108 / 179
お料理教室
《1》
しおりを挟む
佐伯リカコと拓海さんがキスをしている夢を見た。
最悪な気分で目が覚める。
ベッドの上の時計を見ると、まだ朝の5時。
起きるには早い。今日は土曜日だし、もう少しゆっくり寝ていたい。
でも、夢が気になって寝付けなかった。
スマホを見ると拓海さんからメッセージが来ている。
拓海さんから連絡が来るのを待っていて、そのまま眠ってしまったんだ。
メッセージはふぐ料理のお店から帰宅しましたという私への返信で、拓海さんは深夜2時頃、帰宅したとあった。
着信もあった。
電話くれてたんだ。
なんで眠っちゃったんだろう。
拓海さんと話したかった。
9時ぐらいだったら拓海さん起きてるかな。
9時になるのを待って電話をした。
「はい」と電話に出た女性の声に頭の中が真っ白になる。
「もしもし」
黙ったままでいると、女性が言った。
「拓海に用事?」
拓海……。
この声は佐伯リカコ……。
さあーっと血の気が引く。
「勝手に出るな」
電話の奥で焦ったような拓海さんの声がする。
「もしもし」
拓海さんの声だ。
「奈々ちゃん?」
あ、ディスプレイに私の名前が出ているから。
「奈々ちゃん?」
さっきよりも心配そうな声で呼ばれた。
喉の奥が締め付けられ、心臓がドクドクと嫌な音を立てている。
まさか昨夜から佐伯リカコと一緒にいたの?
どうして一緒にいるの?
そう聞きたいけど、聞いてしまったら怒りを抑えられなくなりそうで、言葉を飲み込んだ。
「お休みの所すみません。特に用事はありません。失礼します」
「待って、奈々ちゃん」
拓海さんの声がしたけど、プツリと切った。
すぐにスマホが鳴った。
拓海さんの名前が表示されていたけど、出なかった。
今は話したくない。
きっと声を聞いたら怒って責めてしまう。
そんな感情的な所見せたくない。
嫉妬深くて嫌な私を見せて、拓海さんの気持ちが離れていくような事はしたくない。
とにかく今は心を落ち着けよう。
冷静になるまでは電話に出ない。
スマホの電源を切った。
最悪な気分で目が覚める。
ベッドの上の時計を見ると、まだ朝の5時。
起きるには早い。今日は土曜日だし、もう少しゆっくり寝ていたい。
でも、夢が気になって寝付けなかった。
スマホを見ると拓海さんからメッセージが来ている。
拓海さんから連絡が来るのを待っていて、そのまま眠ってしまったんだ。
メッセージはふぐ料理のお店から帰宅しましたという私への返信で、拓海さんは深夜2時頃、帰宅したとあった。
着信もあった。
電話くれてたんだ。
なんで眠っちゃったんだろう。
拓海さんと話したかった。
9時ぐらいだったら拓海さん起きてるかな。
9時になるのを待って電話をした。
「はい」と電話に出た女性の声に頭の中が真っ白になる。
「もしもし」
黙ったままでいると、女性が言った。
「拓海に用事?」
拓海……。
この声は佐伯リカコ……。
さあーっと血の気が引く。
「勝手に出るな」
電話の奥で焦ったような拓海さんの声がする。
「もしもし」
拓海さんの声だ。
「奈々ちゃん?」
あ、ディスプレイに私の名前が出ているから。
「奈々ちゃん?」
さっきよりも心配そうな声で呼ばれた。
喉の奥が締め付けられ、心臓がドクドクと嫌な音を立てている。
まさか昨夜から佐伯リカコと一緒にいたの?
どうして一緒にいるの?
そう聞きたいけど、聞いてしまったら怒りを抑えられなくなりそうで、言葉を飲み込んだ。
「お休みの所すみません。特に用事はありません。失礼します」
「待って、奈々ちゃん」
拓海さんの声がしたけど、プツリと切った。
すぐにスマホが鳴った。
拓海さんの名前が表示されていたけど、出なかった。
今は話したくない。
きっと声を聞いたら怒って責めてしまう。
そんな感情的な所見せたくない。
嫉妬深くて嫌な私を見せて、拓海さんの気持ちが離れていくような事はしたくない。
とにかく今は心を落ち着けよう。
冷静になるまでは電話に出ない。
スマホの電源を切った。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
26
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる