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7話 速水さんとセクシー美女?
《23》
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「美樹ちゃん、セクシー美女の正体知りたい?」
笑いを含んだ低い声が速水さんの胸越しに聞こえた。恥ずかしいからまだ速水さんの胸に顔を埋めたまま。速水さんの腕も私を抱き枕のように抱いたままで離してくれない。
「はい」
「昨日はお世話になっている作家さんがお子さんと一緒に集学館に来ていて、僕はお子さんの相手をしていたんだ。その子は10歳の女の子でね。将棋が強いんだよ。美樹ちゃんと話したのは対局中だったんだ」
という事は、あの『早くしては』10歳の女の子……。
「言われてみれば年の割に大人びた声をしていた女の子だったかもしれないね」
私、10歳の女の子をセクシー美女と勘違いしていたんだ。
速水さんが笑い転げるのもわかる。
恥ずかしくて死ぬ。
「美樹ちゃん、下着姿のセクシー美女と僕が何をしている所を想像したの?」
速水さんがセクシー美女にベッドに押し倒されて、裸にされそうになっていた所を想像したなんて、とても口にできない。
「いや、あの」
「言えない事?」
「……はい」
「言えない事ってどんな事?」
「それは……」
クスクス笑う声が押し付けた胸越しにまた聞こえる。
速水さん、私がエッチな想像したってわかっているんだ。それで聞くんだから意外と速水さんは意地悪だ。
「……い、言えない事は言えない事なんです」
トンと速水さんの胸を叩くと、さらに速水さんが声を上げて笑う。笑っている振動まで触れている場所から伝わってくる。速水さんの声と匂いと温もりに包まれて心臓が爆発しそう。速水さんは私の事を意識していないから平気なんだろうけど、私はいっぱいいっぱい。この状況をどうすればいいの? そう思った時、ピンポーンとインターホンらしき音がした。
笑いを含んだ低い声が速水さんの胸越しに聞こえた。恥ずかしいからまだ速水さんの胸に顔を埋めたまま。速水さんの腕も私を抱き枕のように抱いたままで離してくれない。
「はい」
「昨日はお世話になっている作家さんがお子さんと一緒に集学館に来ていて、僕はお子さんの相手をしていたんだ。その子は10歳の女の子でね。将棋が強いんだよ。美樹ちゃんと話したのは対局中だったんだ」
という事は、あの『早くしては』10歳の女の子……。
「言われてみれば年の割に大人びた声をしていた女の子だったかもしれないね」
私、10歳の女の子をセクシー美女と勘違いしていたんだ。
速水さんが笑い転げるのもわかる。
恥ずかしくて死ぬ。
「美樹ちゃん、下着姿のセクシー美女と僕が何をしている所を想像したの?」
速水さんがセクシー美女にベッドに押し倒されて、裸にされそうになっていた所を想像したなんて、とても口にできない。
「いや、あの」
「言えない事?」
「……はい」
「言えない事ってどんな事?」
「それは……」
クスクス笑う声が押し付けた胸越しにまた聞こえる。
速水さん、私がエッチな想像したってわかっているんだ。それで聞くんだから意外と速水さんは意地悪だ。
「……い、言えない事は言えない事なんです」
トンと速水さんの胸を叩くと、さらに速水さんが声を上げて笑う。笑っている振動まで触れている場所から伝わってくる。速水さんの声と匂いと温もりに包まれて心臓が爆発しそう。速水さんは私の事を意識していないから平気なんだろうけど、私はいっぱいいっぱい。この状況をどうすればいいの? そう思った時、ピンポーンとインターホンらしき音がした。
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