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深夜のファミレスで
《7》
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「中島さん、電車の中で居眠りしないように」
駅の改札を通ると雨宮課長が言った。
「雨宮課長こそ、気をつけて下さい」
「そうだね。きっと僕の方が危ない。気をつけるよ」
クスッと笑った時の眼鏡越しの瞳が優しい。
雨宮課長ってこんなに優しい目をした人だったっけ?
「じゃあ、お疲れ」
「お疲れ様です」
手を軽く振って、雨宮課長がホームに向かう。
その背中を見送りながら、寂しさがこみ上げてくる。
線引きしなきゃと思ったばかりなのに、もう少しだけ雨宮課長と一緒にいたい。そう思ってしまう程、雨宮課長との時間は親密で濃かった。
弱ってるな。
いけない。いけない。
この状況が少しドラマチックだから、感傷的になっているだけ。
これは現実で恋愛映画じゃない。
呼び止めたりしたら、雨宮課長にしつこいと思われそう。
自分の事はよくわかっている。
女性としての私は声をかけられて嬉しいと思うほどの美人ではない。
だから、大人しく帰ろう。
駅の改札を通ると雨宮課長が言った。
「雨宮課長こそ、気をつけて下さい」
「そうだね。きっと僕の方が危ない。気をつけるよ」
クスッと笑った時の眼鏡越しの瞳が優しい。
雨宮課長ってこんなに優しい目をした人だったっけ?
「じゃあ、お疲れ」
「お疲れ様です」
手を軽く振って、雨宮課長がホームに向かう。
その背中を見送りながら、寂しさがこみ上げてくる。
線引きしなきゃと思ったばかりなのに、もう少しだけ雨宮課長と一緒にいたい。そう思ってしまう程、雨宮課長との時間は親密で濃かった。
弱ってるな。
いけない。いけない。
この状況が少しドラマチックだから、感傷的になっているだけ。
これは現実で恋愛映画じゃない。
呼び止めたりしたら、雨宮課長にしつこいと思われそう。
自分の事はよくわかっている。
女性としての私は声をかけられて嬉しいと思うほどの美人ではない。
だから、大人しく帰ろう。
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