悩んだファニーは、カイリの肩に降りて寄り添うように身体くっ付けた。
「なるほどねぇ~……カイリちゃぁんと一緒にいたいのねぇ~♡」
「~~~♪」
ファニーは「うん!」と言いそうな声を上げながら首を縦に振った。
「彼女の意志を尊重しましょう! カイリちゃぁん、何かあったらアタシ達のところか、サニーちゃぁんのところ。それかバルグちゃぁんのところに駆け込んでちょうだいねぇ~。何が来ても対処してあげるからぁ~♡」
「分かりました!」
何が来ても。ってところが気になるが、アンリーさん達に頼れるのは有り難い。
「この話はこれでお終い。それでもう1つの話をしましょう♡」
「もう1つの話?」
ファニーちゃん関連以外の話か?
「ファニーちゃんの故郷に居場所を伝える。と言う話ですよ」
「ああ~……。そう言えばダンジョンに潜っているときに、サニーさん達がそう言ってた気がする」
「ええ、サニー様が妖精国と関わりのある者にファニーさんが無事と言う連絡を入れて貰うようお願いを致しました」
「お仕事早いですね」
もっと時間が掛るんじゃないか? って考えてた。
「……はい。あとは向こうからの連絡を待つだけです。向こうからの連絡が来たらカイリさんにお伝え致します」
「分かりました。ありがとうございます」
「~~~♪」
「キャンッ⁉︎」
プルンッ⁉︎
ルル達も俺と同じようにアンジーさん達にお礼を述べながら頭を下げた。
「いいえ、構いませんよ。私達の仕事の一部なので…ところでカイリさんに伝言を頼まれています」
「伝言? 誰からですか?」
「錬金術ギルドのサニー様からです」
アンジーさんはそう言うと、ポケットから手紙を取り出して広げた。
「ダンジョンの報酬の話をしたいから、今から錬金術ギルドに来てちょうだい! とのことです」
「ああ~……ってことは、ダンジョンで拾った錬金素材の査定が終わったんだぁ~」
「あらぁ~。ダンジョンでいいものいっぱい拾ったのねぇ~♡」
「はい! ……と言いたいところなんだけど、錬金術師とか薬剤師とかからして見れば。の話になるんですよねぇ~」
大体途中から俺のレベル上げから素材採取になってしまったから、あんまり経験値稼ぎしてない気がする。
「まぁ…カイリさんは錬金術師ですから、いいじゃないですか」
「アンジーちゃんの言う通りよぉ~。お金がないと生活が苦しくなっちゃうんだからぁ~…。お金を稼げる時は稼がないとダメよぉ~~~♡」
多分アンリーさんは経験談として語ってるんだろうな。
「は…はい」
でも身体をウネウネさせながら言うのは止めて欲しい。
「先ほど届いた手紙なので、今から向かった方がいいと思いますよ」
「ああ、そうだね。みんな行こうか!」
「キュ~ン?」
ルルが「依頼は?」と言いたそうな鳴き声でカイリの方に顔を向ける。
「時間があったら門の外に出てキバネズミを討伐しよう。そんで倒したのは買い取って貰おう。それでも大丈夫ですよね?」
「討伐料金は出ないけどぉ~。素材だけの料金は出るわぁ~♡」
やっぱそうなるよなぁ~……だったら!
「じゃあ時間に余裕があったら、ギルドに立ち寄って依頼を受けてから行こうか」
「~~~♪」
プルンッ⁉︎
ファニーちゃんとプル太郎は「賛成!」と言いたそうな返事をした。
「……キャンッ!」
ルルも「分かった!」と言いたそうな鳴き声を上げて膝の上から床へと飛び降り、プル太郎がカイリの頭の上に飛び乗った。
プルンッ⁉︎
「準備OK!」と言いたそうに身体を震わせる姿に、アンジーさんやアンリーさんは癒されたような顔を浮かべる。
うんうん…アンリーさん達もルル達の可愛さに心打たれているみたいだ。……とっ⁉︎ そんなことを言っている場合じゃなかった!
「それじゃ何かあったら、お声掛けします!」
「カイリちゃぁん、気を付けてねぇ~♡」
「職員に話を通せばいつでも駆け付けるように致しますので、お気軽に言って下さい」
カイリ達はアンリー達に見送られる形で、冒険者ギルドを後にしたのであった。そして冒険者ギルドを出てから10分後に錬金術ギルドに着いた。
「冒険者ギルドに近くてよかったねぇ~」
「キャンッ⁉︎」
プルンッ⁉︎
「~~~♪」
ルル達も「そうだね!」と言いたそうな返事を聞きながら錬金術ギルドの中へと入って行き、誰もいない受付けへと向かう。
「すみません! どなたかいませんかぁ!」
「来たのね、カイリッ‼︎」
いの1番にカウンターの奥からサニーさんが全力疾走で俺の元にやって来た。
「サニーさん……ここ走るの禁止じゃないんですか?」
カイリの言葉に返事をするように周りにいた職員達が頷いた。
「そうね! でもそんなことどうでもいいわ! 昨日の報酬の件について話したいの! 早くこっちに来て‼︎」
サニーはそう言いながら、カイリの腕を引っ張って応接室へと連れて行く。
「お待ちしておりました。カイリ様」
「サシャさん⁉︎ 来てたんですか?」
「はい。私もパーティーメンバーだったので報酬を頂けることになりました」
サシャさんはそう言うと紅茶に口を付けて優雅に飲む。
ああ…これが育ちがいい人の紅茶の飲み方なんだなぁ~……。
カイリはそんなことを思いつつサシャの隣へと座ったら、プル太郎がサシャの元へと近付く。
「もしかしてプル太郎様は、私の膝上に乗りたいのですか?」
プルンッ⁉︎
プル太郎は「うん!」と元気に身体を震わせた後にサシャさんの膝の上に乗った。
「どうやらプル太郎はサシャさんのことを気に入ったみたいです」
「……そうですか。気に入って頂けて嬉しいです」
サシャさんはそう言うと、空いた方の手でプル太郎の身体を撫でる。
プルンッ⁉︎
撫でられたプル太郎は嬉しそうな様子を見せる。
サシャさんに懐くのはいいけど、プル太郎の主人である俺としてはちょっと寂しい気がする……。
カイリはサシャに撫でられて嬉しそうにしているプル太郎を、複雑な気持ちで見つめるのであった。
「それでねぇ~。アタシ達冒険者ギルドと錬金術ギルド。それに商業ギルドはファニーちゃんのことを保護しようって考えているのだけれどもぉ……♡」
「ファニーちゃんの保護だってぇ⁉︎」
「そうよぉ~。サニーちゃぁんから話を聞いてると思うけど、フェアリーの鱗粉は貴重…とまでは言わないけど、それなりに高値で売買されるからねぇ~♡」
そう言えばダンジョンでサニーさん達が言っていたな。
「もちろんカイリさんの従魔なので、ファニーを奪い取ろうとしたら犯罪行為に当たりますよ。しかし悪い人はいるものなんですよ」
「まぁ……」
ファニーちゃんのことを考えたら保護して貰った方がいいと思うけど、果たしてファニーちゃんは納得してくれるのだろうか?
ルルやプル太郎。それに張本人のファニーちゃんも不安そうな顔で俺やアンリーさんの顔を見つめる。
「ちょっとぉ……難しい話をしちゃったわねぇ。アタシ達は提案をしているだけだから、ファニーちゃん達がどうしたいのか話し合って答えを出すのが1番よねぇ~♡」
「ああ…はい」
確かに言われてみればそうだ。アンリーさんはあくまでもギルド長として、ファニーちゃんの身柄の保護を俺達に提案しているだけ。その提案を受け入れるか拒否するかは俺達次第だ。
カイリは意を結したような顔でファニーを見つめる。
「……なぁファニーちゃん。俺としてはファニーちゃんのことを頼りにしているから、これからもいて欲しいって思っているんだ。…ファニーちゃんはどう思ってる?」
「~~~♪」
「う~ん……」と言い、困ったような顔させながらルルを見つめる。
「キャンッ⁉︎」
ルルは「寂しいよ!」と言いたそうな鳴き声を上げる。
プルンッ⁉︎
プル太郎の方も「一緒がいい!」と言いたそうに震える。
「…………~~~♪」
悩みに悩んだファニーは、カイリの肩に降りて寄り添うように身体くっ付けた。
「なるほどねぇ~……カイリちゃぁんと一緒にいたいのねぇ~♡」
「~~~♪」
ファニーは「うん!」と言いそうな声を上げながら首を縦に振った。
「彼女の意志を尊重しましょう! カイリちゃぁん、何かあったらアタシ達のところか、サニーちゃぁんのところ。それかバルグちゃぁんのところに駆け込んでちょうだいねぇ~。何が来ても対処してあげるからぁ~♡」
「分かりました!」
何が来ても。ってところが気になるが、アンリーさん達に頼れるのは有り難い。
「この話はこれでお終い。それでもう1つの話をしましょう♡」
「もう1つの話?」
ファニーちゃん関連以外の話か?
「ファニーちゃんの故郷に居場所を伝える。と言う話ですよ」
「ああ~……。そう言えばダンジョンに潜っているときに、サニーさん達がそう言ってた気がする」
「ええ、サニー様が妖精国と関わりのある者にファニーさんが無事と言う連絡を入れて貰うようお願いを致しました」
「お仕事早いですね」
もっと時間が掛るんじゃないか? って考えてた。
「……はい。あとは向こうからの連絡を待つだけです。向こうからの連絡が来たらカイリさんにお伝え致します」
「分かりました。ありがとうございます」
「~~~♪」
「キャンッ⁉︎」
プルンッ⁉︎
ルル達も俺と同じようにアンジーさん達にお礼を述べながら頭を下げた。
「いいえ、構いませんよ。私達の仕事の一部なので…ところでカイリさんに伝言を頼まれています」
「伝言? 誰からですか?」
「錬金術ギルドのサニー様からです」
アンジーさんはそう言うと、ポケットから手紙を取り出して広げた。
「ダンジョンの報酬の話をしたいから、今から錬金術ギルドに来てちょうだい! とのことです」
「ああ~……ってことは、ダンジョンで拾った錬金素材の査定が終わったんだぁ~」
「あらぁ~。ダンジョンでいいものいっぱい拾ったのねぇ~♡」
「はい! ……と言いたいところなんだけど、錬金術師とか薬剤師とかからして見れば。の話になるんですよねぇ~」
大体途中から俺のレベル上げから素材採取になってしまったから、あんまり経験値稼ぎしてない気がする。
「まぁ…カイリさんは錬金術師ですから、いいじゃないですか」
「アンジーちゃんの言う通りよぉ~。お金がないと生活が苦しくなっちゃうんだからぁ~…。お金を稼げる時は稼がないとダメよぉ~~~♡」
多分アンリーさんは経験談として語ってるんだろうな。
「は…はい」
でも身体をウネウネさせながら言うのは止めて欲しい。
「先ほど届いた手紙なので、今から向かった方がいいと思いますよ」
「ああ、そうだね。みんな行こうか!」
「キュ~ン?」
ルルが「依頼は?」と言いたそうな鳴き声でカイリの方に顔を向ける。
「時間があったら門の外に出てキバネズミを討伐しよう。そんで倒したのは買い取って貰おう。それでも大丈夫ですよね?」
「討伐料金は出ないけどぉ~。素材だけの料金は出るわぁ~♡」
やっぱそうなるよなぁ~……だったら!
「じゃあ時間に余裕があったら、ギルドに立ち寄って依頼を受けてから行こうか」
「~~~♪」
プルンッ⁉︎
ファニーちゃんとプル太郎は「賛成!」と言いたそうな返事をした。
「……キャンッ!」
ルルも「分かった!」と言いたそうな鳴き声を上げて膝の上から床へと飛び降り、プル太郎がカイリの頭の上に飛び乗った。
プルンッ⁉︎
「準備OK!」と言いたそうに身体を震わせる姿に、アンジーさんやアンリーさんは癒されたような顔を浮かべる。
うんうん…アンリーさん達もルル達の可愛さに心打たれているみたいだ。……とっ⁉︎ そんなことを言っている場合じゃなかった!
「それじゃ何かあったら、お声掛けします!」
「カイリちゃぁん、気を付けてねぇ~♡」
「職員に話を通せばいつでも駆け付けるように致しますので、お気軽に言って下さい」
カイリ達はアンリー達に見送られる形で、冒険者ギルドを後にしたのであった。そして冒険者ギルドを出てから10分後に錬金術ギルドに着いた。
「冒険者ギルドに近くてよかったねぇ~」
「キャンッ⁉︎」
プルンッ⁉︎
「~~~♪」
ルル達も「そうだね!」と言いたそうな返事を聞きながら錬金術ギルドの中へと入って行き、誰もいない受付けへと向かう。
「すみません! どなたかいませんかぁ!」
「来たのね、カイリッ‼︎」
いの1番にカウンターの奥からサニーさんが全力疾走で俺の元にやって来た。
「サニーさん……ここ走るの禁止じゃないんですか?」
カイリの言葉に返事をするように周りにいた職員達が頷いた。
「そうね! でもそんなことどうでもいいわ! 昨日の報酬の件について話したいの! 早くこっちに来て‼︎」
サニーはそう言いながら、カイリの腕を引っ張って応接室へと連れて行く。
「お待ちしておりました。カイリ様」
「サシャさん⁉︎ 来てたんですか?」
「はい。私もパーティーメンバーだったので報酬を頂けることになりました」
サシャさんはそう言うと紅茶に口を付けて優雅に飲む。
ああ…これが育ちがいい人の紅茶の飲み方なんだなぁ~……。
カイリはそんなことを思いつつサシャの隣へと座ったら、プル太郎がサシャの元へと近付く。
「もしかしてプル太郎様は、私の膝上に乗りたいのですか?」
プルンッ⁉︎
プル太郎は「うん!」と元気に身体を震わせた後にサシャさんの膝の上に乗った。
「どうやらプル太郎はサシャさんのことを気に入ったみたいです」
「……そうですか。気に入って頂けて嬉しいです」
サシャさんはそう言うと、空いた方の手でプル太郎の身体を撫でる。
プルンッ⁉︎
撫でられたプル太郎は嬉しそうな様子を見せる。
サシャさんに懐くのはいいけど、プル太郎の主人である俺としてはちょっと寂しい気がする……。
カイリはサシャに撫でられて嬉しそうにしているプル太郎を、複雑な気持ちで見つめるのであった。
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