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ルルの遊び道具くれた!
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2階に上がり、鍵に付いている番号と同じ部屋に入ると、ベッドの上に座って部屋の様子を見る。
「部屋中、悪くないなぁ」
ビジネスホテルの様な1人部屋を想像していたが、ベッドが2つもあってベッドの脇には荷物をそのまま置けるほど余裕がある。
もしかしてルルの分を考えてくれたから、ツインベッドがある部屋を用意してくれたのか?
「キャンッ! キャンッ!」
「ねぇ、ご飯まだぁ?」とルルが言いたそうに鳴き声を上げるので、落ち着かせる為に身体を撫でてあげる。
そう言えば、ご飯が出来てるか聞くって言ったもんなぁ。
「確認して来るから、ちょっと待っててくれ」
「キャンッ! キャンッ‼︎」
吠えながら俺の身体にのしかかって来たので、多分「ご主人様が行くなら自分も付いて行く!」と言っているのだと思う。
「分かった! 付いて来ていいから離れてくれ!」
俺がそう言うと、嬉しそうな顔ではしゃぎ回り始めた。
「全く……ルルは甘えん坊だなぁ」
「キャンッ!」
ルルはそう吠えると、俺と共に部屋を出る。一応、何も部屋に置いては無いが鍵を閉めておいてる。
「あのぉ、すみません」
「ん? どうしたんだ?」
「昼食の方はいつ頃に出来るんですか?」
「ああ、昼食。もう少しで出来上がるから待っていてくれ」
ああ、出来上がる前だったみたいだ。
「ルル、少しだけ待てば出来上がるみたいだ。それまで我慢してくれ」
「キャンッ!」
「ハァ~イ!」と言いたそうな鳴き声を上げた後、抱っこを強請って来たので抱っこしてあげる。
「……ホント。その犬、お前に懐いているなぁ」
「キャンッ! キャンッ‼︎」
「犬じゃないッ!」と言いたそうな鳴き声を上げるルルを無視して、俺は定員さんと会話をする。
「この子は俺と契約した従魔だから、懐いてくれてるんだと思いますよ」
「ん? そんなことはないと思うぞ。現に俺が現役の冒険者だった頃は、従魔の首輪を魔物に付けて戦わせていたヤツが多かったからな」
従魔の首輪? それって何なんですか? チュートリアルさん説明よろしくぅっ⁉︎
説明。
従魔の首輪とは、魔物や人など付けた相手を強制的に従わせる魔道具のこと。もし、付けられた者が付けた本人を襲おうとするか、命令に逆らおうとすれば強制的に首が締まるようになっており、そのまま逆らい続ければ最悪の場合死に至ます。付けた張本人、もしくは神官などの聖職者などが首輪を解除することが可能。
補足説明として、別名で奴隷の首輪とも言われており、犯罪者などの護送や犯罪者の強制労働に使われてもいます。
もし、何の罪もない一般市民に使用した場合は、例え王族であっても奴隷に落ちる可能性が大いに高いので、ふざけ半分でもそんなことをしないようにして下さい。
うん、ろくでもない品物だってのを理解したよ。
「ルルにそんな可哀想なことは、したくありません!」
「……そうか。そこが惹かれる理由なのかもなぁ」
彼はそう言うと、カウンターの下をガサゴソと何かし始めた。
何をしてるんだ、この人は?
そんなことを思っていると、カウンターの下からヒョコッと現れた。
「これをお前にやる」
宿屋のエルフはそう言って軽く投げて来たを、ちょっと慌てながら受け取った。
「……え? 何ですか、この青いボール?」
見た目がカラーボールのような半透明な青い塊で、少し弾力があるので当てられても怪我を負わなそうな気がする。
「子供達が投げ合ったりして遊んでいるスライムボールだ。魔力を込めれば大きさを自在に変えられるし、割れ難いからそいつの牙で噛みちぎる心配はしなくてもいいと思うぞ」
「へぇ~……」
試しに少し魔力を込めてみたら、野球ボールほどの大きさからソフトボールぐらいの大きさに変化した。
「時間が経てば先ほどの大きさに戻るから、必要に応じて魔力を込めてくれ。後、くれぐれも宿内で遊ばないでくれ。迷惑だからな」
「ありがとうございます! えっとぉ……」
「ユーダ。だ」
「あ、はい。ユーダさん」
この人、無愛想なだけで実はいい人なのかもしれない。
「キャンッ! キャンッ‼︎ キャンッ‼︎」
ルルがボールで遊びたそうにしているが、俺は心を鬼にしてボールを持っている方の手を上にあげる。
「ダメ。ボール遊びは外でやって欲しいって言われただろ?」
「キュゥ~ン……」
耳を垂らしてショボーンとしている姿を見て、この姿もちょっと可愛いと思ってしまった。
「あら? お客さんかい?」
そう言ってカウンターの後ろから出て来たのは、ユーダさんと同じエルフの女性。
「ああ、さっき宿を取ってくれた人だ。飯の予約もしているから、用意してやってくれ」
「分かったわ。アンタ、何て名前なの?」
「カイリです。こっちはルルと言います」
「キャンッ! キャンッ!」
今だに「ボールちょうだい!」みたいに言って飛び跳ねているルルをエルフの女性は興味深そうな顔で見つめる。
「なるほどねぇ。アタシはチェシーって言うんだ。よろしく」
「よろしくお願いします」
「フェンリル用のご飯もあるから、1階のダイニングに来ておくれ」
「分か……えっ⁉︎」
今、ルルのことをフェンリルって言わなかったか?
俺が驚いている最中、チェシーさんが不思議そうな顔をこっちに向ける。
「何を驚いているんだい?」
「あ、いや……今まで会った人達はルルのことを犬と勘違いしていて、見抜いた人がいたから……」
「ああ~なるほど。確かに幼体のフェンリルなら勘違するねぇ。でも、アタシ場合はフェンリルと会ったことがあるから、一目で分かったんだよ」
ああ~、そういうことかぁ……ってぇ!
「もうご飯を食べるのに、お前はまだ強請っているんかい!」
俺がそう言うと、ルルはハッとした顔で飛び跳ねるのを止めた。多分、ご飯ってワードに反応したんだと思う。
「アハハッ! 元気があっていい子じゃないか。その分なら、アタシの飯を沢山食ってくれそうだねぇ!」
「キャンッ! キャンッ!」
今度は「ご飯! ご飯!」って言いたそうな吠え方で、はしゃぎだした。
「すみません。昼食を貰います」
「どうぞ。昼はアタシ特製のスパゲティだよ」
ほうほう、特製のスパゲティかぁ……それはそれで楽しみだなぁ。
ウキウキしながら食堂に向かい、そのキャシーさん特製スパゲティを食べた。そしてルルの方はと言うと、燻製にした肉をご飯を食べたのだった。虫歯になると困るから、後で犬用の歯ブラシを買ってあげようか。
「ご馳走様でした! ルル、門に行こうか」
「キャンッ!」
「あいよ! 鍵は旦那に渡しておくれよぉ!」
「分かりましたぁ!」
そう返事をした後、ユーダさんに鍵を渡して宿を出た。
「さてと……先ずは門に行って仮通行証を返そうか」
「キャンッ!」
ルルの元気な返事を聞いた後、門へ向けて歩き出す。
それにしても、色んな店が立ち並んでいるなぁ。
武器屋に防具家。道具屋に薬屋といったファンタジー系の定番なものの他に、服屋に床屋。お風呂屋さんや肉屋に青果店。増してや露天まである。
ゲームの世界みたいって思っていたけど、やっぱ現実と同じなんだよな。
そんなことを思いながら歩いていたら、門に着いてしまった。
観光気分で歩いていたら、目的の場所に着いてしまった。
「……いや、考え方しだいじゃ暇を潰せたってことだ」
「キャンッ!」
ルルも楽しそうにしている。と思っていたら、仕切りに門の方を気にしていた。
「どうした、ルル?」
「キャンッ!」
「え? ちょっ⁉︎ ルル? 急に走り出してどうしたんだよ? 待ってくれっ‼︎」
「付いて来て!」と言わんばかりに走り出したので慌ててその後を追うと、門の目の前までやって来た。
「だから、知らなかったんですっ!」
「これが知らないで済む話なのかぁ?」
ん? 何だ、何が起こっているんだ?
そう思いながら門の方に顔を向けて見てみると、門番と商人らしき人が揉めていたのであった。
「部屋中、悪くないなぁ」
ビジネスホテルの様な1人部屋を想像していたが、ベッドが2つもあってベッドの脇には荷物をそのまま置けるほど余裕がある。
もしかしてルルの分を考えてくれたから、ツインベッドがある部屋を用意してくれたのか?
「キャンッ! キャンッ!」
「ねぇ、ご飯まだぁ?」とルルが言いたそうに鳴き声を上げるので、落ち着かせる為に身体を撫でてあげる。
そう言えば、ご飯が出来てるか聞くって言ったもんなぁ。
「確認して来るから、ちょっと待っててくれ」
「キャンッ! キャンッ‼︎」
吠えながら俺の身体にのしかかって来たので、多分「ご主人様が行くなら自分も付いて行く!」と言っているのだと思う。
「分かった! 付いて来ていいから離れてくれ!」
俺がそう言うと、嬉しそうな顔ではしゃぎ回り始めた。
「全く……ルルは甘えん坊だなぁ」
「キャンッ!」
ルルはそう吠えると、俺と共に部屋を出る。一応、何も部屋に置いては無いが鍵を閉めておいてる。
「あのぉ、すみません」
「ん? どうしたんだ?」
「昼食の方はいつ頃に出来るんですか?」
「ああ、昼食。もう少しで出来上がるから待っていてくれ」
ああ、出来上がる前だったみたいだ。
「ルル、少しだけ待てば出来上がるみたいだ。それまで我慢してくれ」
「キャンッ!」
「ハァ~イ!」と言いたそうな鳴き声を上げた後、抱っこを強請って来たので抱っこしてあげる。
「……ホント。その犬、お前に懐いているなぁ」
「キャンッ! キャンッ‼︎」
「犬じゃないッ!」と言いたそうな鳴き声を上げるルルを無視して、俺は定員さんと会話をする。
「この子は俺と契約した従魔だから、懐いてくれてるんだと思いますよ」
「ん? そんなことはないと思うぞ。現に俺が現役の冒険者だった頃は、従魔の首輪を魔物に付けて戦わせていたヤツが多かったからな」
従魔の首輪? それって何なんですか? チュートリアルさん説明よろしくぅっ⁉︎
説明。
従魔の首輪とは、魔物や人など付けた相手を強制的に従わせる魔道具のこと。もし、付けられた者が付けた本人を襲おうとするか、命令に逆らおうとすれば強制的に首が締まるようになっており、そのまま逆らい続ければ最悪の場合死に至ます。付けた張本人、もしくは神官などの聖職者などが首輪を解除することが可能。
補足説明として、別名で奴隷の首輪とも言われており、犯罪者などの護送や犯罪者の強制労働に使われてもいます。
もし、何の罪もない一般市民に使用した場合は、例え王族であっても奴隷に落ちる可能性が大いに高いので、ふざけ半分でもそんなことをしないようにして下さい。
うん、ろくでもない品物だってのを理解したよ。
「ルルにそんな可哀想なことは、したくありません!」
「……そうか。そこが惹かれる理由なのかもなぁ」
彼はそう言うと、カウンターの下をガサゴソと何かし始めた。
何をしてるんだ、この人は?
そんなことを思っていると、カウンターの下からヒョコッと現れた。
「これをお前にやる」
宿屋のエルフはそう言って軽く投げて来たを、ちょっと慌てながら受け取った。
「……え? 何ですか、この青いボール?」
見た目がカラーボールのような半透明な青い塊で、少し弾力があるので当てられても怪我を負わなそうな気がする。
「子供達が投げ合ったりして遊んでいるスライムボールだ。魔力を込めれば大きさを自在に変えられるし、割れ難いからそいつの牙で噛みちぎる心配はしなくてもいいと思うぞ」
「へぇ~……」
試しに少し魔力を込めてみたら、野球ボールほどの大きさからソフトボールぐらいの大きさに変化した。
「時間が経てば先ほどの大きさに戻るから、必要に応じて魔力を込めてくれ。後、くれぐれも宿内で遊ばないでくれ。迷惑だからな」
「ありがとうございます! えっとぉ……」
「ユーダ。だ」
「あ、はい。ユーダさん」
この人、無愛想なだけで実はいい人なのかもしれない。
「キャンッ! キャンッ‼︎ キャンッ‼︎」
ルルがボールで遊びたそうにしているが、俺は心を鬼にしてボールを持っている方の手を上にあげる。
「ダメ。ボール遊びは外でやって欲しいって言われただろ?」
「キュゥ~ン……」
耳を垂らしてショボーンとしている姿を見て、この姿もちょっと可愛いと思ってしまった。
「あら? お客さんかい?」
そう言ってカウンターの後ろから出て来たのは、ユーダさんと同じエルフの女性。
「ああ、さっき宿を取ってくれた人だ。飯の予約もしているから、用意してやってくれ」
「分かったわ。アンタ、何て名前なの?」
「カイリです。こっちはルルと言います」
「キャンッ! キャンッ!」
今だに「ボールちょうだい!」みたいに言って飛び跳ねているルルをエルフの女性は興味深そうな顔で見つめる。
「なるほどねぇ。アタシはチェシーって言うんだ。よろしく」
「よろしくお願いします」
「フェンリル用のご飯もあるから、1階のダイニングに来ておくれ」
「分か……えっ⁉︎」
今、ルルのことをフェンリルって言わなかったか?
俺が驚いている最中、チェシーさんが不思議そうな顔をこっちに向ける。
「何を驚いているんだい?」
「あ、いや……今まで会った人達はルルのことを犬と勘違いしていて、見抜いた人がいたから……」
「ああ~なるほど。確かに幼体のフェンリルなら勘違するねぇ。でも、アタシ場合はフェンリルと会ったことがあるから、一目で分かったんだよ」
ああ~、そういうことかぁ……ってぇ!
「もうご飯を食べるのに、お前はまだ強請っているんかい!」
俺がそう言うと、ルルはハッとした顔で飛び跳ねるのを止めた。多分、ご飯ってワードに反応したんだと思う。
「アハハッ! 元気があっていい子じゃないか。その分なら、アタシの飯を沢山食ってくれそうだねぇ!」
「キャンッ! キャンッ!」
今度は「ご飯! ご飯!」って言いたそうな吠え方で、はしゃぎだした。
「すみません。昼食を貰います」
「どうぞ。昼はアタシ特製のスパゲティだよ」
ほうほう、特製のスパゲティかぁ……それはそれで楽しみだなぁ。
ウキウキしながら食堂に向かい、そのキャシーさん特製スパゲティを食べた。そしてルルの方はと言うと、燻製にした肉をご飯を食べたのだった。虫歯になると困るから、後で犬用の歯ブラシを買ってあげようか。
「ご馳走様でした! ルル、門に行こうか」
「キャンッ!」
「あいよ! 鍵は旦那に渡しておくれよぉ!」
「分かりましたぁ!」
そう返事をした後、ユーダさんに鍵を渡して宿を出た。
「さてと……先ずは門に行って仮通行証を返そうか」
「キャンッ!」
ルルの元気な返事を聞いた後、門へ向けて歩き出す。
それにしても、色んな店が立ち並んでいるなぁ。
武器屋に防具家。道具屋に薬屋といったファンタジー系の定番なものの他に、服屋に床屋。お風呂屋さんや肉屋に青果店。増してや露天まである。
ゲームの世界みたいって思っていたけど、やっぱ現実と同じなんだよな。
そんなことを思いながら歩いていたら、門に着いてしまった。
観光気分で歩いていたら、目的の場所に着いてしまった。
「……いや、考え方しだいじゃ暇を潰せたってことだ」
「キャンッ!」
ルルも楽しそうにしている。と思っていたら、仕切りに門の方を気にしていた。
「どうした、ルル?」
「キャンッ!」
「え? ちょっ⁉︎ ルル? 急に走り出してどうしたんだよ? 待ってくれっ‼︎」
「付いて来て!」と言わんばかりに走り出したので慌ててその後を追うと、門の目の前までやって来た。
「だから、知らなかったんですっ!」
「これが知らないで済む話なのかぁ?」
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そう思いながら門の方に顔を向けて見てみると、門番と商人らしき人が揉めていたのであった。
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