102 / 179
佐伯リカコの本心
《4》
しおりを挟む
私は拓海さんと佐伯リカコがいるテーブルから三列離れた席に移った。そこには今日子さんと望月先生がいた。
望月先生が私のグラスにビールを注ぎながら、「佐伯リカコに嫉妬している顔だな」と笑った。
ドキッとして、望月先生を見るとさらに可笑しそうに笑う。
「先生、人の恋路を邪魔しては何とかって言いますよ。真剣な気持ちを揶揄してはいけませんよ」
今日子さんが注意する。
「中島さん、ごめんなさい。先生は意地悪な所があるから」
私の気持ち、望月先生にも今日子さんにもわかっちゃったの?
今夜は上司と部下の距離でいるのに、なんでわかったの?
「その顔はなんでと書いてあるな。お前さんはわかりやすいって事だ」
豪快に先生が笑った。
望月先生が鋭いのか、私がわかりやすいのか……。
気持ちが顔に出ないように気をつけなきゃ。
「中島さん、あのイケメン上司も中島さんに気がありそうだぞ。もしかして」
考えるように望月先生が私の顔を見つめる。
整った顔立ちに見つめられ、緊張する。
「な、なんですか?」
「耳を貸せ」
言われた通りにすると、望月先生が私の耳の中で囁いた。
「イケメン上司と不倫中か?」
どうして私がそんな風に言われなきゃいけないの。
不倫をしているのは佐伯リカコの方なのに。
心が痛い。
「な、中島さん、ごめんなさい。こっちへ」
今日子さんが私の手を取り、引っ張った。
言われるままお座敷を出て、誰もいない隣の客間に入った。
望月先生が私のグラスにビールを注ぎながら、「佐伯リカコに嫉妬している顔だな」と笑った。
ドキッとして、望月先生を見るとさらに可笑しそうに笑う。
「先生、人の恋路を邪魔しては何とかって言いますよ。真剣な気持ちを揶揄してはいけませんよ」
今日子さんが注意する。
「中島さん、ごめんなさい。先生は意地悪な所があるから」
私の気持ち、望月先生にも今日子さんにもわかっちゃったの?
今夜は上司と部下の距離でいるのに、なんでわかったの?
「その顔はなんでと書いてあるな。お前さんはわかりやすいって事だ」
豪快に先生が笑った。
望月先生が鋭いのか、私がわかりやすいのか……。
気持ちが顔に出ないように気をつけなきゃ。
「中島さん、あのイケメン上司も中島さんに気がありそうだぞ。もしかして」
考えるように望月先生が私の顔を見つめる。
整った顔立ちに見つめられ、緊張する。
「な、なんですか?」
「耳を貸せ」
言われた通りにすると、望月先生が私の耳の中で囁いた。
「イケメン上司と不倫中か?」
どうして私がそんな風に言われなきゃいけないの。
不倫をしているのは佐伯リカコの方なのに。
心が痛い。
「な、中島さん、ごめんなさい。こっちへ」
今日子さんが私の手を取り、引っ張った。
言われるままお座敷を出て、誰もいない隣の客間に入った。
0
お気に入りに追加
39
あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

甘すぎるドクターへ。どうか手加減して下さい。
海咲雪
恋愛
その日、新幹線の隣の席に疲れて寝ている男性がいた。
ただそれだけのはずだったのに……その日、私の世界に甘さが加わった。
「案外、本当に君以外いないかも」
「いいの? こんな可愛いことされたら、本当にもう逃してあげられないけど」
「もう奏葉の許可なしに近づいたりしない。だから……近づく前に奏葉に聞くから、ちゃんと許可を出してね」
そのドクターの甘さは手加減を知らない。
【登場人物】
末永 奏葉[すえなが かなは]・・・25歳。普通の会社員。気を遣い過ぎてしまう性格。
恩田 時哉[おんだ ときや]・・・27歳。医者。奏葉をからかう時もあるのに、甘すぎる?
田代 有我[たしろ ゆうが]・・・25歳。奏葉の同期。テキトーな性格だが、奏葉の変化には鋭い?
【作者に医療知識はありません。恋愛小説として楽しんで頂ければ幸いです!】
しっかりした期待の新人が来たと思えば、甘えたがりの犬に求婚された件
アバターも笑窪
恋愛
\甘えたイケメン×男前系お姉さんラブコメ/
ーーーーーーーーーーーー
今年三十歳を迎える羽多野 真咲は、深夜の自宅でべろべろに酔った部下を介抱していた。
二週間前に配属されたばかりの新しい部下、久世 航汰は、
「傾国」などとあだ名され、
周囲にトラブルを巻き起こして異動を繰り返してきた厄介者。
ところが、ふたを開けてみれば、久世は超がつくほどしっかりもので、
仕事はできて、真面目でさわやかで、しかもめちゃくちゃ顔がいい!
うまくやっていけそうと思った矢先、酒に酔い別人のように甘えた彼は、
醜態をさらした挙句、真咲に言う。
「すきです、すきすぎる……おれ、真咲さんと、けっこん、したい!」
トラブルメーカーを抱えて頭の痛い真咲と、真咲を溺愛する年下の部下。
真咲の下した決断は──
※ベリーズカフェ、小説家になろうにて掲載中の完結済み作品です。
イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。

溺婚
明日葉
恋愛
香月絢佳、37歳、独身。晩婚化が進んでいるとはいえ、さすがにもう、無理かなぁ、と残念には思うが焦る気にもならず。まあ、恋愛体質じゃないし、と。
以前階段落ちから助けてくれたイケメンに、馴染みの店で再会するものの、この状況では向こうの印象がよろしいはずもないしと期待もしなかったのだが。
イケメン、天羽疾矢はどうやら絢佳に惹かれてしまったようで。
「歳も歳だし、とりあえず試してみたら?こわいの?」と、挑発されればつい、売り言葉に買い言葉。
何がどうしてこうなった?
平凡に生きたい、でもま、老後に1人は嫌だなぁ、くらいに構えた恋愛偏差値最底辺の絢佳と、こう見えて仕事人間のイケメン疾矢。振り回しているのは果たしてどっちで、振り回されてるのは、果たしてどっち?

手を伸ばした先にいるのは誰ですか~愛しくて切なくて…憎らしいほど愛してる~【完結】
まぁ
恋愛
ワイン、ホテルの企画業務など大人の仕事、そして大人に切り離せない恋愛と…
「Ninagawa Queen's Hotel」
若きホテル王 蜷川朱鷺
妹 蜷川美鳥
人気美容家 佐井友理奈
「オークワイナリー」
国内ワイナリー最大手創業者一族 柏木龍之介
血縁関係のない兄妹と、その周辺の何角関係…?
華やかな人々が繰り広げる、フィクションです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる