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雨宮課長と仙台出張
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「中島さん、仙台は日帰り出張のつもりだったが、台風の影響で新幹線が動かないようだ。今夜はどこかに泊まらないと」
雨宮課長が困ったようにこちらに視線を向ける。
なんですかその嬉しい展開。
「何! ビジネスホテルの部屋がツインルームの一つしか空いていないだと!」
ホテルのフロントで雨宮課長がさらに困ったような顔をする。
それってつまり、課長と同室って事?
なんて都合が良過ぎる展開なの。
「課長、あの、私大丈夫です。雨宮課長が嫌じゃなければ」
ぽっと赤面しながら答えると雨宮課長が「嫌な訳ないだろ。だけど俺も男だ。どうなっても知らんぞ」と言った。
きゃー。課長。襲ってくれるの!
「はい。私もどうなってもいいです」
「中島さん……」
「雨宮課長……」
課長と見つめ合い、そして唇が重なって……。
「中島さん! 中島さん! 仙台に着いたよ」
その声で現実に戻された。
「やっと起きた」
スーツ姿の雨宮課長が苦笑いを浮かべる。
ここは新幹線の車内のよう。
窓の外に仙台駅が見える。
『フラワームーンの願い』の映画フィルムを求めて、雨宮課長と仙台に来たんだった。それで今朝、東京駅から6:32発の新幹線に乗って……。
大宮駅を過ぎた辺りから記憶がない。
もしかして私、仙台に着くまで寝ていたの?
じゃあ、台風で帰りの新幹線がなくなって、雨宮課長とビジネスホテルに泊まる事になったのは夢!
なんて夢を見たの……。
きっと願望がそのまま夢に出たんだ。
雨宮課長の隣でそんな夢を見て恥ずかしい。
しかも、せっかく雨宮課長と二人きりで新幹線だったのに、ずっと寝ていたなんて、もったいない。こんな機会、滅多にないのに。
昨夜あまり眠れなかったせいだ。雨宮課長と日帰りとはいえ出張だと思ったら、緊張して眠れなかったから。
雨宮課長が困ったようにこちらに視線を向ける。
なんですかその嬉しい展開。
「何! ビジネスホテルの部屋がツインルームの一つしか空いていないだと!」
ホテルのフロントで雨宮課長がさらに困ったような顔をする。
それってつまり、課長と同室って事?
なんて都合が良過ぎる展開なの。
「課長、あの、私大丈夫です。雨宮課長が嫌じゃなければ」
ぽっと赤面しながら答えると雨宮課長が「嫌な訳ないだろ。だけど俺も男だ。どうなっても知らんぞ」と言った。
きゃー。課長。襲ってくれるの!
「はい。私もどうなってもいいです」
「中島さん……」
「雨宮課長……」
課長と見つめ合い、そして唇が重なって……。
「中島さん! 中島さん! 仙台に着いたよ」
その声で現実に戻された。
「やっと起きた」
スーツ姿の雨宮課長が苦笑いを浮かべる。
ここは新幹線の車内のよう。
窓の外に仙台駅が見える。
『フラワームーンの願い』の映画フィルムを求めて、雨宮課長と仙台に来たんだった。それで今朝、東京駅から6:32発の新幹線に乗って……。
大宮駅を過ぎた辺りから記憶がない。
もしかして私、仙台に着くまで寝ていたの?
じゃあ、台風で帰りの新幹線がなくなって、雨宮課長とビジネスホテルに泊まる事になったのは夢!
なんて夢を見たの……。
きっと願望がそのまま夢に出たんだ。
雨宮課長の隣でそんな夢を見て恥ずかしい。
しかも、せっかく雨宮課長と二人きりで新幹線だったのに、ずっと寝ていたなんて、もったいない。こんな機会、滅多にないのに。
昨夜あまり眠れなかったせいだ。雨宮課長と日帰りとはいえ出張だと思ったら、緊張して眠れなかったから。
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