雨宮課長に甘えたい

コハラ

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一緒に暮らす

《6》

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「奈々ちゃん、大丈夫?」

ベッドに寝転がってぼんやりしていたら、拓海さんが心配そうに聞いて来た。拓海さんの顔を見るのが恥ずかしい。私、今、夢中になって腰を振っていた。声もいっぱい出ていたし。

我を忘れた自分があまりにも恥ずかしくて、拓海さんに背を向けた。

「奈々ちゃん?」
「今、ちょっと拓海さんの顔が見られなくて」
「どうして?」
「だって私、その……」

その先を言葉にするのは恥ずかしい。
こんなに激しいエッチをしたのは初めてで、何と言ったらいいかわからない。

「奈々ちゃん、怒ってるの?」

黙っていると拓海さんの声が深刻になる。

「……怒っている訳ではないのですが……」
「もしかして、照れてる?」

いきなり拓海さんの顔が私の前に現れた。

「ひゃあ」

驚いて仰け反ると、拓海さんがクスクス笑う。

「もうっ、拓海さん、びっくりするでしょ」

ぶちゅっと唇が重なって、逃げようとすると後頭部を抱かれた。

「奈々ちゃん、好きだ。好きで堪らないんだ」

キスの合間に熱っぽい声で言われ、胸がドキンと高鳴った。
拓海さんの柔らかな舌が口の中に入り、私の舌を絡めとる。エッチしたばかりなのに、下腹部が疼いてまたしたくなる。

「拓海さんっ、ダメっ、したくなるから」
「奈々ちゃんが可愛くて仕方ない。一日中でも奈々ちゃんを抱きたい」

拓海さんは本当に私に夢中になっているという様子だったから驚いた。

「どんなに俺が奈々ちゃんを好きかわからせてあげる」

色っぽい目で見つめられ、また拓海さんと身体を重ねた。
土曜日は一日中ベッドにいて、日曜日も夕方まで拓海さんとベッドにいた。

拓海さんにいっぱい愛されて幸せな週末だった。

月曜日の朝は、拓海さんと一緒にマンションを出て、地下鉄の駅まで行った。
一緒に通勤できるのが嬉しい。電車の中で拓海さんと目を合わせる度に頬が緩んだ。

「奈々ちゃん、顔がとけてるよ」
拓海さんにからかわれた。

だって拓海さんがあまりにも素敵なんだもの。今日の拓海さんもビシッとスーツを着こなしていてカッコイイ。こんなに素敵な人が私の恋人だと思うと嬉しくて堪らない。

庶務係の仕事もおかげで楽しくなった。総務から回ってくる雑用を率先して片付けた。
前は宣伝部から外されていじけていたけど、庶務の仕事も悪くないって思えるようになった。

拓海さんと同棲を始めてから、ベタベタで甘い毎日が過ぎる。
クリスマスもお正月もずっと拓海さんと一緒で幸せだった。

この幸せが永遠に続いて欲しいと思ったある日、波乱は急にやって来た。
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