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拓海さんの気持ち
《4》
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「私、拓海さんを救っていたんですか?」
拓海さんが穏やかな表情で頷いた。
「うん。救ってもらった。優真が病気になってからは苦しい日々の中にいたけど、会社で奈々ちゃんといる時はその苦しさから解放されていたんだ。奈々ちゃんと出会えてなかったら、今の俺はいないかもしれない。それぐらい俺にとって大きな救いになっていたんだ」
「拓海さん、大げさですよ」
「大げさじゃない。奈々ちゃんが俺の元から離れて宣伝部に行った後も、奈々ちゃんの話をよく鈴木課長から聞いていたんだ。奈々ちゃんはいつも精一杯頑張っていると思ったよ。だから俺も頑張ろうと思うようになった」
前に拓海さん、どうして阿久津部長から庇ってくれたんですかって聞いた時、私の事を宣伝部の仕事が好きで、いつも一生懸命だって言ってくれた。
拓海さん、私が入社した時から見ていてくれたんだ。
「いつだったか、カフェバーで試写会をやりたいって俺に企画を持って来たよね。あの時は優真が亡くなって、離婚した直後で、そういう俺が辛い時に奈々ちゃんはいつも面倒な事を言ってくるんだ」
クスッと拓海さんが笑う。
「俺がダメって言った事に対して、こうしたらどうですかって毎日のように案を持って来たよな。相変わらず面倒な子だと思いながらも、奈々ちゃんとやり合っているのが楽しかった。それが生活の張りになった。いつの間にか辛い時期を乗り越えられた。やっぱり奈々ちゃんのおかげなんだよ」
「拓海さん……」
「奈々ちゃん、愛されている自信がないと言ったけど、奈々ちゃんの事、いっぱい愛しているよ。奈々ちゃんが思っている以上に俺の中で存在は大きいんだ」
胸が熱い。
まさかそんな風に拓海さんが言ってくれるなんて思わなかった。
拓海さんが穏やかな表情で頷いた。
「うん。救ってもらった。優真が病気になってからは苦しい日々の中にいたけど、会社で奈々ちゃんといる時はその苦しさから解放されていたんだ。奈々ちゃんと出会えてなかったら、今の俺はいないかもしれない。それぐらい俺にとって大きな救いになっていたんだ」
「拓海さん、大げさですよ」
「大げさじゃない。奈々ちゃんが俺の元から離れて宣伝部に行った後も、奈々ちゃんの話をよく鈴木課長から聞いていたんだ。奈々ちゃんはいつも精一杯頑張っていると思ったよ。だから俺も頑張ろうと思うようになった」
前に拓海さん、どうして阿久津部長から庇ってくれたんですかって聞いた時、私の事を宣伝部の仕事が好きで、いつも一生懸命だって言ってくれた。
拓海さん、私が入社した時から見ていてくれたんだ。
「いつだったか、カフェバーで試写会をやりたいって俺に企画を持って来たよね。あの時は優真が亡くなって、離婚した直後で、そういう俺が辛い時に奈々ちゃんはいつも面倒な事を言ってくるんだ」
クスッと拓海さんが笑う。
「俺がダメって言った事に対して、こうしたらどうですかって毎日のように案を持って来たよな。相変わらず面倒な子だと思いながらも、奈々ちゃんとやり合っているのが楽しかった。それが生活の張りになった。いつの間にか辛い時期を乗り越えられた。やっぱり奈々ちゃんのおかげなんだよ」
「拓海さん……」
「奈々ちゃん、愛されている自信がないと言ったけど、奈々ちゃんの事、いっぱい愛しているよ。奈々ちゃんが思っている以上に俺の中で存在は大きいんだ」
胸が熱い。
まさかそんな風に拓海さんが言ってくれるなんて思わなかった。
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