推しの速水さん

コハラ

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7話 速水さんとセクシー美女?

《1》

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こんなに木曜日が待ち遠しかった事は今までなかった。速水さんは確かに今週の木曜日、図書館に来ると言った。それって図書館で会おうって意味だよね?

図書館ってゆりさんが働いているあの図書館だよね? 時間は聞いてなかったけど、いつも通り午後3時から午後6時の間に来るのかな?

どうしよう。全部、私の勘違いだったら……。

月曜日になると、日曜日の出来事が全部夢だったように思えて自信がなくなってくる。

いくちゃんは「そんな事ないよ」と言ってくれるけど、速水さんから連絡がないと不安になる。

前は速水さんを遠くから見ているだけで満足できたのに、こんな事思うなんて変だ。

一体どうしたの? いつからこんな傲慢な人間になったの? 推しの速水さんから連絡を頂きたいと思っているなんて、図々し過ぎる。

きっと、速水さんと友達になれた事をいい事に調子に乗っているんだ。これ以上は望んではダメ。多くを望めば身の破滅を招く。

そう思うけど、速水さんからの連絡がない事に一日中悶々とした。

火曜日はさらに酷くなった。速水さんに会いたくて堪らない。大学は集学館からそう遠くない場所にある。大学の帰りに集学館に寄り道しちゃうおうかな、なんて無意識に考えている。

ダメダメ。

前と違ってお仕事の話をしに行くんじゃないんだから。訪ねて行ったら速水さんの迷惑になる。我慢、我慢。明後日会えるんだから。

自分を強く戒め、火曜日も我慢した。そして水曜日。まだ速水さんから連絡がない。やっぱり、こっちから連絡した方がいいの? 時間とかわからないし。勝手に午後3時から6時の間だと思っているけど、違ったら嫌だし。

でも、そんな約束した覚えないって言われたらどうしよう。
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